成長

成長株投資とは?

テンバガー株は見つけられるのか?

MonotaROという会社をご存知でしょうか?

機械工具などをインターネット上で販売している、いわばAmazonの機械工具版といった会社です。最近は、TVCMもやっていますが、まだまだ知名度は低い会社です。

株式分割を繰り返しながら、急上昇をしてきた株なのですが、分割を考慮すれば、2009年の年末には33.19円だった株価が2020年5月14日には3,855円と、なんと100倍以上になっています。

こんな株を見つけられた最高ですね。

少々、古い例ですが、セブンイレブン・任天堂・ソフトバンクといった会社も、10倍以上になった株です。しかし、一般投資家でも、いわゆるテンバガー株、株価10倍になるような株を見つけられるのでしょうか?

この記事では、このような売上が毎年伸びている企業や将来成長が見込める企業を見つけ出して、その企業の株に投資する成長株投資の方法を説明しています。

成長株投資とは?

成長株投資の代表例としては、世界一の投資家と言われるウォーレン・バフェット氏があげられます。特に、バフェット氏の場合は、バイ・アンド・ホールド型と言って、一旦、株を買ったら10年以上売却しないという超長期投資です。

これまでに、バフェット氏が購入してきたテンバガー株といえば、コカ・コーラマクドナルドなどの会社があります。IT関連などの最先端企業よりもコカ・コーラやマクドナルドのような強いブランド力を持った会社、つまり消費者独占型の企業をバフェット氏は好むようです。

成長株を見つけるための方法

さて、それではバフェット氏のように、次々とテンバガー株を見つけることは可能でしょうか?

バフェット氏のように次々とテンバガー株を見つけることは困難にしても、今後とも成長を続ける可能性が高い株を見つける方法はあります。

特に、注目すべきポイントは以下の通りです。

ROEが高い

ROE(株主資本利益率)はReturn on Equityの略で、いくらの株主資本を使って、どれだけの利益を上げているかの指標です。

例えば、株主資本100億円の会社が30億円/年の利益を上げたとすれば、

ROE=30億円÷100億円=30%

となります。

そして、もし、この会社が30億円の利益をそのまま再投資すれば、翌年度の株主資本は130億円となります。

その年もROE30%を維持できると仮定すれば、
翌年度の利益は130億円×30%=39億円となります。

このペースで10年間同じことを継続できれば、その会社の株主資本や利益は10年後には、なんと13倍にもなります。

そもそもROEが30%もあるような会社は数少ないのですが、MonotaROやZOZOなどが、これに該当します。

ほとんどの証券会社では、株のスクリーニング機能があります。ROE30%以上といった指定をすれば該当する株が一覧表示されます。

これらの銘柄から投資対象を選ぶのもオススメです。

売上・利益が過去5年連続で伸びている企業

会社四季報を見れば、過去数年および今年度の売上・経常利益の予想が記載されています。ここ数年20%以上伸びており、なおかつ、今年度も20%以上の伸びが見込まれている企業ならば、今後も伸びが期待できるでしょう。

ただし、成長株とは言え、必ずしも今年も上昇するとは限りません。

以下の図はZOZOの週足グラフです。

ZOZOもテンバガー株として有名であり、ROEも30%を超えています。また、売上もほぼ一貫して右肩上がりを続けています。

にもかかわらず、2018年7月には4,500円を超えていた株価は、2020年3月には1,150円近辺まで1/4の水準にまで落ち込んでいます。

ZOZOスーツの失敗、前澤社長の退任、コロナウイルスの影響など悪要因が重なりました。しかし、業績が急降下したわけではないのです。伸び率こそ鈍っていますが、毎年、着実に売上・利益とも伸ばしています。それでも、一旦、業績に陰りが見えれば、75%もの急落をするケースがあるのです。

一般に成長株は今後の成長を期待されているため、非常に高いPERで取引されています。

例えば、先ほど例にあげたMonotaROのPERは73倍以上です。一方、日本を代表するトヨタの場合は、PER10倍程度です。

このように成長株の特徴として、PER(株価収益率)が高くなりがちなため、下降しはじめると大きく下落する可能性があります。

このため、成長株投資といえども、ストップロスの設定は必須です。

テンバガー株を見つける方法はあるのか?

例えば、人生のなかでテンバガー株を2個見つけたとしましょう。最初に100万円を投資して10年後にその株が1,000万円になった。次に、その1,000万円を別のテンバガー株に投資して、10年後に1億円になった。こんな風に買った株全てが10倍になればいいのですが、さすがに、それは楽観的すぎるでしょう。

SONYとAppleの株価

Appleの株価

現在、世界で時価総額一位の会社はAppleだということですが、そのAppleの株価は1998年には1.22ドルだったそうです。それが現在(2020年5月14日)では、307.65ドルとおよそ250倍にもなっています。

SONYの株価

それでは、Appleとよく比較されるSONYの株価はどうでしょうか?

両社とも革新的な製品を出す会社としてよく知られ、Appleが倒産の危機にさらされていた時は、SONYがAppleを買収するという噂も出ていました。

そのSONYの株価ですが、1998年には10,500円を超えていました。それが、現在(2020年5月14日)、6,822円となんと35%も値下がりしてしまっています。

Appleが急成長したのは、ご存知の通り、iPhoneのおかげです。

ところが、実は、iPhoneの原型モデルを最初に開発したのはSONYだったのです。

世界初のスマートフォンの開発を始めようとして、開発承認を得るため、取締役会が開かれました。すると、そんな多機能な携帯電話が発売されたら、ウォークマンやVAIOが売れなくなると社内で他の事業部から猛反対。当時の社長もその反対を抑えきれず、結局、SONYはその使い道がなくなった特許を丸ごとAppleに売却。その後、Appleは急成長していくわけです。

一時期、サムソンとAppleはスマートフォンの特許で裁判を繰り広げていましたが、サムソンは「元々、SONYの技術だろ」と繰り返し発言していました。

つまり、SONYがAppleの代わりにスマートフォンを開発していれば、SONYの株価は今の100倍くらいになっていたかもしれません。

まさか、こんなシナリオは神様でもなければ分かりません。

財務諸表やその企業のブランド価値・消費者独占モデルの判定から、ある程度、長期的に成長する会社を見つけることは可能でしょう。しかし、こんな事例を考えると買った株が全て10倍になると期待することはオススメできません。

成長株投資とスイングトレードの組み合わせ

10年間で10倍になるテンバガー株と年利30%のどちらが得か?

テンバガー株を見つけ、その株を10年間保有し続けることは投資家の夢かもしれません。しかし、それが達成可能かどうかは10年経過してみないと分かりません。

それでは、年利30%を毎年10年間継続できた場合には、どうなるでしょうか?

計算を簡単にするために、税率20%、手数料ゼロ円で計算してみました。

10年間で株価が10倍になった場合

100万円で株を購入 → 10年後1,000万円で売却。 
粗利900万円 税金 180万円 純利益 720万円

10年間連続で年利30%を達成した場合

100万円で株を購入 → 年利30%で運用(税込) 
粗利949万円 税金190万円 純利益 759万円

上記の結果となり、10年で10倍と聞くととてつもない金額のように思えますが、年利30%で複利で運用すれば達成できるレベルです。

成長株スイングトレードのススメ

そこでオススメするのが成長株スイングトレードです。

成長株と言っても、常に、右肩上がりで株価が上昇するわけではありません。

以下のチャートはMonotaROの日足と25日線ですが、比較的25日線と連動した動きを示しています。

こういった、比較的安定した値動きのある成長株を安くなったら買い、高くなったら売るという方法、つまり成長株を対象とした売買を繰り返してはいかがでしょうか?

25日移動平均線を超えてきたら買い、下回れば売りといった方法に損切の基準を明確にすれば、比較店安定した利益が期待できると思われます。

テンバガー株の場合、成功したかどうかは10年経過しないと分かりません。成長株を対象にしたスイングトレードなら、かなり成功確率が上がるかもしれませんので、研究されることをオススメします。

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