「お金を寝かせて増やしなさい」
(フォレスト出版:水瀬ケンイチ著)
というインデックスファンドの
長年の実践記があります。
アマゾンでも、1,140個ものコメントが
ついており、一般向けの投資本としては
名著と言えるでしょう。
それでは、著者の水瀬ケンイチ氏の成績は
どうなっているでしょうか?
詳細は本に記載されていますので
内容が気になる方はぜひ購読されることを
オススメしますが、内容を抜粋しますと、
2004年 開始 +3%
2005年 小泉郵政相場で絶好調 +26.4%
2007年 サブプライムショックの影響 -2.4%
2008年 リーマンショック -53.6%
2009年 V字回復 +29.5%
2010年 ギリシャショック -3.1%
2011年 東日本大震災 -10.8%
2012年 アベノミクス +19.7%
2012年でようやくリーマンショックの
影響をぬぐいさって、元本を回復。
2013年 金融緩和策実施 +27.7%
2014年~2016年安定期
最終的に2017年までの15年間で
元本は150%に増加したとのことです。
しかし、年利換算(複利)で計算しますと、年利3%程度です。
その後の好調時の2022年までで考えても
年利4%程度です。
確かに銀行に預けておいても金利は
ほとんどつきません。
また、成長株投資を実施しても
損をする個人投資家が90%以上
と言われています。
それよりはインデックスファンドのほうが、
はるかにいいのですが、年率3~4%となると、
これから投資を始めようという人にとっては、
かなり微妙な数値と思われるかもしれません。
インデックスファンドを
推薦する人は多数います。
確かに、数十年単位で見れば、
利益を上げてきました。
また、2004年から2016年にかけての
わずか十数年で
リーマンショック、
東日本大震災
と数十年に一度と言われるような大事件が
発生していました。
この影響で株価が大暴落したため、
インデックスファンドの成績が
悪くなっているという人もいます。
だから、この期間、
インデックスファンドの成績が
あまり良くないのは、
『たまたま運が悪かっただけ』
という説があります。
果たして、それは、本当でしょうか?
実は、ひとつ見逃してならない
真実があるのです。
それは、大事件の発生頻度が
最近ドンドン短くなっていることです。
過去であれば、
数十年に一度と言われたような大事件が
ここ30年では頻発するように
なってきているのです。
代表例を挙げますと、
1995年 阪神大震災
2001年 アメリカ同時テロ多発事件
(通称、9.11)
2008年 リーマンショック
2011年 東日本大震災
2020年 コロナによる世界ロックダウン
(2022年 安倍元首相殺害事件)
この30年足らずのうちに、日本、もしくは、
世界を震撼させるような大事件が
5回も起こっているのです。
もちろん、その都度、
株価は大暴落します。
2022年の安倍元首相殺害事件も、
昔であれば、もっと大事件扱い
されてもいいようなものです。
ケネディ大統領の暗殺事件などは、
未だに、TV報道されます。
しかし、5-6年に一度は
日本や世界の景気を一変させるような
大事件が発生するため、
安倍元首相殺害事件は
ほとんど株価にも影響を与えませんでした。
(一方、岸田首相が一見ポジティブな発言を
すると日経平均は大きく下げますが)
インデックスファンドを否定する
わけではありません。
しかし、インデックスファンドは、
長期的には株価が右肩上がりすることを
前提にポートフォリオが組まれているのです。
つまり、
世界をゆるがす大事件が発生する都度、
自分の資産は大きく減少するのです。
しかも、今後、
日本は誰も経験したことのない
少子化・高齢化社会に突入します。
それでも、株価は長期的に右肩上がりを
続けられるのでしょうか?
それは、誰にも分かりません。
未来が予測できないのなら、
下落相場でも儲けられる
トレンドフォロー型売買のほうが、
はるかにいいと思います。
トレンドフォロー型売買とは、
単純に、相場が上昇トレンドに入ったら買い。
下降トレンドに入ったら売り。
これをひたすら繰り返す売買のことです。
「えーっ、そんな単純な売買法で
儲かるのか?」
と思われるかもしれません。
下の成績は、ポール・マルベニーという
トレンドフォロワー
(トレンドフォロー型売買を
実施している投資家のこと)の
1999年から2016年の年度別成績です。
「トレンドフォロー大全」
(パン・ローリング社:マイケル・コベル著)から抜粋。
2016年 16.72%
2015年 -0.77%
2014年 67.36%
2013年 43.12%
2012年 -33.72%
2011年 -5.26%
2010年 34.90%
2009年 -5.9%
2008年 108.87%
2007年 -23.14%
2006年 21.94%
2005年 32.34%
2004年 -0.1%
2003年 29.28%
2002年 19.37%
2001年 6.69%
2000年 24.51%
1999年 1.09%
単純平均 18.7%
もちろん、
毎年、利益が出ているわけではありません。
-30%を超える大きな負けの年もあります。
しかし、1999年から2016年までの
単純平均利回りは18.7%にもなります。
しかも、トレンドフォロー型売買の場合、
相場が下がりはじめると
株や商品を売っていきますので、
大きな下げ相場のほうが、
利益が出やすいという傾向があります。
実際、上記のデータでもリーマンショックが
あった2008年の利益率が
最もよくなっています。
下げ相場で株を売って利益を出すというと、
これまで現物取引しかしてこなかったかたは、
ピンと来ないかもしれません。
株には空売りという証券会社から株を
借りる制度があります。
このやり方を使えば、
株がこれから下がると思えば、
証券会社から株を借りて、
まず、最初に株を売ります。
そして、思惑通り、株価が下がれば、
下がったところで買い戻しをすれば、
その差額が利益となります。
したがって、空売りをすれば、
リーマンショックやコロナの時のように
世界的に株価が暴落するときでも
利益が出せるのです。
2022年は世界中で大きく相場が
下がっています。
こんな時こそ、
トレンドフォロー型売買をオススメします。