ひとくちに株式投資といっても、様々なスタイルがあります。
例えば、世界一の投資家、ウォーレン・バフェット氏のやり方は、バイ・アンド・ホールディングと言って、一旦、株を購入したら、10年以上保持するやり方です。
また、日本で有名なcis氏は、デイトレードで220億円もの資産を築いた方です。
つまり、どの方式が優れているというわけではなく、自分に合ったやり方を見つけ、複利の効果で資産を増やしていくことが大切です。
この記事では、様々なスタイルの株式投資を説明しています。
ファンダメンタル分析とテクニカル分析
Contents
ファンダメンタル分析とは?
企業の財務諸表や経営者の能力、その企業の市場動向などから株価の先行きを見通す方法がファンダメンタル分析と言われる手法です。
ファンダメンタル分析の代表者と言えば、世界一の投資家と言われるウォーレン・バフェット氏。バフェット氏によれば、株価が10年で10倍になるような企業を見つけ、その株を買ったら、ずっと売らない方法が最も効率的だということです。
10年で10倍と言えば、年利にして約26%です。これくらいの年利を長年継続すれば、誰でも大金持ちになれるというのがバフェット氏の考え方です。
そして、実際、バフェット氏の50年間における平均年利も20%を少し超えたところだったようです。
億万長者をめざすバフェットの銘柄選択術にはバフェット氏の銘柄選択術が詳しく書かれています。
ウォーレンバフェットの銘柄選択術
財務諸表を詳しく読み解くことが基本になりますが、最も重視されているのが、株主資本利益率(ROE=return on equity)です。
株主資本利益率=税引き利益÷株主資本
例えば、ある会社の資本が100億円であり、これに対して税引き利益が30億円ならば、株主資本利益率は30%となります。
考え方としては、100億円のお金を使って、30億円の利益を生み出せる会社ということとなります。
投資に置き換えれば、100億円投資すれば、毎年30億円の利益。年利にして30%もの利益がある会社ということです。
そして、毎年、このペースで会社が伸び続ければ、会社の規模も10年間で10倍以上となり、株価も10倍以上になる。これがバフェットの基本的な考え方です。
現実的には、株主資本利益率が30%を超えるような会社は、ほとんど存在しないのですが、Monotaro(コード:3064)は、ここ何年もそれに近い数字を出してきました。そして、実際、株価もここ10年で10倍以上になってきました。
したがって、会社四季報を丹念に読み解けば、これから10年で10倍以上の株価をつける銘柄を発掘するのも不可能ではないのです。
その他、バフェット氏が重視していた財務指標には以下のようなものがあります。
- 1株当たり利益:EPS(earnings per share) 税引利益÷発行済株式数
- 1株当たり純資産:BPS(book value per share) 株主資本÷発行済株式数
- 株価収益率:PER(price earnings ratio) 株価÷1株当たり利益(EPS)
- 益利回り(earnings yield) 1株当たり利益(EPS)÷株価
- 直利(current yield) 今期の1株当たり利益÷購入株価
長期投資に興味があるという方は、ぜひ、こちらの本を読んでみてください。
テクニカル分析とは?
一般的にデイトレーダーと言われる方が採用している方法です。
デイトレーダーとは、チャートや注文の状況を読んで、瞬時に株の値動きを判断し、1日に何回も売買を繰り返す人のことを言います。
日本の代表者はcis氏やジェイコム株で1日で20億円の利益を上げたというBNF氏があげられます。
cis氏の経歴はこちらの本で詳しく紹介されていますが、株式投資に限らず、テレビゲーム全般、ギャンブル全般、いわゆる勝負事に関しては万能の天才のようです。
損をしても、ほとんど恐怖や痛みを感じずに冷静に判断ができるそうです。
アメリカではプロのギャンブラーは投資家としても成功するという話もあるようですので、デイトレードで大金持ちになるような人は、やはり持って生まれた才能があるのかもしれません。
ただ、cis氏のような天才的デイトレーダーにはなれなくとも、基本的なチャートの見方を習得しておくことは重要です。
テクニカル分析派の人は、チャートは過去の取引の結果としてできたものであり、将来も同じようなパターンになる可能性が高いと予測します。
具体的にはローソク足の場合には、数本の塊で今後の値動きを予想します。
移動平均線を使う場合には、短期の移動平均線(例えば、5日移動平均)が長期の移動平均(例えば、25日)を上抜いたら上昇トレンドといった分析を行います。
ウォーレン・バフェット氏は完全なファンダメンタル分析派ですが、それでも株を安値で買うことの大切さを強調しています。
チャートを見ることで、少なくとも現在は上昇トレンドの中にいるのか、下降トレンドの中にいるのか、あるいは、保ちあい中なのかは分かります。たとえファンダメンタル分析を中心に銘柄の選定を行う場合でも基本的なチャートの見方を学習することをオススメします。
長期投資と短期投資
投資の方法は時間枠でも分けられます。
長期投資
代表格はやはりウォーレン・バフェット氏です。バフェット氏がこれまで購入してきた有名な銘柄はコカ・コーラやマクドナルドなど、アメリカの小さなローカル企業から世界中の誰もが知っているような企業になった会社があります。ただ、ITブームには乗り遅れたようでAppleやAmazonの株は初期の頃には投資をしなかったようです。
短期投資
cis氏に代表されるデイトレードでは、1日のうちでさえ、何度も売買することがあります。筆者も数日実施したことがありますが、筆者にはプレッシャーが大きすぎて向きませんでした。
中期投資(スイングトレード)
うねり取りとも言われ、1週間~3週間程度の期間で売買を繰り返す方法です。
つまり、株価が安くなってくれば買い。高くなれば売りを繰り返します。昔の日本の相場師は銘柄をひとつに絞って売買を繰り返していた人もいるとのことです。逆に言えば、自分に合った銘柄がひとつ見つかれば、その銘柄だけを売買していく投資のスタイルもあります。
日中、相場に張り付いている必要がないので、会社員や主婦にも無理なくできるオススメの投資スタイルです。
投資方法の組み合わせ
ここまで、様々な投資方法を紹介してきましたが、どれかひとつに絞る必要はありません。いくつかの方法を組み合わせ、自分に合った投資方法を見つけることをオススメします。
例えば、
- ファンダメンタル分析+長期投資
- テクニカル分析+短期投資
- テクニカル分析+長期投資 といった組み合わせです。
特に、日中にチャートに張り付かなければならないような投資スタイルは一般の会社員や主婦には向きません。自分の生活スタイルにあった投資方法を見つけましょう。
なお、テクニカル分析のためには、チャートを見たり、価格データをダウンロードできることが必須条件です。
筆者の使っているGMOクリック証券はチャートも見やすく、価格データのダウンロードも簡単で、かつ、手数料もほぼ最安値なのでオススメです↓
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以下の投資スタイルなら、会社員や主婦でも無理なくできるでしょう。
銘柄選定方法
ウォーレン・バフェット氏のやり方を参考にして成長株を選定
ただし、財務指標だけで銘柄をするとかなり銘柄が少なくなってしまいます。その企業が伸びる市場に属しているかどうかも重要な要因になります。
例えば、2020年4月現在なら、今後、5G市場は確実に伸びると言われています。5G関連銘柄の中から財務指標に優れた会社を選ぶというのも一つの方法です。
時間枠
中期投資(スイングトレード)
1週間~3週間の値幅取りを狙うスイングトレードならば、日中、チャートに張り付いている必要はありません。
会社から帰宅後に株価を分析して、上昇トレンドに入ったと思えば、翌日の寄りで買い注文。上昇トレンドが終了したと思えば、翌日の寄りで決済売り注文。
このやり方ならば、誰でも無理なく株式投資が続けられます。
例えば、以下のチャートは5G関連銘柄の太陽誘電のチャート(2019年9月~2020年4月)です。
比較的滑らかな動きを示しています。成長株の中には乱高下する銘柄もありますので、値動きが安定している銘柄がオススメです。
成長株+スイングトレードの場合の銘柄選定ポイント
成長株のスイングトレードを実施する場合の銘柄選定ポイントは次の通りです。
将来に渡って成長が期待できる
成長株を選んでいるのですから、これは当然のことです。しかし、成長株といっても、ずっと右肩上がりで株価が上昇するわけではありません。
上記の太陽誘電のチャートでも、2月末から3月初旬にかけては日経平均が大きくダウンしたため急落しています。
比較的安定した値動きをしている
チャートを見て、できるだけ安値で買うことができれば、大きな利益を期待できます。また、会社の成長路線が崩れない限りは、下落率も比較的少ないでしょう。
ぜひ、自分に合った投資スタイルを見つけて、継続的に利益を出せるようになりましょう。