「株は証券会社から買う」と思っていませんか?
SBI証券や楽天証券などの画面から株を注文するので、証券会社が株を売っているように感じるかもしれません。
しかし、実際には少し違います。
株を売買する場所と、私たちの注文を取り次ぐ会社には、それぞれ別の役割があります。
この記事では、株式投資を始める前に知っておきたい、
- 株式市場とは何か
- 証券取引所は何をしているのか
- 証券会社は何をしているのか
- 自分が出した注文はどのように売買されるのか
を初心者向けにわかりやすく解説します。
株式市場とは何か?
Contents
株式市場とは、簡単にいえば株を発行したり、売買したりする仕組み全体のことです。
「市場」といっても、どこかに大きな建物があり、そこで株を並べて売っているわけではありません。
株式市場は、大きく2つに分けて考えると理解しやすくなります。
① 発行市場
企業が新しく株式を発行し、投資家から資金を集める市場です。
たとえば、ある会社が事業を拡大するために100億円必要になったとします。
銀行から借りる方法もありますが、新しく株式を発行して投資家に買ってもらい、資金を集める方法もあります。
企業が新規上場するIPO(新規株式公開)も、この発行市場に関係します。
つまり、
企業 → 株式を発行 → 投資家から資金を集める
という流れです。
② 流通市場
すでに発行された株を、投資家同士で売買する市場です。
私たちが普段、
「トヨタの株を買った」
「保有していた株を売った」
と言っているのは、ほとんどの場合こちらです。
企業から直接株を買っているわけではありません。
すでに株を持っている誰かが売り、その株を別の投資家が買っています。
証券取引所とは?
投資家同士が株を売買するための中心的な場所が証券取引所です。
日本を代表する証券取引所が東京証券取引所です。
ニュースで、
「今日の日経平均株価は上昇しました」
「東証プライム市場では……」
などと聞いたことがあるでしょう。
証券取引所では、非常に多くの投資家から出された買い注文と売り注文を集め、売買を成立させています。
取引所では何が行われている?
たとえば、ある株について、
Aさん
「1,000円なら100株買いたい」
Bさん
「1,000円なら100株売りたい」
という注文があったとします。
条件が一致すれば売買が成立します。
このように、買いたい人と売りたい人の注文を集め、一定のルールに基づいて取引を成立させるのが証券取引所の重要な役割です。
株価も、基本的にはこうした売り注文と買い注文の中で決まっていきます。
証券会社は何をしている?
では、SBI証券や楽天証券などの証券会社は何をしているのでしょうか。
証券会社は、私たち投資家と市場をつなぐ窓口です。
一般の個人投資家が東京証券取引所へ行って、
「トヨタ株を100株買わせてください」
と直接注文するわけではありません。
証券会社に口座を開き、証券会社を通じて注文を出します。
つまり、
投資家
↓
証券会社
↓
証券取引所
↓
売買成立
という流れになります。
証券会社は、株そのものを販売する「株屋さん」というより、株式市場への入口を提供している会社と考えるとわかりやすいでしょう。
「SBI証券からトヨタ株を買う」は正確には少し違う
初心者のころは、
「SBI証券でトヨタ株を買った」
「楽天証券から任天堂株を買った」
という感覚になりやすいと思います。
日常会話としては、それで問題ありません。
しかし、仕組みを正確に理解すると、
SBI証券などを通じて市場に注文を出し、市場で株を買った
ということになります。
この違いを理解しておくと、これから株の注文方法や株価の仕組みを学ぶときに理解しやすくなります。
株を買ったお金は企業に入るの?
ここも初心者が疑問に思いやすいところです。
たとえば、あなたが市場でトヨタ株を100万円分買ったとしても、その100万円がそのままトヨタ自動車に入るわけではありません。
通常の株式市場での売買では、
株を買った人 → 株を売った人
へお金が移動します。
企業に資金が入るのは、新しく株式を発行して資金調達をするときなどです。
そのため、
「企業の株を買うこと」と「企業に直接100万円出資すること」は、必ずしも同じではありません。
ただし、株を購入した人は、その会社の株主になります。
前の記事で解説したように、株主になるとは会社の一部を所有することです。
なぜ企業は証券取引所に上場するの?
企業が証券取引所に上場すると、多くの投資家がその会社の株を売買できるようになります。
株を売りたいときに買ってくれる人を探しやすくなり、逆に株を買いたい人も売り手を見つけやすくなります。
この「売買のしやすさ」を流動性といいます。
流動性の高い市場では、多数の投資家が参加しているため、売買が成立しやすくなります。
企業側にとっても、上場によって広く投資家から資金を集めやすくなるというメリットがあります。
一方で、上場企業には投資家に対して決算情報などを開示することも求められます。
私たち個人投資家は、こうした公開情報を使って企業を分析できます。
株式市場・証券取引所・証券会社の違い
ここまでの内容を整理してみましょう。
| 言葉 | 主な役割 |
|---|---|
| 株式市場 | 株式の発行や売買が行われる仕組み全体 |
| 証券取引所 | 投資家の売買注文を集め、取引を成立させる場所 |
| 証券会社 | 個人投資家などから注文を受け、市場へ取り次ぐ窓口 |
| 投資家 | 証券会社を通して株を買ったり売ったりする人 |
もっと単純に考えるなら、
証券会社=入口
証券取引所=売買する場所
株式市場=それらを含めた仕組み全体
と覚えておけばよいでしょう。
スーパーに例えるとわかりやすい?
株式市場は普通の商品売買とは違うので完全に同じではありませんが、イメージをつかむために例えてみます。
証券会社は、株式市場へ入るための「受付」のような存在です。
あなたが、
「この会社の株を買いたい」
と証券会社へ注文を出すと、その注文が市場へ送られます。
市場には、
「買いたい人」
だけではなく、
「売りたい人」
もいます。
両者の条件が合えば売買が成立します。
したがって、証券会社の画面上に表示されている株を、証券会社の在庫から購入しているわけではありません。
売りたい人がいなければ株は買えない
ここまで理解すると、株価について非常に重要なことが見えてきます。
株式市場では、
買いたい人と売りたい人がいて初めて取引が成立します。
どれだけ自分が、
「この会社は将来伸びそうだから買いたい」
と思っても、希望する価格で売ってくれる人がいなければ、その価格では買えません。
逆に、
「今すぐ売りたい」
と思っても、その価格で買ってくれる人がいなければ売買は成立しません。
この買い手と売り手のバランスは、株価が動く大きな理由の一つです。
なぜ株価は毎日変わるの?
ここまで、
- 株式市場
- 証券取引所
- 証券会社
の役割を見てきました。
次に出てくる疑問は、
「同じ会社なのに、なぜ株価は毎日上がったり下がったりするの?」
ではないでしょうか。
会社の工場や商品が1日で大きく変わったわけでもないのに、株価が1日で5%、10%動くこともあります。
株価は単純に現在の会社の業績だけで決まっているわけではありません。
現在の業績に加えて、
- 将来の成長期待
- 決算発表
- 景気
- 金利
- ニュース
- 投資家の予想
- 買いたい人と売りたい人の需給
など、さまざまな要因が影響します。
次の記事では、**「株価はなぜ上がったり下がったりするのか」**を詳しく見ていきます。
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