日経平均の大暴落は買い時?企業業績の確認と新NISAの始め方

「日経平均が大暴落しそうだけれど、持っている株を売ったほうがいい?」「新NISAを始めるなら、下がった今がチャンスなのだろうか?」

下落局面は買い時になる場合もありますが、株価の下落率だけでは判断できません。生活資金を確保したうえで、市場全体の需要、同業他社と保有企業の業績を確認しましょう。これから投資を始める人には、少額から長期投資を始める機会にもなります。

評価額が急に減ると、何か行動しなければと焦るものです。そこで、今回の下落を数字で整理し、売却・継続・買い増しを考える順番をまとめました。

私は、長い中断期間を含めて40年以上の投資経験があり、2021年に投資を再開しました。目先の値動きだけでなく、AIを使って市場や企業を調べる方法も交えながら、次の下落局面でも使える注意点を解説します。

相場データの基準時点は、日本時間2026年11月6日朝です。米国株は現地11月5日終値、日経平均は11月5日終値、日経平均先物は11月6日朝に終了した大阪取引所の夜間取引を使用しています。11月6日の日本株の終値ではありません。

日経平均は今年の高値からどれだけ下がった?

Contents

日経平均は11月5日終値の時点で、2026年の終値ベースの高値から15.60%下落しています。その後、米国株と日経平均先物も大きく下がりました。一日の下落率と、高値からの下落率を分けて確認します。

ダウ・NASDAQ・日経平均先物の直近の下落

米国では11月5日、ダウ平均が約3.4%、NASDAQ総合指数が約5.5%下落しました。日本時間の翌朝に終了した大阪の日経平均先物も、直前の日中取引終値を大きく下回っています。

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2026年11月6日朝に確認した相場
指数・商品 確認した価格 比較対象との差 比較の基準
ダウ平均 51,523.06ドル −1,833.06ドル(約−3.4%) 11月5日終値の前日比
NASDAQ総合指数 24,315.00ポイント −1,421.52ポイント(約−5.5%) 11月5日終値の前日比
日経平均 61,077.90円 −1,110.73円(約−1.79%) 11月5日終値の前日比
大阪・日経225先物
2026年12月限
57,400円 −3,520円(約−5.77%) 夜間終値と直前の日中終値の比較

出典:AP通信の米国株終値報道、日本経済新聞社の日経平均データ、株探による大阪先物の夜間取引報道。

先物の57,400円は日経平均の現物終値ではありません。取引時間や価格形成が異なるため、そのまま「今日の日経平均」として扱うことはできません。

年初来高値からの下落率を終値ベースで比べる

今年の高値からの下落率は、各指数の終値ベースの高値と11月5日終値で比較しました。取引時間中の高値を混ぜると下落率が変わるため、基準をそろえています。

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2026年の高値から11月5日終値までの下落率
指数 年初来高値・日付
終値ベース
11月5日終値 高値からの下落率
日経平均 72,366.34円
6月25日
61,077.90円 −15.60%
ダウ平均 54,349.12ドル
8月5日
51,523.06ドル −5.20%
NASDAQ総合指数 27,599.89ポイント
10月6日
24,315.00ポイント −11.90%

下落率は「(比較日の終値÷年初来高値−1)×100」で計算し、小数第2位に丸めています。高値の確認資料:日本経済新聞社の年間データ、同社の2026年6月の振り返り、FedPrimeRate.comのダウ履歴、同サイトのNASDAQ履歴。FedPrimeRate.comは民間サイトであり、米連邦準備制度の公式サイトではありません。

同じ株安でも、高値からの調整幅は指数によって異なります。ダウの一日の下落率だけでは、日本株やNASDAQの調整の深さは判断できません。

なお、先物は同じ限月の年初来高値を確認できていないため、高値からの下落率を掲載していません。現物の高値と先物の価格を混ぜず、直前の日中取引との比較にとどめています。

▶︎ 関連記事:資産がどこまで減るとつらい?最大ドローダウンを金額で考えよう

株価が下がっているとき、企業の業績はどうなっている?

株価の急落だけで、企業業績も一斉に悪化したとは判断できません。市場の需要と同業他社の実績を調べ、保有企業の問題がどこにあるのかを確認します。

市場全体の縮小か、その企業だけの問題かを調べる

市場の需要、同業他社の業績、保有企業の競争力を順番に確認する流れ

私は、株価が大きく下がったとき、まずその企業が属する市場全体が縮小しているのかを調べます。次に、同業他社の売上や利益、今後の見通しを確認します。

同業他社が伸びているのに、その企業だけ業績が悪化しているなら、競争力や商品構成に問題がないかを調べます。複数社で受注や利益が落ちているなら、市場全体の需要が弱まっている可能性を検討します。

今回のAI関連株でも、データセンター投資の遅れを懸念するなら、投資計画が実際に変更されたのか、需要そのものが減っているのかを分けて確認します。建設や設備の導入が後ろ倒しになることと、中長期的にAIの利用が減ることは、同じではありません。

最新決算と同業他社の業績を照らし合わせる

直近の決算には、売上や営業利益を大きく伸ばしている企業があります。企業の公式発表で確認できる実績を整理しました。

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確認できた企業の決算実績
企業 対象期間 実績 公式資料
アドバンテスト 2026年4~9月 売上高8,452億円、前年同期比60.5%増
営業利益4,568億円、同96.5%増
決算概況
AMD 2026年第3四半期 売上高134億ドル、前年同期比45%増 決算資料(PDF)
Apple 2026年度第4四半期
9月26日終了
売上高1,145億ドル、前年同期比12%増 決算発表
Microsoft 2026年7~9月 全社営業利益、前年同期比21%増
Azure売上、同48%増
決算発表
Amazon 2026年7~9月 AWS売上、前年同期比39%増
AWS営業利益、前年114億ドルから178億ドルへ増加
決算発表

この表は市場全体を代表する集計ではありません。事業や決算期間も異なるため、増収率の大小だけで企業の優劣は判断できません。同業比較では、例えばMicrosoftのAzureとAmazonのAWSを取り上げ、それぞれの事業範囲の違いにも注意します。

両社のクラウド売上にはAI以外のサービスも含まれます。また、AWSが営業増益でもAmazon全体の純利益は減少しており、何の利益が増えているかまで確認する必要があります。

Amazonは10月29日時点で、2026年の現金支出ベースの設備投資を約2,200億ドルとする見通しを維持していました。ただし、これはその時点の会社予想であり、その後の計画変更や個別施設の遅延まで否定するものではありません。

AIの利用拡大と中国との競争を中長期で考える

AIの利用拡大は、市場の先行きを考える材料になります。スタンフォード大学の調査整理では、個人の生成AI利用の拡大が確認されています。ただし、調査対象や用途によって結果に違いがあり、すべての用途で一様に増えているわけではありません。

同大学の「AI Index 2026」では、企業・組織へのAI普及に加え、米国と中国のAIモデルの性能差が縮まっていることも報告されています。

出典:Stanford Digital Economy LabのAI利用調査、Stanford HAI「AI Index 2026」。

私は、企業や個人へのAI利用の広がりと、中国との開発競争を考えると、中長期的にAI市場全体が縮小するとは考えにくいと見ています。これは私の見方であり、すべてのAI関連企業の成長や株価上昇を保証するものではありません。

市場が成長していても、競争で利益率が下がる企業や、投資負担が重くなる企業はあります。市場の見通しと、その企業が利益を伸ばせるかどうかを、それぞれ確かめます。

AIで市場・競合・企業の情報を調べる

私は、市場動向や同業他社の業績を調べる際にAIを活用しています。調査では確認したい項目を具体的にすると、企業間の違いを整理しやすくなります。

  • その企業が属する市場の需要は、増えているか、減っているか。
  • 同業他社の売上・営業利益・受注には、どのような変化があるか。
  • 主要顧客の設備投資計画に、延期・減額・中止の発表があるか。
  • 業績悪化は一時的な事情によるものか、競争力の低下によるものか。
  • 成長が続くという見方に反する情報はないか。

AIに調査を依頼するときは、出典URL、発表日、決算の対象期間も一緒に示してもらいましょう。回答にある数値や計画変更は、リンク先の決算資料や公式発表で確認します。

「この企業は成長するはず」という前提だけで調べると、都合のよい情報に偏りかねません。成長を支える情報と、見通しを見直す必要がある情報の両方を集めることが、売却や買い増しの判断につながります。

利益率・現金の動きと、株価の評価も確認する

企業の成長を判断するには、売上に加え、利益率や本業で生み出す現金、今後の会社予想を確認します。売上が増えていても、原価や設備投資の負担で資金繰りが厳しくなる場合があるためです。

在庫や売掛金が売上に比べて急増していれば、需要への備えなのか、販売・回収の遅れなのかを調べます。借入負担や設備投資に手元資金で対応できるかも確認しましょう。

好業績でも、株価が成長を先取りしすぎている場合があります。株価が1株当たり利益の何倍かを示すPERを使うと、利益と株価が別の方向に動く理由を整理できます。

▶︎ 関連記事:PERが低ければ買い?株の「割安」を考える最初の一歩

利益が増えても株価が下がる例

仮に、1株当たり利益が100円、PERが30倍なら株価は3,000円です。利益が120円へ20%増えても、市場の評価がPER20倍に下がると株価は2,400円になります。

この場合、利益は増えているのに株価は20%下落します。実際の企業の予測ではなく、利益と株価の関係を説明する計算例です。

暴落時にやっていいこと

売買の前に、生活資金、資産配分、保有理由の順で確認すると、取るべき行動を整理できます。買い増しが合う人もいれば、投資額を減らしたほうがよい人もいます。

生活資金と保有理由を確認し、投資額の維持・縮小・追加を検討する手順

生活資金を確保し、株式への偏りを確認する

毎月の生活費と、教育費・住宅費など近いうちに使うお金を、投資資金から分けます。収入が減ったり急な出費が生じたりしても、値下がりした資産を慌てて売らずに済むかを確認してください。

次に、金融資産全体に占める株式や株式投資信託の割合を見ます。複数の商品を持っていても、中身が米国の大型テクノロジー株に重なっていれば、同時に下がる可能性があります。

値下がりが気になって眠れない、生活費が足りなくなる、といった状態なら、投資額や配分の見直しを優先しましょう。長期投資でも、家計に合わない金額を持ち続ける必要はありません。

投資信託と個別株を分けて保有理由を点検する

幅広く分散した投資信託では、投資対象・費用・自分の運用期間を確認します。個別株では、それに加えて企業の競争力や業績見通しまで確認します。

例えば「主力商品の需要が伸びる」「利益率が改善する」といった購入時の理由が、決算で裏づけられているかを見ます。価格が下がっていても理由が保たれている場合と、その理由自体が崩れた場合では対応が変わります。

生活資金に問題がなく、長期の投資方針も変わっていなければ、積立を続けることは選択肢になります。一方、業績や財務が想定以上に悪化した個別株は、保有額の縮小や売却も検討対象です。

買い増すなら予算を決め、購入時期を分ける

追加投資では、先に使える総額と購入条件を決めましょう。最初の急落で余裕資金を使い切ると、さらに下がったときに対応しにくくなります。

私は、銘柄ごとの過去の値幅を調べ、一部を現金で残して分割購入する方法を採っています。ただし、過去の下落幅が今回の底値を示すわけではないため、業績の確認も欠かせません。

購入時期を分ければ、一度に買う場合のタイミングへの依存を小さくできます。ただし、その後すぐに相場が上がれば、一括購入より利益が小さくなる場合もあり、分割すれば必ず有利になるわけではありません。

暴落時にやってはいけないこと

避けたいのは、恐怖や損失を取り戻したい気持ちだけで、投資額を急に変えることです。売却にも買い増しにも、自分の資金事情と投資対象に基づく理由が必要です。

恐怖だけで全部売る、絶対に売らないと決める

「もっと下がる」という予想だけで全部売ると、その後の買い直しも判断しなければなりません。売った後に反発する可能性もあるため、下落の予想だけでは売却から再投資までの計画になりません。

一方、「長期投資だから何があっても売らない」と決めるのも避けましょう。必要な生活資金を投じていた場合や、企業の事業環境が大きく悪化した場合は、保有を続ける理由を見直してください。

借入や信用取引で損失を一気に取り戻そうとする

損失が出た後に取引額を大きくすると、さらに下がった場合の損失も増えます。借入や信用取引を使うと、返済や追加の保証金への対応が必要になり、希望する時期まで保有できない場合もあります。

「ここまで下がれば戻るはず」と、一つの銘柄や業種に資金を集中させるのも避けましょう。回復の時期や程度は分からず、個別企業では以前の高値に戻らないこともあります。

株価が下がったという理由だけで買い増す

買値より安くなった銘柄を追加購入する、いわゆるナンピンは、購入単価を下げられます。ただし、その企業への投資額も増えます。

需要の減少、競争力の低下、財務の悪化で株価が下がっているなら、購入単価を下げても問題の解決にはなりません。「最初に買った価格」より、「今からこの企業に投資する理由があるか」を確認しましょう。

▶︎ 関連記事:株が下がったら買い増す?ナンピンの前に決めたい条件

売買ボタンを押す前の確認

  • 生活費や近いうちに使うお金を含めていないか。
  • 今回の売買で、一社や一業種に偏りすぎないか。
  • 売る理由・買う理由を、値動き以外の言葉で説明できるか。
  • さらに下がった場合にも対応できる金額か。

新NISA未経験者には、少額で始める機会にもなる

まだ新NISAを利用していない人にとって、下落局面は少額から長期投資を始める機会にもなります。同じ商品なら、価格が下がると同じ金額で購入できる数量が増えるためです。

ただし、以前より安いことと、将来利益が出ることは別です。購入後にさらに下がる可能性を踏まえ、家計に無理のない金額で始めましょう。

底値を待ち続けるより、続けられる少額積立を考える

投資を始める条件が整っているなら、少額を定期的に積み立て、購入時期を分ける方法を検討できます。底値を事前に正確に見極めるのは難しく、待っている間に反発する場合もあるためです。

初めて選ぶ投資信託では、投資対象が広く分散されているか、費用はいくらか、自分が値動きを理解できるかを確認してください。海外資産に投資する商品では、為替の変動も円換算の評価額に影響します。

NISAは対象商品の投資利益が非課税になる制度です。損失を防ぐ制度ではなく、長期・積立・分散投資でも元本割れは起こり得ます。制度の基本は、金融庁のNISA案内で確認できます。

SBI証券で口座開設から積立設定まで準備する

口座をまだ持っていない場合は、口座開設と商品選びから準備を始めましょう。口座を用意したからといって、その日にまとまった金額を投資する必要はありません。

  1. 生活資金を確保し、毎月投資に回せる金額を決める。
  2. 証券総合口座・NISA口座の開設手続きを行う。
  3. 投資対象や費用を確認して商品を選ぶ。
  4. 積立金額と決済方法を設定する。
  5. 家計に無理がないか確認しながら続ける。

具体的な申込の流れや必要なもの、積立設定の進め方は、新NISAの始め方をSBI証券で解説!口座開設から積立設定までにまとめています。

下落をきっかけに、投資を学び始めるだけでも一歩です。急いで大金を投じようとせず、自分が続けられる投資を準備する機会として活用しましょう。

暴落時によくある質問

日経平均の大暴落とは、何%下がることですか?

「大暴落」に統一された数値基準はありません。一日の下落率を指す場合も、高値からの大幅な下落を指す場合もあります。ニュースを読むときは、下落率と比較期間を一緒に確認してください。

日経平均の大暴落は予想できますか?

いいえ、発生する日や下落幅、底値を確実に予想することはできません。予想に資金を集中させるより、現金の確保と投資対象の分散、購入予算の管理によって、予想が外れた場合にも備えましょう。

大きく下がったら、持っている株は売ったほうがいいですか?

生活資金が不足する場合や、投資した理由が崩れた場合は、売却を検討する状況です。反対に、資金と投資方針に問題がなければ、下落したという理由だけで一律に売る必要はありません。

日経平均先物が下がると、翌日の日本株も同じだけ下がりますか?

いいえ、同じ下落幅になるとは限りません。先物は翌営業日の参考になりますが、その後の為替やニュース、現物市場での注文によって価格は変わります。

新NISAは暴落してから始めるほうが得ですか?

いいえ、下落後に始めれば必ず得になるとは限りません。同じ商品を以前より安く購入できる場合はありますが、さらに下がる可能性もあります。生活資金を確保し、長く続けられる金額と商品を選ぶことを優先してください。

まとめ

日経平均の大暴落は買い時になる場合もありますが、下落率だけで結論は出せません。生活資金を守り、市場の需要、同業他社と保有企業の業績、現在の株価を確認してから行動しましょう。

  • 前日比と年初来高値からの下落率を分け、現物と先物を混同しない。
  • 市場全体の縮小か、その企業だけの問題かを調べ、業績予想と現金の動きも確認する。
  • 生活資金を確保し、追加投資は余裕資金の範囲で予算を決める。
  • 恐怖だけでの売却や、借入を使った買い増し、根拠のないナンピンを避ける。
  • 新NISA未経験者は、下落局面を少額から長期投資を始める機会として検討する。

これから準備する方は、SBI証券で新NISAを始める手順を確認し、口座開設、商品選び、積立設定を一つずつ進めてください。