これから株式投資をはじめようという人にとって、一番難しいのが銘柄選びだと思います。

国内の証券取引所に上場する銘柄は約3,500社以上あります。ウォーレン・バフェット氏はアメリカに上場している全部の株式の詳細を把握しているとのことですが、一般の個人投資家では、3,500社もの会社の内容を理解できません。この記事では、初心者にもできる銘柄選びのヒントをお伝えしています。

キャピタルゲインを狙って銘柄を選ぶ。

株は安いところで買って高いところで売れば、その差額が利益となります。この売買差益のことをキャピタルゲインと言いますが、キャピタルゲインを狙った投資でもいくつかの方法があります。

成長株投資

株価は短期的には様々な要因で変動しますが、中長期的には業績に伴って変動します。

例えば、2020年2月後半から3月にかけてわずか1か月で日経平均は約30%も下落しました。こういった環境では、たとえ今年の業績が30%伸びる会社であったとしても、やはり日経平均の動きに連動して20~30%下落します。

しかし、毎年、30%売上が伸びるような会社であれば、基本的には株価も毎年30%前後上昇していきます。

筆者がここ数年注目しているのはMonotaro(銘柄コード:3064)です。

下の表は、Monotaroの業績です。

毎年、着実に売上が伸びてきており、ここ4年で売上は2倍以上になる見込みです。

2016年12月末に1195円だった株価は2020/05/10時点では、3,765円と3倍以上になっています。

こういった株に投資する方法を成長株投資と言います。成長株を見つけるには主要な株価指標を理解しておく必要があります。

主要な株価指標

ROE(株主資本利益率)

いくらの株主資本を使って、どれだけの利益を上げたかの指標です。
ROE(%)= 当期純利益 ÷ 自己資本

先ほどのMonotaroでは、このROEが30%と驚異的な値でした。ウォーレン・バフェット氏は、高いROEは富創造の魔法のテコと呼んでいるくらいです。

EPS(1株あたり利益)

1株あたり、いくらの利益をあげているのかを示す指標です。過去のEPSと比較して数値が上昇していれば株価は上がりやすくなります。Monotaroでは、やはりEPSも4年間で2倍以上になっています。
EPS(円)= 当期純利益 ÷ 発行済み株式数

PER(株価収益率)

会社の利益に対し、株価が何倍に買われているかを示す指標です。
PER(倍)=株価 ÷ 1株あたり利益(EPS)

BPS(1株あたり純資産) 

1株あたり、いくらの純資産があるかを示す指標です。
BPS(円)= 株主資本 ÷ 発行済み株式数

PBR(株価純資産倍率) 

会社の純資産に対し、株価が何倍買われているかを表す指標です。
PBR(倍)= 株価 ÷ 1株当たり純資産(BPS)

一般的にはPBRの数値が低いほど割安と判断されます。特に、PBRの値が1倍を切っていれば、会社を清算したとしても、まだ、お金が残るという判断となるため、非常に割安とされます。しかし、自動車業界など慢性的にPBR1倍割れの企業もあるため、単純に、この数値だけでは割安と判断できません。

配当利回り         

株価に対して何パーセントの配当を得られるのかを示す指標です。
配当利回り(%)= 1株あたりの配当金額 ÷ 株価 × 100

ただし、この値も株価が急落した場合には大きく配当利回りが上昇します。また、来期の業績予想がプラスになっていれば、今年以上の配当を期待できますが、マイナスであれば、配当も幻想することが予想されます。

どれか一つの指標だけで判断するのではなく、いくつかの指標を組み合わせることで、成長株を見つけられるでしょう。

例:

  • 売上が過去3年連続して15%以上伸びている
  • 経常利益が過去3年連続して15%以上伸びている
  • ROEが10%以上ある

など。

割安銘柄の選び方

割安銘柄を抽出する手法として、PER(株価収益率)やPBR(株価純資産倍率)が良く使われます。しかし、これらの指標は、指標単体では、投資に使うことは困難です。

例えば、2020年5月8日現在、日経平均は20,179円でPBRは0.96となっています。PBR1倍割れは会社の清算価値を割っているということで、本来なら、非常に割安と判断されてもおかしくありません。

しかし、景気の悪化や倒産の増加は、まだまだこれから本格化する恐れもあり、日経平均はさらに下落する可能性もあります。

そういった意味では、相場全体が下落基調にある場合には、これらの指標単体で割安株を判断し、株を購入するのはリスクが高いと言えます。

割安株を探す場合も、いくつかの指標を組み合わせて、判断する必要があります。

例:

  • 日経平均の急落により、 成長株にもかかわらず、一時的にPBR1倍割れとなった。

2020年5月にはウォーレン・バフェット氏の会社バークシャーハサウェイは5兆円の赤字となったとニュースで報じられました。

しかし、まだ、手元には13兆円もの現金が残っているそうです。

次にバフェット氏が買いに転じたというニュースが流れた時には本来成長株なのに、割安に放置されている株がゴロゴロ転がっているかもしれません。

よく知っている会社の株から成長株を見つける

筆者が大学時代に任天堂のスーパーファミコンが初めて発売されましたが、その時には、「なんと面白いゲーム機ができたのだろうか」と思いました。

恐らくiPhoneが発売された時にも、「なんて便利な機械が発明されたのか」と思った人は数多くいたと思います。

そんな身近なヒット作品を発売している会社の業績に注目するのもひとつの方法です。

自分が理解できる業界の銘柄に投資する

ウォーレン・バフェット氏は自分の理解できる内容の会社の株に限定して購入するとされています。

これまで、バフェット氏が購入してきた株で有名な企業はマクドナルドやコカ・コーラといた企業です。また、バフェット氏自身、コーラとハンバーガーが大好きで、毎日欠かさず食べているそうです。そんな自分がよく知っている業界の株であれば、自信を持って購入することができます。

一方、これまではIT関連には知識がなく、AmazonやGoogle、Appleの株は永らく買ってこなかったということです。これを大きな失敗という人もいますが、それでも、ここ50年間の平均年利は20%と言われています。

株式投資の場合、何も3,500以上ある株全てを見る必要もありません。

自分のよく知っている会社の株、数社に限定して、安くなったら買い、高くなったら売りを繰り返しても問題ありません。

テーマで選ぶ

今後、成長することがほぼ間違いないと言われている市場がしばしば発生します。2020年時点で言えば、スマホの5G関連市場については成長することが間違いないと言われています。こういった時期に5G関連銘柄と言われる市場の銘柄を追跡し、安い時に買えば、大きな利益が見込めます。

インカムゲインを狙って銘柄を選ぶ

筆者はキャピタルゲインを主体に株式投資をすることを勧めていますが、インカムゲイン(配当や株主優待)を目当てに株式投資をする方もおられます。

そんな方のために、インカムゲインを狙って銘柄を選ぶ方法を紹介します。

配当金で稼ぐ銘柄の選び方

「Yahooファイナンス 配当利回り」で検索すれば、配当の上位ランキング銘柄が抽出されます。

しかし、株価が急落したため、計算上の配当利回りが急上昇している場合も多く、その場合は、来年度、同じ配当が出るかどうかは分かりません。

配当利回りの高い銘柄のなかで、かつ、来期の業績予想が増益になっている銘柄を選びましょう。

株主優待で稼ぐ銘柄の選び方

百貨店の優待券など使い方によっては、非常に大きなメリットがある銘柄もあります。

例えば、三越伊勢丹ホールディングスの株主優待は100株持っていれば、上限45万円/年(3月31日時点の株主に30万円+9月30日時点での株主に15万円)までの買い物に対して10%の割引を受けられます。

百貨店は高いというイメージをお持ちの方も多いと思いますが、基本値下げをしないブランド商品でも、セール時には大幅値下げをする場合もあります。また、食料品やお歳暮などで比較的頻繁に百貨店で買い物をする方もいらっしゃるでしょう。

この場合、100株保有していれば、最大450,000円×10%=45,000円のコストダウンとなります。

一方、株価は2020年5月10日現在、635円ですので、100株購入するのに、63,500円です。

配当利回りと同じように優待利回りを計算すれば、なんと最大70%/年のメリットとなります。

百貨店の利用が多い方は、保有を検討しても十分にペイできるかもしれません。

株主優待を狙うなら松井証券が便利

松井証券なら、毎月の株主優待銘柄の人気ランキングも紹介してくれるので、株主優待狙いの方には特におすすめの証券会社です。

まとめ

株式投資では、やはり今後の成長が期待できる会社の株を、安い時に買って、高い時に売るのが基本です。

  • 今期も業績の伸びが予想されている会社の株が安くなった時に買いましょう
  • 毎年、2回から3回は株が大きく下げる時があります
  • 普段は成長株の発掘に努め、株が安くなるのを待ちましょう。
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