株価はさまざまな要因によって変動します。
どんな要因によって、変動するかを知っておくことで、適切な売買判断ができるようになります。
株の需要と供給で値段が決まる
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株も一般の商品と同じく需要と供給のバランスで価格が大きく変動します。
例えば、2020年2月~4月にかけてはコロナウイルスの影響により、マスクが在庫切れとなり、また高騰しました。
それまでは、100均に行けば、安いマスクなら、30枚100円で売られていました。それが、そのようなマスクは全く見かけなくなり、良心的な店でも、50枚3,980円といった高級タイプのものしかなくなりました。
さらには、そんなマスクも市場から消え、メルカリなどのオークションサイトでは、50枚10,000円等で販売されるようになりました。
コロナウイルスの影響で、圧倒的に需要>供給の状態となりました。今まで3円/枚で売られていたものが、それ以上の価格でも買いたいという人が増え、どんどん価格が吊り上がった結果、200円/枚で販売されるようになったのです。
株の場合も爆発的な人気となれば、今まで1株1,000円で売買されていた株がわずか1か月で1株3,000円になることもあります。
企業の個別要因で株価が変動する
株価は長期的には企業業績の変化を反映すると言われています。具体的には、以下のような個別要因により株価は変動します。
業績の変化
毎年、着実に業績が伸びているような会社は、多少の変動は伴いながら、着実に株価は上昇していきます。
業績の変化が株価に最も結び付いた企業といえば、近年ではMonotaroでしょう。
Monotaro(銘柄コード:3064)は兵庫県尼崎市に本社を置く、機械工具類等をインターネットで販売している小売商社です。いわば、Amazonの機械工具版のような会社です。メインの商品が機械工具類なので、それほど知名度がありませんが、年率30%という凄い勢いで伸びている会社です。
この会社は株価が上昇するにつれて、何度も株式分割をしながら、株価が上昇していますが、なんと2009年末には33円だった株が2020年には3,570円と100倍以上になっています。
もし、10年前に100万円購入していれば、1億円になっていた計算となります。
世界一の投資家であるウォーレン・バフェット氏によれば、バイアンドホールド型、つまり超優良株を見つけたら、株を買った後は、ずっと保有し続けることが最善の策とのことです。
まさに、こんな会社をいち早く見つけることができれば、10年間で資産は10倍以上にもなります。
新製品の発表
AppleのiPhoneやSONYのPlayStationのように熱狂的なファンがいる製品の場合は、新商品発表のニュースで株価が大きく変動することもあります。
ただし、新製品の売れ行き次第では、急速に業績が悪化する場合もあるため、注意が必要です。
不祥事
良いニュースばかりでなく不祥事をキッカケに業績が長期低迷する場合もあります。
不祥事の種類も様々ですが、粉飾決算や品質不良など、消費者や投資家の信頼を大きく損なう事件が起こった場合、株価は長期低迷するケースが多いようです。
近年で印象に残っている事件と言えば、お家騒動をキッカケに大きく業績が沈んでいった大塚家具や日産自動車があります。
お家騒動があったから、業績が低迷していったのか?
業績が低迷していく兆しがあったから、お家騒動が起こったのか?
恐らく両方が影響していると思われますが、お家騒動があった会社の株は、その後、一貫して右肩下がりになる傾向があるように思われます。
元会長のカルロス・ゴーン氏が逮捕された日産自動車の場合、ゴーン氏が逮捕される前までは株価は1,000円前後を推移していました。また、年率換算で4%以上という非常に高い配当も出していました。
それが、逮捕後、株価は一貫して右肩下がりに下がり続け、逮捕前の約1/3の330円になってしまいました。また、無配当も決定しました。それでも、なお、業績下げ止まりの兆候は見られません。
ウォーレン・バフェット氏の完全に反対の手法となりますが、業績が好調な会社を探すだけでなく、不祥事があった会社の株を空売りすることもひとつの方法です。
市場全体の要因で株価が変動する
企業単体の業績は良くても市場全体の影響を受けて、株価が下がることも多々あります。
地政学的要因
政治や軍事的要因により、株価が大きく変動する場合があります。
市場の変化
市場自体の変化も株価に大きく影響を与えます。
コロナウイルスの影響により、航空業界の株は大きく値を下げました。世界一の投資家ウォーレン・バフェット氏はこれまで航空業界の株を好んで保有していたそうですが、2020年2月にはいちはやくコロナの影響を見越して全ての航空関連株を売却したとのことです。
コロナが収束したとしても、すぐに、旅行需要が復活するとは思われず、航空関連株が復活するのは当分先と言われています。
良いニュースとしては、2020年以降スマホで5G市場が立ち上がるとされています。
コロナ騒ぎが落ち着けば、5G関連銘柄の業績は向上し、それに伴って株価も上昇していくことが期待されています。
GDPの変化
日本全体のGDPが増えれば、株価も全体的に上昇していきます。また、GDPの速報値がアナリストの期待を上回った場合、短期的に日経平均も上昇します。
ダウの変化
日本国内だけでなく、ダウの変化も株価に大きく影響を与えます。特に、ダウが1日で1,000ドルも下がったような場合には、ほとんどの株が大きく値を下げます。
金利
借入金が多い企業は、金利が下がると支払い利息が減少して利益が増加します。このため、株は上昇しやすくなります。同様に、金利が上がると金利負担が増え利益が減少します。このため、株は下落しやすくなります。
また、金利が上昇すれば、特に、ファンドなどの大口投資家の資金が株式市場から債券市場に向かいやすくなります。このため、日経平均自体が下落し、それに伴って個別企業の株も下落する傾向にあります。
為替
為替の変動は影響が企業によって大きく異なります。
輸出入は基本的にドル建てで行われています。
円安となって、今まで1ドル=100円だったのが、1ドル=110円となれば、自動車メーカーや電機メーカーなど輸出中心の企業にとっては、円換算の輸出価格が高くなります。
つまり、1個1ドルの商品を販売していたとすれば、販売価格自体はドル建てなので1ドルで変わりませんが、日本円に換算した場合に今まで100円の収入だったものが110円に増えます。このため、輸出企業の利益は増えます。
一方、円高となって、今まで1ドル=110円だったのが、1ドル=100円となれば、石油会社やアパレルなどの輸入中心の企業にとっては、円換算の輸出価格が安くなります。
つまり、1個1ドルの商品を輸入していたとすれば、輸入価格自体はドル建てなので1ドルで変わりませんが、日本円に換算した場合に今まで110円支払っていたものが100円で買えるようになります。このため、輸入企業の利益は増えます。
外国人投資家の動向
日本の上場企業のうち、株主の多くは国内金融機関や個人投資家で、全体のおよそ7割を占めており、外国人投資家は3割程度に過ぎません。
しかし、日本株売買のシェアとなると、外国人投資家の割合が約6~7割と言われております。外国人投資家のほうが、かなり積極的に売買を繰り返していると言えます。
このため、外国人投資家が株を買い越すと日経平均全体が上がる傾向にあり、売り越すと日経平均全体が下がる傾向にあります。
株価は様々な要因が絡み合って変動します。
しかし、日ごろから日経新聞や会社四季報・会社の決算発表の情報を読むことで、大局的な動きは理解できるようになります。
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