実は、株式投資で毎年継続的に利益を上げることは難しくありません。
簡単に言えば、やるべきことは3つだけ。
- 成長株を見つける。
- 成長株を安い時に買う。
- 成長株を高い時に売る。
これを繰り返せば、次第に、資産は増えていきます。
この記事では、財務諸表の読み方をマスターして成長株を見つける方法を説明しています。
財務諸表とは?
Contents
財務諸表は、1年間の会社の財政状態や売上や損益をまとめた計算書です。特に、上場企業においては、投資家はこれらの情報に基づいて、株の売買を決定するため、正確な情報を投資家に知らせる義務があります。
一方、投資家は、財務諸表を読み解くことによって、企業の現状だけでなく、今後の成長を推察することができます。
財務三表とは?
一般的に、「財務諸表」と呼ばれますが、貸借対照表・損益計算書・キャッシュフロー計算書の3つの決算書をまとめて財務諸表と呼びます。このため、財務三表と呼ばれることもあります。
貸借対象表とは?
企業の「資産・負債・資本」の3つを記した表です。企業が資金をどのように調達しており、どういった形(例えば、現金や不動産等)で保有しているのかを表しています。
左側に資産を記載し、右側に負債・資本を記載します。「資産の合計額=負債・資本の合計額」となることから、英語では、Balance sheet(バランスシート)、略してB/Sと呼ばれます。
主に、財務の健全度を見るために使われます。
損益計算書とは?
損益計算書とは、売上や利益など、一定期間の企業の経営成績を表します。英語では、Profit and Loss Statement、略してP/Lと呼ばれます。
売上・経常利益が毎年安定して伸びているかどうかは、成長株を見つけるために最も重要な指標です。
毎年コンスタントに20%~30%の伸びを見せている会社が望ましいです。
キャッシュフロー計算書とは?
キャッシュフロー計算書は、一定期間における現金・預金など会社が保有するお金の流れを表しています。
「営業活動・投資活動・財務活動」の3つの区分から構成されており、企業がどこから資金を調達したのか、何に資金を使ったのかが分かります。
営業活動によるキャッシュフロー
営業活動とは、企業の本業を指します。そのため、営業活動によるキャッシュフローがマイナスの場合は、倒産の可能性があります。
逆に、ほかのキャッシュフローがマイナスであっても、営業活動によるキャッシュフローが大きくプラスであれば、近い将来経営が好転する可能性があります。
投資活動によるキャッシュフロー
最近では、事業経営多角化のため、企業は、さまざまな投資活動を行います。そのため、本業で大きなプラスが出ていても、投資によるキッシュフローがマイナスになっている企業は多々あります。営業活動によるキャッシュフローに比べて、それほど大きいマイナスでなければ、特に、会社の成長には大きく影響しません。
財務活動によるキャッシュフロー
通常は、営業活動によるキャッシュフローが大きくプラスであれば、利益の中から借入金を返済していきますので、財務活動によるキャッシュフローはマイナスになっていきます。
しかし、本業が赤字であれば、銀行からの借り入れなどの財務活動によって資金を調達する必要が出てきます。このため、財務活動によるキャッシュフローはプラスになっていきます。
財務活動によるキャッシュフローが大きくプラスの場合は、多額の借入金が発生している恐れがあります。
成長株を見つけるための重要ポイント
企業の現状を分析するためにも財務諸表を確認することは重要です。ただし、経理の専門家になることが目的ではないため、重要ポイントに絞って、できるだけ多くの企業をチェックしましょう。そのうえで、自分が本当に買いたい会社に絞って重点的にチェックしていきましょう。以下に、成長株を見つけるための重要ポイントを記します。
売上・利益は安定して成長しているか?
下の表は、テンバガー株で有名なMonotaroの過去5年の売上・利益の推移表です。
売上・利益ともに、毎年着実に20%前後の上昇を続けています。これに合わせるように毎年株価も上昇しています。
ROEは高いか?
ROEは、「株主資本から生み出している利益の効率性」を表す指標です。具体的な計算式は、以下の通りとなります。
ROE(%)=(当期純利益÷株主資本)×100
世界一の投資家ウォーレン・バフェットによれば、ROEは富創造の魔法のテコとされています。
例えば、投資目的でマンションを購入する場合を考えてみましょう。
まず、企業の株主資本は総資産から総負債を差し引いたもので、個人が住宅を購入する場合の自己資金に相当します。
例えば、マンションの購入費が2,000万円で、このうち銀行から1,500万円を借り、残り500万円が自己資金だったとしましょう。
一方、購入した住宅の家賃から、ローンに対する利子と税金などの費用を差し引いた金額が利益になります。
もし、家賃収入が150万円/年で、維持費・管理費や金利・税金などの出費が100万円/年あるとすると、利益は150万円 /年-100万円 /年=50万円 /年となります。
したがって、自己資金500万円で50万円/年の利益を得られることとなり、ROEは50万円÷500万円で10%となります。
日本の上場企業のROEの平均は毎年8%~10%を推移していると言われています。
しかし、中には、MonotaROのようにROEが30%以上という企業もあります。
これを先ほどのマンション投資の例にあてはめると自己資金500万円で毎年150万円もの利益を上げることとなります。
GMOクリック証券なら、ROEが高い企業のランキングがワンクリックで見られますが、実際、ROEが30%を超えるような企業の中からMonotaROのような多くのテンバガー株(株価が10倍以上になった株)が出ています。
≪GMOクリック証券≫現物取引手数料1約定ごとプラン88円(税込96円)~!1日定額プラン213円(税込234円)~!営業利益率が同業他社に比べて高いか?
営業利益率は業種によって、相当異なります。一般的にイオンなどの小売業では営業利益率は2~3%程度ですが、村田製作所のような電子部品メーカーでは15%以上になる業種もあります。
しかし、同一業種の中で、ライバルメーカーに比べて経常利益率が高い会社は、より効率的な経営をしていると考えられます。したがって、長期的に成長する可能性が高いと考えられます。
財務基盤は強いか?
優良企業でも2020年のコロナウイルスの影響等により、経営が危機に瀕する場合があります。この時に、財務基盤が強いかどうか判断するのに最も役立つ指標が長期負債税引き倍率とされています。
長期負債税引き倍率=今期の長期負債÷今期の税引き利益
例えば、MonotaROの場合、2019年12月度の有価証券報告書を見ると、長期負債税引き率は、以下の通りとなっています。
2,498(百万円)÷16,444(百万円)≒0.15≒1.8カ月
返済する気になれば、わずか2か月以内に返却できるレベルです。
財務諸表の情報をどこで入手するのか?
会社四季報
一番オススメの方法は会社四季報です。
財務諸表が丸ごと掲載されているわけではありませんが、過去4~5年の売上高・経常利益・1株利益の推移、ROE、自己資本比率など多くの重要データが掲載されています。
2,000円程度の投資でリターンが100倍、1,000倍になるかもしれません。
有価証券報告書
上場企業の有価証券報告書は100ページ以上になることもあり、読みにくいのですが、これから売買を予定している注目銘柄だけダウンロードして確認すればいいでしょう。
金融庁のEDINETで上場企業の有価証券報告書が無料で閲覧できます。
なお、「会社名 有価証券報告書」で検索すれば、EDINET、もしくは、該当企業のIRのページが検索できます。
証券会社のスクリーニング機能を使う
大手ネット証券会社であれば、スクリーニング機能がついています。
下記の図はGMOクリック証券のスクリーニングメニューですが、黒字が何期連続、ROEが○○%以上といった詳細条件が設定できます。
財務諸表が見られるわけではありませんが、スクリーニング機能で会社を絞り込んだ後、会社四季報や有価証券報告書を読めば、より簡単に成長株が見つけられるでしょう。
これらの機能を使って、成長株を見つけましょう。