新型コロナウイルスの経済対策として、108兆円もの経済対策が打ち出されました。
108兆円を日本の人口1億3000万人で割ると一人当たり83万円です。
住宅ローンを抱え、失業した人は、これでも足りないでしょうが、1人当たり83万円あれば、ひとまず食べるには困らないでしょう。
ただし、108兆円といっても、ほとんどが融資に回るお金であり、国民に直接配布される現金は6兆円程度だそうです。
また、当初、10万円とされていた給付金の額は30万円に引き上げられましたが、その30万円を受け取れる人もかなり限定されているようです。
筆者は現在ホテル業界に勤めているのですが、稼働率がなんと1%台にまで落ちこみ、実質休業状態が続いています。いつまで給料が出るのか不安な毎日が続いています。
この記事では、あなたが(筆者自身も含めて)給付金30万円を貰えるのか、貰ったほうが得なのかについて記入しています。
給付金30万円が貰える条件
給付金30万円が貰えるのは、以下のどちらかの条件を満たした場合のみです。この条件に当てはまる世帯は実際にはかなり少ないと思われます。
- 2020年2月~6月の期間のいずれかの月で世帯主収入が住民税非課税世帯まで下がった
- 2020年2月~6月の期間のいずれかの月で世帯主収入が50%程度下がり、かつ、収入が住民税非課税世帯の2倍まで下がった
それぞれについて、以下に具体例を挙げて、説明します。
2020年2月~6月の期間のいずれかの月で 世帯主収入 が住民税非課税世帯まで下がった
住民税非課税世帯とは?
都道府県によって若干差がありますが、東京都の場合の世帯主収入別住民税非課税世帯は下表の通りです。また、配偶者の収入は扶養控除内(額面100万円以内)が前提です。
カテゴリ | 給与収入の額面額(目安) |
単身 | 100万円(月8.33万円) |
夫婦 | 155万円 |
夫婦子一人 | 205万円 |
夫婦子二人 | 255万円 |
夫婦子三人 | 305万円 |
ケース1(収入が住民税非課税世帯まで下がった)で給付金が貰える例
単身者でアルバイトや契約社員で毎月12,3万円程度の収入を貰っていたが、シフトが減少し、毎月の収入が7万円に減った。
条件としては、2月~6月のいずれかの月で収入が住民税非課税世帯まで下がったとあります。
単身者の場合、住民税非課税世帯の収入は月額換算で100万円÷12か月=約8.33万円です。
収入7万円<8.33万円となり、 収入が住民税非課税世帯まで下がった と判断されますので、給付金30万円の対象者となります。
8.33万円のボーダーライン上にいる人で、多少、勤務時間を増減させられることが可能ならば、勤務先や同僚と調整したほうが良いということになります。
例えば、同僚のA君と調整して、
5月度 A君 9万円 自分 7万円
6月度 A君 7万円 自分 9万円
もし、こんな調整が可能であれば、30万円の給付金が貰えるかどうかの瀬戸際となります。
月収が50%程度下がり、かつ、収入が住民税非課税世帯の2倍まで下がった
単身者で毎月30万円程度の収入を貰っていたが、給料が16万円に下がってしまった。
この場合は、月収が50%以上下がり、かつ、住民税非課税世帯の2倍(200万円/年:16.66万円/月)まで落ち込んでいますのでOKです。
なお、あくまで世帯主の収入の減少で判断されますので、奥さんがパートに出ていたが、その収入がなくなった場合には、給付金は支給されません。
失業した場合、給付金30万円は受け取れるのか?
これは、まだ、詳細が不明なようですが、「2月~6月のいずれかの月」という条件がついていますので、自己都合退職か、会社都合退職で支払われるのかどうか変わってくる可能性があります。
というのは、失業手当が給付される時期が自己都合退職と会社都合退職で異なってくるからです。
会社都合退職の場合の失業保険支払日
失業手当をもらうまでの流れ
失業保険を貰うためには、まず、ハローワークへ行き、失業状態で求職していることを申請します。
そして、申請後、約1~3週間後に「雇用保険受給者説明会」が開催されます。このとき、「求職活動計画書」が配布されます。これは再就職までの求職活動を進めるための計画を記すものです。再就職に対する意欲の確認のようなものです。
そして、雇用保険受給者説明会から1~3週間後に初回の「失業認定日」があります。ここで求職活動の実態・実績確認のための書類と職員による面談が行われます。
問題がなければここで「失業認定」がされ、初めて「失業給付」がされることになります。
「失業認定」後約4~7日程度で初日に持って行った通帳の普通預金口座に失業給付が振り込まれます。
会社都合退職の場合、退職日から早ければ、1か月程度で失業手当が振り込まれます。
例えば、解雇~失業手当まで以下のようなスケジュールとなった場合、収入が住民税非課税世帯まで下がらすに給付金30万円を受け取れない場合があります。
- 4月末解雇
- 5月末給与振り込み(4月分)
- 6月失業手当支給開始
失業手当の金額にもよりますが、給与の50%以下にならないケースも多く、会社都合退職の場合、給付金30万円は貰えないケースが多いと思われます。
自己都合退職の場合の失業保険支払い日
失業手当をもらうまでの流れは、自己都合退職でも会社都合退職でも変わりありません。ただし、自己都合退職の場合は、初回の給付までに3か月間の待期期間があります。
したがって、この間、通常ならば収入がゼロになりますので、給付金30万円を受け取れます。
給付金か、失業手当のどちらが得か?
失業手当と給付金30万円を両方もらう方法
タイミングにもよりますが、会社都合退職で失業手当が出る場合は、給付金30万円をもらうのは困難かもしれません。
一方、自己都合退職の場合、収入条件を満たせば、給付金30万円が出ます。また、3か月の待期期間後には失業手当も出ます。
しかし、3カ月間の待期期間がありますので、給付金も月額に直せば、10万円/月になります。失業手当の金額とどちらが多いかを判断する必要があります。
また、会社都合退職の場合、失業手当の期間も長くなりますので、特別な事情がない限り、給付金30万円を狙って自己都合退職をすることはオススメできません。
給付金30万円をもらうほうが得な場合
もし、以下のようなスケジュールで転職できれば、給付金30万円を貰うほうが得な場合も出てきます。
- 4月末退職
- 5月末(4月分給与振り込み)
- 6月1日就職
- 7月末(6月分給与振り込み)
上記のようなスケジュールで転職でき、かつ、月収が30万円以内だった場合は、給付金をもらうメリットがあります。
ただ、諸条件を考えると、休業や解雇が予想される場合、給付金を狙ってもらうよりも、転職活動に力を注いだほうがベストです。
フリーランス・個人事業者の方は?
さて、フリーランスや個人事業主の方は、会社員よりももっと大変な状況の方がおられるでしょう。私の長女も個人事業主でイベント関連の仕事をしていますが、イベントそのものが激減したと言っていました。
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