ひとくちに株式投資といっても、様々な方法があります。

ウォール街

たとえば、世界一の投資家と呼ばれるウォーレン・バフェット氏の投資手法は
「バイ&ホールド型」
つまり、バイ(Buy)買って、ホールド(Hold)し続けるという方法です。

もちろん、業績の悪い株を塩漬けにしておいたのでは、いつまで経っても利益が出ませんから、今後、10年間に渡って、継続的に利益を伸ばし続ける会社の株を購入して、その株を10年以上維持し続ける方法です。

10年間で10倍になるような株を見つけて購入し、それを維持する。
それをたったの2回繰り返せば、資産は100倍になるという考え方です。

なお、年率25.89%で複利で運用することができれば、10年間で10倍になります。
年率20%から30%で成長している企業は会社四季報を調べれば、
数十社はありますので、全く不可能というわけでもありません。

その対極に位置するのがデイトレードです。

最近ではマスコミに出てこられなくなりましたが、一時期、ジェイコム株大量誤発注事件で、わずか16分で20億円の利益を上げて有名になられた、通称「ジェイコム男」、ネット上で「BNF」さんと呼ばれ方がいらっしゃいます。

この方なんかは、完全にデイトレードで1日中チャートを見ながら、頻繁にデイトレを繰り返されます。

もちろん、様々なやり方があり、それぞれの方法で利益を上げている方も、損をしている方もおられるのですが、肝腎なことは、
自分に合った継続できる方法を見つけて、それを継続していくことでしょう。

ここでは、代表的な株式投資の方法と参考書籍を記します。

株式投資の種類

Contents

  • バイ&ホールド型(成長株投資)うねり取り
  • トレンドフォロー型売買
  • システムトレード
  • デイトレード
  • バリュー株投資
  • 新興株投資
  • サヤ取り
  • 投資信託の購入

バイ&ホールド型

上述しましたが、世界一の投資家と呼ばれるウォーレン・バフェットが実践している手法です。世界一の投資家といわれる人が実践している方法ですから、バフェット氏のやり方をそのまま真似れば、大きな資産が構築できるはずです(???)。

実際、バフェット氏がある会社の株を大量に購入したというニュースが流れれば、それだけで株価が大きく上がります。

2018年5月4日にもバフェット氏の会社バークシャー・ハサウェイがアップルの株式を7500万株(137億ドル相当)を追加購入したというニュースが流れ、アップルの株は1日で3.93%も上昇しました。

バフェット氏の基本的な考え方は、今後、10年間に渡って、継続的に伸びる会社の株を買って、それを保持し続けるという方法です。

バフェットの銘柄選択術

これまで、どのようにして、そんな株を見つけるのだろうと思っていましたが、
「バフェットの銘柄選択術」にその方法の一部が掲載されています。

バフェットの銘柄選択術
バフェットの銘柄選択術

 バフェットの銘柄選択術とは?

バフェット氏本人が書いたわけではありませんが、著者の一人はメアリー・バフェットというバフェット氏の御子息のお嫁さん(既に離婚)が書かれた本ということなので、非常に参考になります。

様々な方法が紹介されていますが、いくつかを抜粋してみますと、

  • 1株当たり利益が毎年安定して継続的に伸びている企業
  • 株主資本利益率(ROE)が高い企業

の株を購入するといった方法です。

この本では、特に、10年間に渡って、1株当たり利益が毎年安定して継続的に伸びている企業を推薦しています。

確かに、アップルの業績が急激に上がり出したのは、2006年頃からiPodが爆発的に売れ出した頃からです。
したがって、過去10年間安定して成長しているというバフェットの基準にはピッタリの会社です。

さて、どの程度の伸びがいいかということですが、バフェット氏の平均利率は年間20%だったと言われています。
ですから、過去5年間で1株利益が毎年30%程度伸びている会社をひとつの目安としてもいいのではないかと思います。

「バフェットの銘柄選択術」では、過去10年のデータが必要とされていますが、会社四季報では、5年前くらいのデータしか掲載されていません。

まずは、過去5年で一株利益や経常利益が年率30%以上、5年で3倍以上の数字を目安として企業をピックアップすればいいでしょう。

バフェットの年利20%という数字は、「世界一の投資家にしてはたいしたことないなあ」と思われるかもしれません。
しかし、もし、仮に、税引き後の数字で年間20%も利益を増やせば、なんと50年間で7500倍にもなるのです。

実家が裕福な家庭ならば、子供が成人した時に、1,000万円を贈与して、年利20%で資金を運用させれば、

  • 20年後の40歳の時には3億8300万円
  • 30年後の50歳の時には23億7300万円
  • 40年後の60歳の時には146億9700万円
  • 50年後の70歳の時には910億円

という現実離れした数字になるのです。年利20%を継続するということが、いかに凄いかが分かるかと思います。

バフェットの銘柄選択術の問題点

私は、バフェット関連の本では、最初にこの「バフェットの銘柄選択術」を読み、これで私も投資で成功できると思い、この本に推薦されているような銘柄を会社四季報を読んで探しました。

会社四季報に掲載されている数千銘柄のうち、約30銘柄程度が該当しました。
そして、それらの銘柄のチャートを毎日見続けたのですが、ひとつ大きな問題が分かりました。

業績は安定して年間30%伸びていっていても、株価の変動は非常に激しいのです。

毎年30%以上も成長を続ける会社となると、ほとんどがまだ成長途中の小型株となります。
ですから仕手筋からの買いが入るのか株価変動が非常に大きくなります。短期間で50%以上上がったり下がったりするのは、よくありました。

過去5年間30%以上の伸びを続けていれば、今年以降も高い伸びを継続すると思われますが、買うタイミングによっては、自分の買値から50%程度下がってしまう危険性はあります。

さらに、バフェット氏は分散買いではなく銘柄を絞っての集中投資を勧めています。
そうなると、自分が購入した途端に株価がドンドン下がり続け、資産が半分以下になってしまう危険性があるわけです。

バフェット氏はそのような失敗をしなかったのだろうかと思って、バフェット氏の伝記「スノーボール」を読みました。

結果、分かったことは、世界一の投資家バフェット氏が選んだ銘柄であっても一時的には50%以上も下落をする株もあったということです。

バイ&ホールド型のメリット

  • 10倍株をたったの2銘柄見つけるだけで資産が100倍になる可能性がある。
  • 頻繁に売買を繰り返す必要がない。

バイ&ホールド型のデメリット

  • 自分が選んだ株を長期保有するだけの自制心と自己信頼が必要

強力な自制心と自尊心がなければ、バフェット氏と同じ方法は難しいのかもしれません。また、それができるからこそ、バフェット氏は世界一の投資家と呼ばれているのでしょう。

ピーター・リンチの成長株投資

成長株投資では、バフェット氏と並んで評価されていた伝説のファンドマネージャーのピーター・リンチという方がおられます。フィディリティ・マゼラン・ファンドを運用し、13年間で平均年率23%以上の利益を引退するまで上げられたという人です。

ピーターリンチの株で勝つ
ピーターリンチの株で勝つ

やはり、成長株投資ではあるのですが、リンチ氏の場合は、集中投資ではなく1400銘柄と幅広い銘柄に投資をされていました。

投資信託のファンドマネージャーという仕事の性格上、ある程度、分散投資をする必要があったのかもしれません。

ピーターリンチ氏の成長株投資のメリット

  • バフェット氏と同じような成長株投資でありながら、銘柄を広く分散することで、リスクを軽減できる。
  • 一般の個人投資家にとっては集中投資するよりも精神的負担が少ない。

ピーターリンチ氏の成長株投資のデメリット

  • 成長株を選んだとしても日経平均が急落する場面においては、他の銘柄以上に下落率が大きくなる可能性がある
  • 分散できる銘柄の数は資金量によって制約を受ける。

例えば、株価3000円で100株単位で購入できる株式の場合、1銘柄の購入に必要な資金は30万円です。
投資可能金額が300万円なら10銘柄購入可能となりますが、資金が60万円ならば、2銘柄しか購入できず、分散投資によるリスク軽減はあまり期待できません。

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うねり取り

いわゆる日本の昔の相場師が実践していた方法がうねり取りと呼ばれる方法です。

あなたも株のプロになれる
あなたも株のプロになれる

「あなたも株のプロになれる」(立花義正著)では、銘柄をパイオニアだけに絞って、うねり取りで売買した方法が実際の売買記録と一緒に説明されています。

通常の株式投資の場合、まず、どの銘柄を買おうかという銘柄選定から入ります。

しかし、うねり取りの場合は、逆に、銘柄を固定して売買することが勧められています。

特に、立花氏の場合は、株式投資を始めた最初は数銘柄で売買されていたのですが、途中からは、パイオニア1社に絞り、パイオニアだけを売買して、生活費だけでなく死ぬまでに5億円もの資産を残されたということです。

この立花氏の売買を絶賛しておられた相場師であり著者でもある林輝太郎氏はその著書「株式上達セミナー」で2分割売買を続けることで、うねり取りに上達できるとされています。

株式上達セミナー
株式上達セミナー

2分割売買の練習方法

2分割売買の練習方法は以下の通りです。

自分が売買する銘柄を1銘柄選定する

なお、この場合は、ある程度、価格変動がある銘柄であれば、何でもいいとされています。

つまり、成長株投資のように経常利益率が毎年30%伸びているといった基準で選択するのではなく、ある程度、大型株で倒産する心配がなく、しかも、比較的トレンドがある銘柄であれば、何でもOKとされています。

大きな株価変動がなければ、儲けることができないと思われるかもしれませんが、Panasonicや大林組など、日本を代表する企業の株であっても年間20%程度は上下に動きます。

もし、仮に、上昇トレンドで10%、下降トレンドで10%利益を出せれば、これだけでも年間20%の利率となり、世界一の投資家と言われているバフェット氏や伝説のファンドマネージャー、ピーター・リンチの成績に匹敵します。

毎日、終値を帳面に記帳する

また、終値だけでなく、ローソク足や終値の折れ線チャートを手書きで書いてもOKとされています。
林輝太郎氏の説明によれば、終値を帳面に記帳するのは、デジタル感覚が養われ、チャートを手書きするのは、アナログ感覚が養われるとのことです。

下げ止まったか、上げ止まったか?

そして、下げ止まったか、あるいは、上げ止まったかを考える。
下げ止まったと感じれば、資金の1/2を使って株を購入。
その後、様子を見て、上げトレンドに入ったと思えるようであれば、追加で残り1/2を購入。

失敗したと思ったら、損切手仕舞い

当然、思惑と反対に動く場合もあります。
失敗したなと感じたら、すぐに、損切手仕舞い。

ごくごく単純な方法ですが、これを1年間繰り返すことで次第に売買が上達していくということです。

ただ、林氏によれば、つもり売買、今ならバーチャルトレードは避けるべき。実際に、お金を使って、ストレスを感じないと売買に上達しないとされています。

パナソニックであれば、100株単位から購入できますので、40万円も資金を準備すれば、2分割売買の練習ができます。
一年間練習して、売買技術をマスターできる可能性があるのであれば、十分にお金と時間を使う価値はあります。

うねり取りのメリット

  • 銘柄をひとつに絞ることで、次第に、その株特有の動きが分かるようになる(?)
  • 株式投資に必要とする時間は、わずかに1日5分程度。

うねり取りのデメリット

  • この練習で本当にうねり取りに上達可能という論理的な根拠がない。

ウエイトトレーニングであれば、ジムに行き、パーソナルトレーナーを数か月雇い、トレーナーが作成してくれたメニューをこなせば、誰でも筋肉を鍛えられます。

実際に多くの成功者もいますし、科学的な根拠もありますので、「肉体改造をする」という心構えさえあれば、非常に成功率は高くなります。

同様に、2分割売買の練習を続けることで、うねり取りに上達でき、将来、生計を立てられるようになるのであれば、極めて楽です(笑)。林輝太郎氏によれば、株の売買もピアノやスポーツと同じように技術なので、磨けば、誰でもある一定のレベルまでは上達するとのこと。

ただ、売買の感覚というものは、ウエイトトレーニングと違って、誰でも上達できるという科学的な根拠がなく、トレーナーがいない分、肉体改造よりは困難が伴うかもしれません。

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トレンドフォロー型売買

1980年代に当時、既に、伝説的なトレーダーであったリチャード・デニスとウィリアム・エックハートという2人の投資家が、「優秀なトレーダーは育てられるか?」という議論の末に行った賭けを行ったそうです。

ウォール・ストリート・ジャーナルに広告を出して、ほぼ投資経験のない人を募集し、それぞれに100万ドルの運用資金を与えてトレード集団を育成しました。

このトレード集団がタートルズと呼ばれ、この実験は後に「タートルズの実験」と呼ばれるようになります。

タートル流投資の魔術
タートル流投資の魔術

そして、このタートルズが実施した方法がトレンドフォロー型売買と呼ばれる売買方法で、トレンドが発生した時点で売買を始めるという手法です。

おおまかな仕掛けのルールとしては、価格が過去20日間の高値を更新したら、上昇トレンドに移行したと考え、買いから入る。逆に、過去20日間の安値を更新したら、下降トレンドに移行したと考え、売りから入る、といったものです。

相場が保ちあい時には、すぐに損切に引っかかってしまうのですが、大きなトレンドが発生した場合には、非常に大きな利益が取れる手法と言われています。

結局、タートルズ達は約4年間の実験期間中に平均年利80%という驚異的な成績を残し、
「優秀なトレーダーは育てられる」という結果になったとのことです。

平均年利80%であれば、さぞかし驚異的な勝率だったと思われるかもしれませんが、
タートルの勝率はわずか35%程度だったということです。

しかし、リスクリワード率が3以上だったために、大きな利益につながったと言われています。

リスクリワード率というのは、平均利益額÷平均損失額で計算した値です。

例えば、平均利益が300万円/回に対し、平均損失が100万円/回ならば、
リスクリワードは300万円÷100万円で3となります。

さらに、勝率と平均利益額や平均損失額が分かれば、1回あたりのトレードにおける期待値が計算できます。

上述の例で言えば、

期待値=300万円/回×35%-100万円/回×65%=40万円/回

となり、1回トレードするごとに40万円/回の利益が期待できるようになります。

もちろん、数回トレードしただけでは、例え、勝率が35%であっても連勝することもあるでしょうし、もちろん連敗する場合もあるでしょう。

このため、トレード回数が少なければ、計算通りの数値にはなりませんが、トレードの回数を増やせば増やすほど、計算結果に近づき、トレードするごとに40万円/回の利益が期待できるようになります。

それでも、勝率35%では負け続けて、嫌になったことも多いでしょう。

上述したBNF氏のように、デイトレードで数百億円も稼いだ人は、期待値がプラスとなる売買手法を身につけ、さらに、デイトレードをすることで、トレードの回数を増やし、複利で資産を増やしているのです。

さて、タートルズの実験に話を戻しますが、この実験結果をそのまま鵜呑みにするわけにもいきません。

というのは、応募してきた人を無作為にくじ引きで選んだのであれば、確かに
「優秀なトレーダーは育てられる」という結論が出てもおかしくはありません。

しかし、タートルズの実験では、応募者は厳しい面接の結果、採用された人ばかりであり、しかもそのメンバーはプロギャンブラーや大学教授、非常に優秀なプログラマーなど、元々数字や数学に強いメンバーばかりが選ばれたのです。

したがって、ごく普通の会社員や一般投資家が仮に同じことを学んだとしても同様の成績が残せたかどうかは、ちょっと疑問です。

トレンドフォロー型売買のメリット

  • 大きなリスクリワードが期待できるため、大きな利益を期待できる。

トレンドフォロー型売買のデメリット

  • 勝率が低いため、継続するには、メンタルコントロールが必要。
  • 期待値がプラスとなるシステム、トレードルールの作成が必要。

システムトレード

アメリカの売買はシステムトレードが主流になってきていると言われています。
何らかのトレードルールをシステムに組み込んでおき、その状況となれば、発注するという仕組みです。

例えば、上述のトレンドフォロー型売買では、過去20日間の高値を超えたら買いというルールがありました。

その他に有名なルールであれば、ゴールデンクロスが起きたときに買いを入れるというルールです。

ゴールデンクロスというのは、株が下降トレンドから上昇トレンドに移行してきて、短期の移動平均線(例えば、25日移動平均線)が、長期の移動平均線(例えば、75日移動平均線)を下から上に抜けることをいいます。

逆に、デッドクロスはその反対で株価が下降トレンドに移行してきて、短期の移動平均線が、長期の移動平均線を上から下に抜けることをいいます。

こういったルールをシステムに盛り込んでおき、そのシステムが買い、または、売りのサインを出した時に仕掛けるというものです。

なお、システムトレードの場合は、うねり取りの場合と違って、バーチャルトレードを行って、実際に期待値がプラスとなることを確認してから本番に入ることが推奨されています。

システムトレードのメリット

  • 期待値がプラスのルールを構築できれば、システム通りに売買するだけで、利益が期待できる。

システムトレードのデメリット

  • そもそも個人投資家に期待値がプラスのトレードルールを作れるのか不明。

ウォーレン・バフェットのような長期投資家は別として、アメリカのトレーダーは、ほぼ何らかの形でシステムトレードを採用していると言われています。そして、トレードのルールはトレンドフォロー型売買に沿ったものが主流だと言われています。

多くの人が同じようなルールを採用していることから、何らかの悪材料が出て株価が下げだした場合、売りが売りを呼ぶ状態となってしまい、大幅な下落につながってしまいます。

2018年の2月4日もダウはこの状態となってしまい、1日で1,000ドルも下げてしまいました。今後も同様のことが発生するでしょう。

システムトレードによる完全自動売買で継続的な利益が出せるのか?

完全にシステムトレードによる自動売買だけで利益を出している人もいるのでしょうが、一方でシステムトレードによる自動売買については以下のような否定的な意見もあります。

  • 世界一の投資家と言われるウォーレン・バフェットでさえ、平均利率は20%である。もし、システムトレードによる自動売買で、それ以上の利益が出せるならば、優秀なプログラマーや数学者・経済学者から第二・第三のウォーレン・バフェットが出てくるはずである。しかし、そのような例はない。
  • もし、仮に、時間とお金をかけてそのような自動売買システムが開発可能であれば、既に、大手金融機関が開発しているはずであり、そのシステムだけで十分に経営が成り立つはずである。しかし、実際には大手金融機関であっても巨額の損失を出す場合や倒産する場合もある。サブプライムローン問題やリーマンショックがいい例である。
  • もし、仮に、世界一の天才科学者がそういったシステムを開発した場合、そのシステムを運用するだけで、数千億円、数兆円の利益が得られるはずであり、開発者は決してそのシステムを公開しないはずである。したがって、一般人の目に触れるはずがない。

デイトレード

完全なコンピュータ指示による自動売買ではありませんが、上述のBNF氏のようなデイトレーダーと言われる人々は一日中チャートを眺めて、自分で設定したルールに基づき、仕掛けのポイントがやってきたら、売買を繰り返しています。

FXであれば、24時間売買可能ですので、興味がある人は、まずは数万円といったレベルで、挑戦してみてもいいかもしれません。

デイトレードのメリット

  • 売買チャンスが多いため、期待値がプラスとなるトレードルールを作ることができれば、短期間で資金を何倍にもできる可能性がある。

デイトレードのデメリット

  • 売買チャンスが多いため、期待値がマイナスのトレードルールしかないのに売買を続ければ、あっという間に破産する。

バリュー株投資

成長株投資と似たような投資方法でバリュー株投資と言われる方法があります。
成長株に関しては、毎年、年率20%や30%、売上や利益が伸びている会社に投資するのですが、バリュー株投資の場合は「割安な優良企業株」に投資します。

何を理由に割安かと判定するにはいくつかの指標がありますが、
代表的なものとしては、PER(株価収益率)PBR(1株純資産)があります。

PERとは

PERとは、Price Earning Ratioの略で、日本語では、株価収益率と呼ばれています。

PER=現在の株価÷1株あたり利益

で計算します。

例えば、株価が3,000円で1株あたりの利益が300円だとすると、
3,000円÷300円=10で、PERは10倍となります。

日経平均のPERは2018年5月6日現在で約13倍となっています。
一方、アメリカのダウ平均のPERは2018年5月6日現在で約23倍となっており、日本の株式市場はアメリカよりもかなり割安な状態にあると言われています。

PERが13倍未満であれば、割安で、それ以上であれば、割高と判定して、それで利益を出せれば簡単なのですが、PERは業界によって、かなりのバラツキがあります。

例えば、インターネット関連で急成長を続けているような会社のPERは50倍以上になっている会社も多数あります。

一方、日本を代表するトヨタ自動車の場合、2018年5月6日現在で、8.82倍と日経平均と比較してもかなり割安となっています。

ですから、PER単独で株価が割安かどうかを判定することは無理があります。

PBRとは

もう一つの代表的な指標がPBRです。

PBRとはPrice Book-value Ratioの略で、日本では株価純資産倍率と呼ばれています。

PBR=現在の株価÷BPS(一株あたり純資産)

で計算します。

例えば、現在の株価が3,000円で、BPS(一株あたり純資産)が1,500円の場合、
PBR=3,000円÷1,500円=2となります。

もし、PBRが1未満の場合(株価が3,000円でBPSが5,000円といったケース)、会社を丸ごと買収して、そのまま売却しても利益となりますので、割安と考えられます。

2018年5月6日現在の日経平均のPBRは1.24です。
一方、ダウ平均のPBRは3.3です。
こちらも日経平均はかなり割安に見えます。

日経平均は、今後、大幅上昇する可能性があるという意見がありますが、PERやPBRがダウに比べて、かなり低いためです。

そして、このPBRに関しても業界ごとに大きな相違があります。

トヨタ自動車のように巨大な工場をいくつも抱えているようなメーカーはPBRが小さくなります(トヨタ自動車 1.1倍)。
日産自動車の場合は、0.83倍しかありません。

一方、インターネット関連企業のように、あまり設備を必要としない会社では、20倍以上の数値をつけている会社もあります。

したがって、こちらも単純にPBRだけで割安かどうかを判定することは無理があります。

バリュー株投資のメリット

  • PBR1倍割れなど、明らかに割安に放置されている銘柄を長期保有する場合は、成長株投資などに比べてリスクが少ない。

バリュー株投資のデメリット

  • いくら割安株だといっても、その株が、いつ上昇に転じるかというタイミングの判断は困難。

例えば、日産自動車などは、PBRで1倍を割っており、明らかに割安なのですが、ここ5年間で日経平均が50%ほど上昇するなか、20%程度しか上昇していません。

一方、今年の1月末から2月にかけて、日経平均は10%以上下がりましたが、日産自動車の株価は5%も下がりませんでした。

配当も4%以上あり、リスクはその他の株に比べて非常に少ないと言えます。

新興株投資

IPO(新規の株式上場)株を狙って、売買する手法です。

ジャスダックやマザーズに上場する株は、たったの1~2年で株価が2~3倍に上場する銘柄も少なくありません。
そういった株を狙って、投資する方法です。

ただ、もちろん、上場時に高値をつけ、そのまま下落していく株も多数あります。
今をときめくサイバーエージェントでさえ、上場後にネットバブルが崩壊し、株価は1/8にまで下がった時期もあります。

新興株投資のメリット

  • 株価が1年で2~3倍になる場合もある

新興株投資のデメリット

  • 将来性を見越して、実力以上に買われた株は、順調に成長を続けたとしても、一時的に暴落する危険性がある。

サヤ取り投資

少し異色の株式投資がサヤ取りと言われる方法です。

例えば、大成建設と鹿島建設の価格差(サヤ)の収縮、もしくは、拡大を狙って売買する手法です。

2018年5月6日の大成建設と鹿島建設の株価は、それぞれ以下の通りです。

大成建設:5,900円
鹿島建設:1,038円
価格差:4,862円

どちらも日本を代表する建設会社であり、時価総額を見れば、どちらも1兆円を超えている会社ですが、最近の株の価格差、つまりサヤは、大成建設の株価が大きく上昇し、サヤが開くという結果になっています。

2016年5月にはサヤは3,000円を割っていた時もありますが、その後、次第にサヤが大きくなり、現在のサヤは4,862円となっています。

このサヤが今後は縮小すると思えば、大成建設を空売りし、鹿島建設を買うというやり方がサヤ取り投資と言われる方法です。現在の株価水準であれば、大成建設を500株空売りし、鹿島建設を3,000株購入すれば、だいたい同じくらいの投資金額となります。

大成建設:空売り 500株×5,900円=2,950,000円
鹿島建設:買い 3,000株×1,038円=3,114,000円

例えば、これからサヤが縮小と思って、大成建設を空売りし、鹿島建設を購入。
運良く株価が以下の通りになったとします。

大成建設 空売り  5,900円→5,000円
鹿島建設 新規買い 1,038円→950円
価格差       4,862円→4,050円

結果、
大成建設収支:(5,900円-5,000円)×500株=450,000円
鹿島建設収支:(950円-1,038円)×3,000株=-264,000円
差引:186,000円

サヤ取りのメリット

  • 日経平均が上昇トレンドか、下落トレンドにかかわらず、仕掛けのチャンスがある。
  • 通常の売買よりもリスクが少ないと言われています(根拠は不明)。

サヤ取りのデメリット

  • 個別株を売買するのに比べ、手数料は倍かかります。

個別株が上昇するか、下落するかの見極めができないのと同様、サヤが拡大するか、縮小するかの見極めも困難なため、やはり自分なりのトレードルールが必要です。

投資信託の購入

株式投資と言っても、必ずしも自分でトレードする必要はありません。
毎年1%前後の信託報酬料を支払う必要はありますが、実績のある投資信託を購入する方法もあります。

10年以上前は、日本の投資信託といえば、成績の悪い投資信託が多かったのですが、最近では、過去10年間の平均利率が10%を超えるような投資信託も出てきました。

各投資信託の成績はインターネットで確認できますので、凄腕のファンドマネージャーが運用している成績のいい投資信託を購入して、長期間保有するという方法もあります。

投資信託購入のメリット

  • 自分で運用する必要がないため、ストレスが溜まりにくい。
  • 過去の運用利率のいい投資信託を選択することで、日経平均の伸び以上の利率が期待できる。

投資信託購入のデメリット

  • 購入時手数料や信託報酬料が発生する。
  • 投資信託といえども日経平均が大幅に下がった場合は、その影響を受ける。

個人で投資する場合のメリットのひとつは、「トレードを休む」ことができるということです。
そろそろ日経平均や株価が天井をつけそうだと感じた場合は、持ち株を全て処分し、現金に換えておくことができます。

また、その思惑通り、株価が下げだせば、空売りすることもできます。

しかし、投資信託のように数千億円もの資金を運用している場合には、一気に株を売り払うと、それだけで株価を下げてしまう可能性もあります。

ですから、一気に全ての株を売り払い、現金に換えておき、しばらくバケーションにでも行ってこよう、といったことはできません。

このため、やはり相場全体が下降トレンドに入った時に投資信託を購入した人は一時期大幅な損失を被る可能性もあります。

マイトレードルールの必要性

このように一口に株式投資と言っても、様々な方法があります。
そして、それぞれの方法で利益を出している人がおられます(損をしている人のほうが圧倒的に多いでしょうが)。

また、短期運用が好きな人もいれば、長期運用が好きな人もいます。このため、自分に合った運用方法を見つけ、自分のトレードルールを作成し、そのルールを守った売買をすることが資産形成のうえで、とても重要になってきます。

まずは、少ない金額で投資を行い、実践を積み重ねていき、期待値がプラスとなるトレードルールを作っていきましょう。

オススメの証券会社

現在、私が使っているのは、コチラのGMOクリック証券。

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売買手数料も業界最低水準で、なおかつ、チャートも直感的な感覚で操作でき、株価もCSV形式でダウンロードできますから、システムトレード主体の方にも、裁量売買主体の方にも使い易い証券会社です。