恐らく日本のほとんどの投資家
(機関投資家含む)が実践している方法は
成長株投資と言われる方法でしょう。

つまり、今後、業績が伸びそうな会社を
選んで、その会社の株を買って、
値上がりを待つ。

実際、株の雑誌といえば、
今後、値上がりが期待できそうな銘柄を
その時に流行しているテーマに沿って
並び立てています。

例えば、2022年前後であれば、
電気自動車、AI関連、DX関連銘柄
といったところです。

また、成長株投資の中でも、
世界一の投資家と言われる
ウォーレン・バフェットが
提唱・実践していると言われている
バイ・アンド・ホールド型と言われる
投資方法は、特に、有名です。

これは、その名の通り、一旦、株を買ったら
ずーっと、つまり10年以上
保持し続けるという方法です。

バフェット関連の本の中で
よく出てくる銘柄が
マクドナルドやコカ・コーラです。

数十年前に、これらの会社の株を
買っておけば、両社が世界中に販路を
広げるに伴って、配当収入だけでも
莫大な収入になるというわけです。

例えば、ある超成長株を10年前に
あなたが、1,000円で1,000株買った
としましょう。

1,000円×1,000株で
投資資金は100万円です。

そして、その株の配当は、毎年、
株価の約1%程度で、
当時は1株あたり、10円の配当金でした。

ところが、10年後、その株は大化けし、
株価はなんと20,000円にもなりました。

配当は、やはり1%程度支払われていますので
配当も1株あたりなんと
10円から200円にもなり、
配当だけで毎年20万円にもなります。

当初の投資資金はたったの100万円ですから
なんと毎年の配当だけでも
当初資金の20%が
毎年支払われることになるのです。

元々の投資資金は
100万円→2,000万円になったうえに、
さらに、配当だけで毎年20万円もの
お金が入ってくるという
まるで夢のような話です。

バフェット氏の場合、
こんな銘柄を何社も
保有しているというのです。

最近では、特に、Appleがお気に入り
のようであり、1,250億ドルもApple株を
持っているとのことで、バフェット氏の会社
バークシャー株のポートフォリオの40%を
占めるとのことです。

私もバフェット関連本は何冊も読みましたし
その都度、
「さすがバフェットは目の付け所が違うな」
と思ったものです。

たとえば、日本でも上場まもない
セブンイレブン
(当時はイトーヨーカドーの子会社)、
ソフトバンク、ユニクロを経営する
ファーストリテイリング、
最近では尼崎に本社を置く商社のMonotaRo。


こんな会社の株を買っておけば、
誰でも大金持ちになれる可能性が
あったということです。

そして、私自身、株を始めてから、
ほとんどの期間、成長株投資をしてきました。

恐らく株式投資をしているほとんどの
個人投資家は成長株投資をしているでしょう。

しかし、長期的には、ほとんどの、
90%以上の個人投資家が
損をしていると言われています。

いや、個人投資家ばかりでなく、
超有名大学を出たエリートの
ファンドマネージャーであっても
ダウや日経平均の市場の伸び率以上の
利益を出すのは、
かなり少数派と言われています。

「あれっ。天才投資家、
ウォーレン・バフェットの言う通りに、
今後、長期に渡って伸びそうな会社の
株を買っているのに、
ほとんどの投資家が
損をするっていうのは、どういうこと?」

何か不思議に思われませんか?

もちろん、人数は少ないながらも
成長株投資で利益を出している
個人投資家もいるでしょう。

もし、あなたが、バフェット氏のように、
成長株投資で毎年利益を
出しておられるならば、
それを継続するのがいいでしょう。

多くの人が
「株式投資は成長株投資が王道。
なんといっても投資の天才
ウォーレン・バフェットが実施し、
そのやり方を推薦しているのだから」
と言います。

恐らくほとんどの
日本のファンドマネージャーも
そう思っているに違いありません。

私も、この説をずっと長い間、
何十年も信じてきました。

しかし、昨年あたりから
アメリカの他の投資家が書いた本を
読んでいて、何度もショックを
受けるようになりました。

「ウォーレン・バフェットが天才
であることは間違いない。

それでなければ、個人で8兆円もの
資産を築けるはずがない。
彼の投資手法は一般的に
バイ・アンド・ホールド型といって
一旦買った株は10年以上保有する
とされている。

しかし、それ以外に彼が公表していない
秘密の方程式があるはずだ。

その証拠に、しばしば株式市場が
活況な時にさえ、彼の持ち株会社
バークシャー・ハサウェイは
10兆円以上もの現金を保有
している時がある。

つまり、単に、株を買って
ホールドするだけでなく、
何らかのタイミングで数兆円単位の株の
売買をしているのである」

ガーン。単に、成長株を買って、
保有しているわけではなかったのか。

「そもそもウォーレン・バフェット本人が
株式投資のやり方を説明している本が
ベストセラーになっているわけではない。
バフェット以外の人が、
これがバフェットの投資方法だと
説明している本が
ベストセラーになっているだけだ。

だから、バフェット氏自体が、
どのように投資をしているのか
本当のところは、よく分からない」

ガーン。なんで、
それに気がつかなかったのだろう。

「バフェット氏の持ち株会社、
バークシャー・ハサウェイの株価でさえ、
高値から50%以上下落したことは何度もある。

そもそも長期投資とは50%程度の
大幅な下落もあり得ることを
十分に認識する必要がある」

ガーン。全く知らなかった。

「一般的に投資の王道と考えられている
成長株のバイ・アンド・ホールド型が
誰にとっても有効な投資方法であれば、
第二・第三のバフェットが出てくるはず
なのに、株式投資で数兆円もの資産を
築いた人間は世界中で
バフェット氏一人である」

ガーン。全く気付かなかった。

そうか、野球の世界で言えば、
大谷選手は天才中の天才であり、
大リーガーでさえ、二刀流を真似する
人間はいない。
ベーブルース以来の100年に一人の天才と
言われている。

大谷の真似をするのは不可能
と誰もが思っているのに、
株の天才バフェット氏の真似ができる
と思うのは、なぜでしょうか?

ちなみにバフェット氏の会社
バークシャー・ハサウェイの株価は
1株約45万ドルもします。
1ドル145円換算で計算すると、
たったの1株で6,500万円です。
とても個人投資家が買える株ではありません。

バークシャー・ハサウェイは高値でも
株式分割をしてこなかったのですが、
その理由は、投機の防止と長期保有できる
グレードの高い投資家
(つまり機関投資家か、超お金持ち)
にだけ保有して欲しかったから
ということです。

そうだとすれば、バフェット氏が
一般の個人投資家
(バークシャー・ハサウェイの株主
 ではない投資家)にわざわざ自分の
投資手法を事細かく説明
してくれるはずがありません。

バフェット氏が意地悪というのではなく、
自社の株主の利益を優先するのは
当然でしょう。

もし、あなたが、成長株投資で
利益が出ていないならば、
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