成功したトレーダーの本を読むと、多くのトレーダーが「投資で最も大切なことは損切である」と述べています。

実際、私も安定して利益が出るまでは、適切な方法で損切ができませんでした。

それに、サラリーマン投資家にとっては、常時チャートを見ていることもできず、50円下がれば損切しようと思っていても、日中は仕事が忙しくて、注文ができなかった。

帰宅してから、翌朝の成行で手仕舞い注文を出したところ、大きく窓を開けて寄り付き。結局、50円で予定していた損切が150円にもなってしまったといった経験をお持ちの方も多いと思います。

特に、夜中にダウが大幅に下げた場合、日経平均が総崩れとなり、ほとんどの株が大きく窓を開けて下がってしまうケースがよくあります。

こういった事態を避ける方法がIFD注文です。

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IFD注文とは?

IFD注文とは、If-Doneの略でIFD注文と呼ばれています。

つまり、「もし(If)、XXXが実現したら、その後に、△△△を実施する(Done)」という意味で、買い注文と売却注文の予約を同時にできる方法です。

これが、どんなケースで役立つかと言えば、以下のようなパターンです。
まずは、IFDを活用しない失敗事例から。

IFD注文を活用しない失敗事例

6月1日

6月1日にある会社の株が3,500円だった。
チャートを見ると、急伸しそうな雰囲気。
6月2日の寄り付きで100株を成行注文で購入することとした。

6月2日

6月2日は、3520円で寄り付き。100株買い注文約定。
結局、その日は、ほとんど動かずに終値も3,520円。

6月3日

昼休みに株価を確認した時は、3,500円近辺で動いていた。
ところが、6月3日の昼過ぎから急落し、その日の終値は、一気に、3,400円へ。

ただし、仕事が忙しく、株価の確認もできないまま帰宅。
帰宅して株価をチェックしたところ、1日で120円もダウンしていることが判明。
「100円下がれば、損切かな」と考えていたが、1日で損切基準に達してしまったため、もう1日見送ることとした。

6月4日

その日も仕事が忙しく、日中は、株価のチェックができず。
帰宅後確認してみると、さらに、株価は下がり、3,300円へ。
損切基準を大きく超えて下がってしまったため、止む無く、翌朝の寄り付きで手仕舞い注文を発注。

6月5日

夜中にNYダウが400ドルもの大幅ダウン。
この影響で、日経平均も大崩れ。
3,300円付近で手仕舞いを想定していたが、結局、手仕舞いできたのは3,200円。

当初、予定していた損切ライン3,420円を200円以上も下回り、わずか数日で10%近くも損を出してしまった。

こんなパターンを経験された方も多いのではないでしょうか?
私は、何回もこんな経験を繰り返しました。

利益が出せるようになったのは、IFD注文を使った損切ができるようになったからです。

IFD注文を使った損小利大の売買方法とは?

IFD注文を活用した損切事例

上記と同じパターンで、IFDを活用した場合の損切事例を説明します。

6月1日

6月1日にある会社の株が3,500円だった。
チャートを見ると、急伸しそうな雰囲気。
6月2日の寄り付きで100株を成行注文で購入することとした。

また、ストップの幅を株価の2%に設定。
3,500円×2%=70円下回れば、成行でストップロス注文を出すこととした。

この場合、以下のように注文を入れます。

親側(If注文)  :成行買い注文
子側(Done注文):逆指値注文(成行) 逆指値 値幅指定70円

6月2日

6月2日は、3,520円で寄り付き。100株買い注文約定。
結局、その日は、ほとんど動かずに終値も3,520円。

6月3日

昼休みに株価を確認した時は、3,500円近辺で動いていた。
ところが、6月3日の昼過ぎから急落。

逆指値で指定していた価格(3,520円-70円=3,450円)に到達したため、
自動で売り注文が発注される(3,450円)。

3,450円でそのまま売り注文が約定し、70円×100株=7,000円の損失確定。

最初の例と比べると、損知を大きく減らすことができます。

損小利大を実現できるIFD注文

損切が最も大切と言われます。しかし、そこで損失が確定してしまうのですから、一般の投資家にとっては、「もう1日様子を見れば、戻すかもしれない」と思ってしまいます。

あるいは、「株価が戻るまで売らなければ、損失は確定しない」として、株価が50%下げても損切しない人もいます。

特に、値動きを見ていると、損切注文を出す勇気が萎えてしまいます。

それが、IFD注文なら、寄付前に発注しておくだけで、買い注文~損切注文まで、あるいは、空売り注文~損切注文まで自動で行ってくれるのです。

これなら、日中に株価をチェックする必要がありません。

また、損失の幅を株価の2%といった基準で設定しておけば、損失はそれ以上に拡大しません。
一方、見込み通りに株が上昇した場合は、トレンドに乗って、株を保有し続ければ、どんどん利益が大きくなります。

これによって、昔から言われている損小利大が実現します。

IFDで利用できる執行条件

証券会社によって、利用できる執行条件は、異なりますが、およそ以下のような注文方法が利用できます。

成行注文

価格を指定しない注文方法

寄成注文

前場または後場の寄付のみで執行される注文方法です。
日中、価格をチェックできないサラリーマン投資家にオススメの方法です。

引成注文

前場または後場の引けでのみ執行される成行注文です。

指値注文

価格を指定する注文方法です。
例えば、現在の株価が1,000円で950円まで下がれば購入しようと思っている時に利用する方法です。

逆指値注文

指値注文の逆パターンとなります。
使い方としては、以下の2つの方法があります。

ストップロスとして利用

上記の例で説明したのは、3,520円で買い。ストップロスを3,450円に置くという方法です。
この方法で損失を限定することができます。

なお、逆指値注文の場合も、「3,450円」といったように値段を指定する指値注文
約定価格から70円下がれば、成行注文を出すといった値幅指定での成行注文の2通りの方法があります。

サラリーマン投資家に推薦するのは、後者の逆指値の成行注文です。

逆指値の成行注文を推薦する理由

サラリーマン投資家には注文を出すと同時に逆指値の成行注文を出すことを強く推薦します。

その理由は以下の通りです。

  • 何円で約定するかが分からない

サラリーマン投資家の場合、常時、約定値段を見ているわけにもいきません。
3,500円近辺で約定するだろうと思っていても、3,440円で寄り付くかもしれません。この場合に、3,450円に逆指値注文を置く意味がありません。

  • 相場が急落・急騰する場合、注文が成立しない可能性がある

3,450円で指値注文をしていても株価が急落すれば、約定しないまま、株価がさらに下がってしまう可能性があります。

  • 指値注文と成行注文では成行注文が優先される

証券会社のシステム上、同じ価格で注文があった場合、指値注文よりも成行注文が優先されます。

このため、特に、サラリーマン投資家にとっては、逆指値の成行注文を強く推薦します。
この方法なら、日中に相場を見る必要もなく、相場が見込と逆に動いた時でも損失を最低限に抑えることができます。

新高値を超えたら仕掛ける

セットアップ(仕掛けのルール)で有名なルールに、過去20日間の高値、もしくは、安値を超えたら仕掛けるというルールがあります。

例えば、

現在の株価が1,000円。
過去の20日間の高値は1,070円。ここ10日間は上昇トレンドが続いており、1,070円を抜ければ、大幅上昇すると予想している。

この場合、逆指値の買い注文を1,080円に置きます。
予定通り、1,070円を抜けてくれば、自動で買い注文が出されます。

逆指値はストップロスだけではなく、仕掛けの際にも活用できます。

損切幅をいくらに設定すべきか?

サラリーマン投資家の場合、ポジションを数日~数週間保有するスイングトレードか、もしくは、数週間~数か月保有するポジショントレードのどちらかがメインになるでしょう。

保有期間によっても損切基準は変わってきますが、私の場合、うまく機能したのは、株価の2%程度を損失幅に設定した時です。

1,000円の株ならば、20円。
3,000円の株ならば、60円です。

この程度のストップ幅ならば、買ったその日にストップに引っかかり、自動で手仕舞いされてしまうこともあります。

ただし、この逆指値注文のおかげで、損失を最小限に抑え、継続的に利益を伸ばしていけるようになりました。

株を買う前であれば、逆指値注文を発注するのも心理的に抵抗がありません。

ぜひ、このIFD注文を利用して、発注と同時に逆指値、つまりストップロスを設定し、継続的に利益を上げられるようになってください。

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