コロナウイルスによって2020年2月から始まった株式相場の暴落は、世界中を巻き込み、世界各地の生産や物流までストップさせています。
リーマン・ショックの暴落では、それほど実体経済は落ち込みませんでした。しかし、今回は、世界中で人の動きばかりか、物の動きもストップしてしまっています。
この暴落は、もう下げ止まったのでしょうか?
過去の大暴落を紐解き、今後の値動きを考えてみたいと思います。
これまでの下降トレンドは何回あった?
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アメリカのある研究者によれば、ダウが高値から20%以上下落し、明確な下落相場と定義できるトレンドは、第二次大戦以降2020年までの75年間で12回あったとのことです。
平均下落率は約33%で、平均下落期間は14.5か月、とのことです。
そして、第二次大戦以降で最大の暴落は、リーマン・ショック時の暴落で、約15か月持続し、下落率は50%を超えました。
リーマン・ショックとは?
リーマン・ショックとは、2008年9月15日に、アメリカ合衆国の投資銀行であるリーマン・ブラザーズ・ホールディングスが経営破綻したことに端を発して、連鎖的に世界規模の金融危機が発生した事象の総称です。
リーマン・ブラザーズは、負債総額約64兆円というアメリカ合衆国の歴史上、最大の企業倒産となり、世界中に連鎖的な金融危機を招きました。日本でも有名だったメリルリンチも倒産しました。
ただ、この兆候は2007年のアメリカ合衆国の住宅バブル崩壊をきっかけとして、サブプライム住宅ローン危機として、大暴落が噂されていました。
今回のように、突然、大暴落が始まったわけではありません。
ただし、大底から次の大底までを1サイクルと考えれば、1サイクルの平均期間は、75年÷12回=約6年となります。
2013年6月14日に アベノミクスは 「日本再興戦略」として全体像が示されました。それ以降、約6年に渡って、株価は順調に上昇してきましたが、今回のコロナウイルスをきっかけとして、下落相場に移行したのでしょうか?
リーマン・ショック時の日経平均の動きは?
それでは、リーマン・ショック時には、日経平均は、どのように動いたでしょうか?
以下は日経平均の月足グラフです。
参照元:Kabutan
この期間、日経平均は2007年2月の高値18,300円から2008年10月の7,000円割れまで約60%ものダウンとなっています。
そして、約半年ほどの底練りを経て、2010年4月には、11,400円まで回復します。
ただ、残念ながら、2011年3月11日に発生した東北大震災により、再度、8,000円台まで下落。
その後は、多少の上げ下げはあるものの、ほぼ順調に右肩上がりに上昇を続け、2018年には24,000円台を回復しました。
1929年の世界恐慌の際は、どのくらい下げたか?
ただ、第二次世界大戦前の1929年の世界恐慌の際は、もっと大きな下げ幅だったようです。
1929年9月に381ドルをつけていたダウは、1932年7月には41ドルまで下落。下落率にして、なんと89%です。
そして、大底をつけるまで、ほぼ3年近くもかかっています。
今回の下げ止まりはいつ?
それでは、今回の下げ止まりは、いつになるでしょうか?
大底までの期間は?
もう一度、先ほどの月足グラフをご覧ください。
確かに、下げ幅こそ非常に大きいのですが、まだ下落してから2か月しか経過していません。
これまでの下落相場では、天井から大底をつけるまでの平均期間が14カ月あります。
歴史は繰り返されると言います。
これまでと同じパターンが続くようであれば、今回も大底をつけるまでには、これから1年以上の期間を要するのかもしれません。
下落率は?
リーマン・ショック時の下落率が60%。世界大恐慌時の下落率が89%。
もし、今回のコロナウイルスによる影響がリーマン・ショック以上、世界大恐慌未満ならば、株価は70%~80%程度下落しても不思議ではありません。
過去の例に照らし合わせれば、日経平均が5,000円~7,000円になる可能性もあります。
バブル崩壊後、日経平均は2003年と2008年に7,000円台に突入していますので、この辺りまで落ち込む可能性は十分に考えられます。
もちろん、急にコロナウイルスの特効薬が開発され、事態が一挙に収束される可能性もあります。しかし、いくら値ごろ感が感じられるからと言っても、まだ買いに向かうには時期尚早でしょう。
次の買い時は、いつ?
過去の動きを見ると、週足で、小さな陽線が数本連続した後、上昇トレンドに移行しているケースが多いようです。
本格的な買い場は、まだ、当分先になりそうです。
ただ、再度、下降トレンドに入れば、空売りのチャンスになるかもしれません。