「株を買う」と聞くと、
「会社にお金を貸すこと?」
「株価が上がったら売って儲けるもの?」
「そもそも、株って何?」
という疑問を持つ人も多いと思います。
株式投資を始める前に、まず知っておきたいのが、
株を買うとは、その会社の一部を持つこと
だという点です。
もちろん、実際には会社の建物や商品を直接所有するわけではありません。
その会社が発行した「株式」を持つことで、会社の所有者の一人、つまり株主になります。
この記事では、株式投資をまったく経験したことがない方に向けて、
- 株とは何か
- 株主になるとはどういうことか
- 会社にお金を貸すこととの違い
- 株はどこから買うのか
- 株で利益や損失が生まれる基本的な仕組み
を、できるだけ専門用語を使わずに説明します。
株とは「会社の一部を持つ権利」
Contents
会社が事業を大きくしようとすると、お金が必要になります。
例えば、
- 新しい工場を建てる
- 店舗を増やす
- 新商品を開発する
- 人を採用する
- 海外へ進出する
といった場合です。
会社がお金を集める方法はいくつかあります。
その一つが、株式を発行して出資してもらう方法です。
例えば、ある会社全体を100万個の株に分けたとします。
あなたがそのうち1,000株を持っていれば、単純化すると会社全体の0.1%分の株式を持っていることになります。
つまり、株を買うというのは、
その会社の成長に参加する
ということでもあります。
株を持つ人を「株主」という
株を持っている人を株主と呼びます。
株主になると、その会社に対して一定の権利を持つことになります。
代表的なものには次のようなものがあります。
配当を受け取れることがある
会社が利益を出したとき、その一部を株主に分配することがあります。
これが配当です。
例えば、1株あたり年間100円の配当を出す会社の株を100株持っていれば、単純計算で年間1万円の配当になります。
ただし、
すべての会社が配当を出すわけではありません。
利益を新しい事業への投資に回す会社もあります。
特に成長途中の企業では、配当をほとんど出さず、事業拡大を優先するケースもあります。
株主総会で議決権を持つことがある
一定の条件を満たす株主には、株主総会で会社の重要な議案について投票する権利があります。
例えば、
- 取締役を選ぶ
- 会社の重要な方針を決める
といった場面です。
小さな株主一人の影響力は限られていますが、株式を持つということは、単に値段が上がる商品を買うだけではなく、
会社の所有者の一人になる
という意味があります。
株を買うことと、会社にお金を貸すことは違う
初心者の方が混同しやすいのが、
出資と融資の違い
です。
銀行が会社にお金を貸す場合、会社は原則として、そのお金を返さなければなりません。
これが融資です。
一方、株主が会社に出資したお金は、銀行借入のように「何年後に返済してください」というものではありません。
その代わり、株主は会社の業績によって利益を得ることもあれば、損をすることもあります。
簡単に整理すると、
| 株主 | 銀行など | |
|---|---|---|
| お金の出し方 | 出資 | 融資 |
| 立場 | 会社の所有者の一人 | お金を貸す側 |
| 返済 | 原則なし | 原則必要 |
| 利益 | 配当・株価上昇など | 利息 |
| リスク | 株価下落、倒産など | 貸し倒れなど |
株主は、会社が大きく成長すれば大きな利益を得られる可能性があります。
しかし、逆に会社の業績が悪化すれば、株価が大きく下がることもあります。
証券会社で株を買うと、そのお金は会社に入るの?
ここは意外と知られていません。
例えば、あなたが証券会社を通じてトヨタやソニーなどの上場企業の株を買ったとします。
このとき、通常は、
あなたのお金が直接その会社に入るわけではありません。
多くの場合、株式市場で、
株を売りたい別の投資家から株を買っています。
例えば、
Aさん:「1,000円なら、この株を売りたい」
Bさん:「1,000円なら、この株を買いたい」
という注文が一致すると、売買が成立します。
これを約定といいます。
つまり、証券取引所は、
株を買いたい人と売りたい人が取引する場所
だと考えると分かりやすいでしょう。
会社が新しく株を発行して資金を集める場合などは別ですが、私たちが日常的に売買している上場株の多くは、投資家同士で売買されています。
株価はなぜ変わるの?
株には毎日値段がつきます。
この値段が株価です。
株価は、買いたい人と売りたい人のバランスによって動きます。
例えば、
「この会社は将来もっと成長しそうだ」
と考える人が増えれば、買いたい人が増え、株価が上がることがあります。
逆に、
「業績が悪くなりそうだ」
「今の株価は高すぎる」
と考える人が増えれば、売りたい人が増え、株価が下がることがあります。
重要なのは、
良い会社だから、必ず株価が上がるわけではない
ということです。
株価には、
- 現在の業績
- 将来への期待
- 景気
- 金利
- ニュース
- 投資家心理
など、さまざまな要因が影響します。
この点については、後の記事で詳しく説明します。
株で利益が出る一番分かりやすい例
例えば、ある会社の株を1株1,000円で100株買ったとします。
投資額は、
1,000円 × 100株=10万円
です。
その後、会社が成長し、株価が1,500円になったとします。
100株の価値は、
1,500円 × 100株=15万円
になります。
この時点では5万円分値上がりしています。
そして、1,500円で売却すれば、単純化すると、
5万円の利益
です。
一方、株価が700円に下がれば、
700円 × 100株=7万円
となります。
10万円で買った株の価値が7万円になったので、3万円分値下がりしています。
株式投資では、
利益が出る可能性と同時に、損失が出る可能性もあります。
株を買うことは「値段当てゲーム」ではない
株式投資を始めると、
「明日上がる株はどれ?」
「今買えば儲かる?」
ということが気になりがちです。
しかし、私がこれからこのブログで伝えていきたいのは、それだけではありません。
株式投資では、
その会社が何をしているのか
なぜ利益が出ているのか
これから成長できるのか
他社にまねされにくい強みがあるのか
といったことを考えることが重要です。
株を買うということは、
単に値段が動く数字を買うのではなく、
その会社の将来に自分のお金を投じること
だからです。
身近な会社を1社思い浮かべてみよう
ここで、簡単な練習をしてみましょう。
普段、自分が使っている商品やサービスを提供している会社を1社思い浮かべてみてください。
例えば、
- コンビニ
- スーパー
- スマートフォン
- ネット通販
- 衣料品
- 自動車
- ゲーム
- 飲食店
などです。
そして、次の3つを考えてみます。
①その会社は、何を売っているのか
②なぜ自分はその会社の商品やサービスを利用しているのか
③これから利用する人は増えそうか
これだけでも、株式投資の第一歩になります。
難しい決算書を読む前に、
「この会社は、どんな価値を提供している会社なのか」
を考える習慣をつけることが大切です。
株式投資の勉強は、順番に進めれば難しくない
株式投資には、
PER、ROE、キャッシュフロー、移動平均線など、たくさんの専門用語があります。
最初から全部覚える必要はありません。
まずは、
株を買う=会社の一部を持つ
という基本を理解しておけば十分です。
これからこのブログでは、
株式投資をまったく経験したことがない方でも、
株式市場の仕組みから始まり、
証券口座、
NISA、
銘柄選び、
企業分析、
成長株投資、
AIを使った企業分析、
そして最終的には投資ルールやシステムトレードまで、
順番に学べるように解説していきます。
まとめ:株を買うとは、会社の成長に参加すること
今回のポイントをまとめます。
- 株とは、会社が発行する「会社の一部を持つ権利」
- 株を持つ人を株主という
- 株主は配当や議決権などの権利を持つことがある
- 株を買うことは、会社にお金を貸すこととは違う
- 上場株は通常、株式市場で投資家同士が売買している
- 会社が成長すれば株価上昇の可能性がある一方、値下がりすることもある
- 株式投資では「値段」だけでなく「会社そのもの」を見ることが重要
最初に覚えてほしいのは、一つだけです。
株を買うとは、その会社の将来に参加すること。
ここが分かると、その後の銘柄選びや企業分析も理解しやすくなります。
次に読む記事
次回は、
「株はどこで売買される?株式市場・証券取引所・証券会社の違い」
について解説します。
「証券会社が株を売っているの?」
「東京証券取引所は何をしているの?」
という疑問から、株式市場の仕組みをもう一段詳しく見ていきましょう。
なお、これから実際に株式投資を始めたい方は、あわせて新NISAの仕組みも知っておくと理解しやすくなります。
→ 新NISAとは?初心者向けに仕組みやメリットをわかりやすく解説