資産を構築しようと決心し、最初に行ったのが家計簿の記入です。
それまでも何度か家計簿をつけようと思い、MicrosoftのMoneyも購入したことがありましたが、続かずに挫折(結局、このソフトは販売終了となりましたので、挫折したのは私だけではなかったようですね)。1か月以上に渡って家計簿をつけたことがありませんでした。
今回、Zaimという無料アプリを見つけたので、久しぶりに家計簿をつけてみることとしました。
さすがに、昔と違い、ITが進歩したおかげで、昔よりも、はるかに記帳しやすく、つまり家計簿が続けられそうな環境が整ってきました。
この記事では、家計簿アプリの中でも評判の高いZaimとマネーフォワードの比較を記します。
Zaim
Contents
700万人が利用している日本最大級の家計簿アプリです。
84%の人が「Zaimなら続けられる」と回答したという続けやすいアプリです。
Zaimの特徴・メリット
入力が簡単
Zaimの一番の特徴はとにかく入力が簡単なこと。
画面を見るだけで、迷うことなく、すぐに利用開始できます。
家計簿アプリの場合、最も重要なのはいかに簡単に日々の入力が行えるかということです。
Zaimの場合、アプリを立ち上げ、記録のタブを押し、費用分類(食費や交通費など)を選べば、テンキーの画面が立ち上がってきますので、数字を入力するだけです。
スマホではなく、PCを利用する場合も、ほぼ同様の操作です。
家計簿は、本来なら、毎日入力するのがベストですが、最初の頃は、せっかくレシートを貰っても、1週間ほど記帳しないことがしばしばありました。
この場合、PCでまとめて一気に入力していたのですが、Zaimの場合、金額を入力する際に自動的にテンキーが立ち上がってきます。キーボードを操作することなく、マウスだけで入力が完結します。
最初、「わざわざテンキーなど立ち上がってこなくてもいいのに」と思ったのですが、PCで複数のレシートをまとめて入力する場合、左手でレシートをめくって数字を確認し、マウスだけで入力が完結できるのは大変便利なことが分かりました。
マネーフォワードの場合、スマホの画面ではテンキーが表示されているのですが、PCメニューでは金額をキーボードから入力しなければならないので、この点は、少し面倒ですね。
レシートもカメラで読み取り可能
さらに便利なのがレシートをカメラで読み取りできることです。
しかも、この読み取り精度が非常に高く、店の名前まで読み取り可能です。また、店の名前から費用の分類まで自動でやってくれます。無料版でもこの機能が使えるのは嬉しいところです。
マネーフォワードでも同様の機能はありますが、何件か試したところでは、Zaimのほうが読み取り精度は高かったです。
家計簿を記帳する際、最初は、PCから手入力を行っていましたが、スマホでの読み取り精度が高いことが分かってからは、ほとんどがレシート読み取りになりました。
分析画面が分かり易い
家計簿をつけることの大きな目的のひとつは、毎月の収支を分析し、
無駄遣いがあれば、いかにしてその費用を減らすかということです。
Zaimの場合、分析画面(表形式とグラフ)で
大分類別にいくら使ったかが一目で分かり、
かつ、先月や先々月のデータもクリックするだけで見られますので、本当に一瞬で今月の支出を確認することができます。
これによって、今月はもう少し食費を抑えようといった抑制力が働きます。
家計簿をつけだすと、「平均約2万円/月の家計改善効果」があると言われているのですが、Zaimで2か月ほど家計簿をつけてみて、本当にその効果を実感しました。
デメリット(無料版)
ただし、やはり無料版ではある程度機能が制限されてしまいます。
全て現金払いだけならば、問題ありませんが、ほとんどの人がクレジットカードや銀行口座の引き落としを使っているでしょう。無料版ではいくつかの機能が制限されますので、無料版のデメリットを以下に記します。
金融機関とのデータ連携タイミングが遅い
無料版でもクレジットカードや銀行口座との連携はできるのですが、反映のタイミングが少々遅くなります。
私の場合、ジャパンネット銀行、および、ジャパンネット銀行のVISAデビットカードを使っていたのですが、データが反映されるまでに数日かかることもありました。
データが連携されるのを待っていればいいのですが、データが連携される前に、間違ってレシートを手入力するとデータがダブル計上され、金額が合わなくなります。何度か、こういったミスがありました。
金融機関との連携データについてはCSV出力できない。
Zaimに入力したデータはCSV形式で出力することもできます。
ただ、この場合、Zaimに直接入力したデータはCSV形式でダウンロードできるのですが、
金融機関から連携されたデータはダウンロードできないといった制限があります。
Zaimのデータと実際の残高が合わなくなった場合、データの入力ミスがないか何度かチェックしようと思いました。
ZaimにはデータをCSV出力できる機能があるので、金融機関の取引履歴と出力したデータを見比べれば、入力ミスを発見できると考えていたのです。
ただ、無料版では画面上では金融機関とデータ連携しているのですが、CSV出力すると手入力したデータしか反映されていないのです。金融機関やカードの種類によっても、多少の違いはあるかもしれませんが、私の場合、CSV出力の機能は使い物になりませんでした。
何度か間違いを見つけようと思って、照合を試みたのですが、機能が制限されていることが分かり、途中であきらめました。
複数アカウントを管理できない。
また、家族それぞれのクレジットカードや銀行口座をひとつのアカウントで管理するといったこともできません。
結局、しばらく使っていると、実際の金額とZaimに入力した金額が合わなくなってきてしまい、後で、無理矢理、Zaimの残高を実際の残高に修正しなければならなくなるという事態が数回発生しました。
Zaimの有料版をつかうべきか?
家計簿を記帳するという習慣を身につけるためには、Zaimの無料版で十分です。
ただ、次のステップとして家計の見直しや資産管理に進もうとする場合は、やはり有料版にすべきです。
せっかく家計簿をつけていても金額が合わなくなってくると途中で記帳が嫌になってしまう恐れがあります。
なお、Zaimの有料版は月額300円(税込)の料金がかかりますが、Zaimの調査によると、有料版を利用した場合の家計改善効果は無料版の約2倍。金額ベースで月2万円の改善効果があるそうです。もちろん、家族構成や収入により、節約できる金額は変わってくるのですが、月額300円の投資で2万円のコストダウンになるなら、会費を払っても十分におつりがきます。
マネーフォワード
こちらも600万人が登録したという日本最大規模の家計簿アプリです。
マネーフォワードの特徴・メリット
PC版に関しては、少々Zaimのほうが入力画面がユーザーフレンドリー、つまり直感的な操作ができるように感じます。ただ、これは、私が最初、ZaimのPC版からスタートしたせいが理由かもしれません。
ただ、スマホ版については、Zaimもマネーフォワードも本当に入力しやすくなっていますので、どちらを選んでも満足できると思います。以下には、マネーフォワードの強みを記します。
連携できる金融機関の数が多い
さて、マネーフォワードの最大の特徴ですが、
連携できる金融機関やサービスの数が多いことです。
2018年4月現在で2655もあるとのこと。
銀行やクレジットカードは当然のことがなら、
証券口座や各種電子マネー・プリペイドカード、
さらには、Tポイントなどのポイントも管理できます。
特に、それほど規模の大きくない証券会社でも
データ連携ができるのは特筆ものです。
金融商品やサービスの選択、生活設計などで適切に判断するために、最低限身につけるべき金融や経済についての知識と判断力のことを金融リテラシーやマネーリテラシーと言います。
家計簿をつけて、浮いたお金は、多少なりとも殖やしたいものです。
ただ、銀行に預金しておくだけでは、下手をすれば、引出手数料だけでマイナスになる可能性もあります。
せっかくの機会なので、証券会社に口座を開設し、株式投資や投資信託もはじめていきたいものです。
Zaimも提携金融機関を増やしていますが、2018年4月時点では、まだ連携できる証券会社の数は5社程度となっています。証券口座との連携も考えれば、マネーフォワードのほうが優れています。
デメリット(無料版)
デメリットに関しても、Zaimとほぼ同様です。
家族間で複数アカウントを共有することはできません。また、Zaimでは制限付きであってもできた取引明細のCSV出力は、マネーフォワードでは全くできません。
また、数多くの金融機関や各種ポイントとの連携ができるのがマネーフォワードの最大の特徴ですが、無料版では連携できるサービスは10個までという制限があります。
なお、マネーフォワード有料版は月額500円(税込)とZaim有料版の月額300円(税込)に比べて、200円高いです。
Zaimとマネーフォワードのどちらがいいの?
Zaimもマネーフォワードも昔の家計簿ソフトに比べると、本当に使いやすくなっています。
お店でレシートをもらう習慣をつければ、スマホで撮影するだけで記帳ができてしまいます。
また、銀行やクレジットカードと連携させれば、入力する手間も最低限に減らせて、家計簿がつけられるのですから、本当に便利になったものです。
じゃあ、Zaimとマネーフォワードのどちらがいいのか、また、無料版か有料版のどちらがいいのか、ということになりますが、これは、その人の目的によると思います。
まず、私と同じように、これまで何度か家計簿をつけようとしたが挫折したという人は、まず、無料版から始めるといいでしょう。
特に、スマホ版であれば、Zaimでもマネーフォワードでも、レシート撮影の機能がありますので、どちらを使っても、無理なく家計簿の記帳が続けられます。
PC版で言えば、少しだけ、Zaimのほうがユーザーフレンドリーかもしれません。
ただ、やはり家計簿をつけることを通じて、マネーリテラシーを向上させ、資産を増やしたいということであれば、マネーフォワードの有料版を推薦します。
私も最初は家計を節約するために家計簿をつけるのに、数百円とはいえ、わざわざ毎月お金を払う必要があるのかと心理的な抵抗がありました。また、そもそも家計簿の記帳が続くのだろうかと心配でしたが、それは不要な心配でした。
まず、家計簿だけではなく、資産管理まで考えているならば、マネーフォワードを推薦します。
ホーム画面を開けば、トップに資産総額が表示されます。
特に、株などの投資をしている人やこれから始めようという人にとっては、非常に役立ちます。
資産管理をするようになって、次第に、資産が増加していくのを見るのは非常に楽しいものです。
提携している金融機関やサービスは2600以上もありますので、ほとんどの金融機関と自動連携が可能です。
管理会計の世界では、数字を管理する癖をつけることで、どんどん業績が改善すると言われています。
そういう意味では、資産についても一元管理できるソフトを導入することで長期的な資産形成に大いに役立つ可能性が大です。ただ、全ての金融機関と連携するのは、最初だけですが、少々面倒ではあります。
なお、マネーフォワードの有料版と無料版の機能の違いは下の表の通りです。
ただ、資産管理までは必要ない、単に家計簿だけ管理できればいいという人もいるでしょう。
そういう人にとってはZaimで十分です。月額利用料も300円とマネーフォワードの500円よりもちょっぴり安いです。