株式投資の必勝法は存在するか?

結論から言うと、必勝法は存在します。

この記事では、100%とまでは言わないまでも、高い確率で利益を出せる投資の手順を説明しています。

必勝法とは?

恐らく、投資をしている方ならば、ほとんどの方が一度は何らかの必勝法を探したと思います。

日本だけでなく、アメリカではキリスト教の聖杯伝説になぞらえて、必勝法のことを聖杯と呼んでいます。

ちなみに、聖杯とは、最後の晩餐のとき用いられた杯、または十字架上のイエスの血を受けたものとされ、この聖杯を使って水を飲むと不老不死になれると言われている伝説があります。

映画の『インディ・ジョーンズ』や『ダ・ヴィンチ・コード』等で取り上げられています。

一般的には、株式の必勝法はないとされていますが、それは、必勝法の定義によります。

必勝法の定義

辞書で必勝法の定義を調べると、

それに従えば必ず勝てるという手順

となっています。

つまり、勝率100%という意味ではありません。

何度も勝負をして、最終的には勝つ手順ならば、それは必勝法ということです。

そして、必勝法の定義が、それに従えば必ず勝てるという手順という定義ならば、100%とまでは言えませんが、高い確率で勝てる方法はギャンブルでも株式投資でも存在します。

ギャンブルの必勝法 マーチンゲール法とは?

ルーレットなどの勝率50%のギャンブルにおいて、必勝法とされるマーチンゲール法という方法があります。

勝率50%のギャンブルでも必勝法があるのですから、株式投資に必勝法と呼ばれる方法が存在してもいいと思われませんか?

さて、マーチンゲール法の手順は、ごく簡単です。

まず、最初に1ドルを掛けます。そして、負ければ、次は、その2倍の2ドルを掛けます。さらに、負ければ、次は、その2倍の4ドルを掛けるというように、負けるごとに掛け金を2倍にしていきます。

そして、勝った場合は、再度、1ドルの掛け金から始めます。

表にすると、以下の通りです。

回数 掛け金 累計損失 勝った場合の利益/回 累計利益
1 1 -1 2 1
2 2 -3 4 1
3 4 -7 8 1
4 8 -15 16 1
5 16 -31 32 1
6 32 -63 64 1
7 64 -127 128 1
8 128 -255 256 1
9 256 -511 512 1
10 512 -1,023 1,024 1

 

例えば、運が悪く6回連続で負けたとしましょう。
この場合、6回目の掛け金は32ドルになります。
そして、6回目までの累計損失(掛け金の累計)は、63ドルです。

しかし、6回目でようやく勝ち、64ドル返ってきました。

ここまでで純利益は、
64ドル-63ドル=1ドルとなります。

勝てば、また、最初に戻り、1ドルの賭けからスタートします。

上の表から分かるように、勝つときは、常に、たった1ドルだけ勝つのです。

これを永遠と繰り返すのが、マーチンゲール法で、計算上は必ず勝ちます。

マーチンゲール法の問題点

ただ、計算上は、必ず勝てるのですが、現実には、いくつかの制限あります。

カジノでは、掛けられる上限金額が決まっている

上の表では10連敗を想定しています。
10連敗する確率は、0.1%、つまり1,000回に1回。
20連敗する確率は0.0001%、つまり1,000,000回に1回です。
さすがに、20連敗する可能性は低いのですが、可能性ゼロとは言えません。

もし、仮に、20連敗すると、掛け金は524,288ドルにもなってしまい、現実的な金額ではなくなります。また、カジノからストップがかかるでしょう。

面白くない

マーチンゲール法は、計算上、極めて高い確率で勝てます。
実際、海外のカジノへ行って、このマーチンゲール法を試して、1日で数百ドル稼いだ人も数多くいます。

ただ、口を揃えていうのが、
面白くない

ということです。

この方法では、1セット実施して、たったの1ドル、100円しか儲かりません。

それに、周りの人が大金を賭けて、勝った、負けたと喜んでいるのに、一人だけ黙々と1ドルから賭け始めて周囲から冷たい目で見られるのです。

しかし、株式投資においても、マーチンゲール法のように、最終的に勝つ手順を作成することは可能です。

株式投資における必敗法

必勝法とは正反対ですが、プロの投資家が経験的に長期的には必ず負けるとしている方法があります。

損切をしない

たとえ、4勝1敗だとしても、予め損切のポイントを設定し、それを遵守しなければ、大損をすると言われています。

以下のようなパターンです。

1回目 1,000円の株を100株購入し、1,100円で売却。
2回目 1,100円の株を100株購入し、1,200円で売却。
3回目 1,200円の株を100株購入し、1,300円で売却。
4回目 1,300円の株を100株購入し、1,400円で売却。

ここまでで資金は、当初の100,000円から140,000円まで40%の増加です。

5回目 1,400円の株を100株購入し、700円で売却。

一気に70,000円のマイナスとなり、資金は50%減。当初資金も下回ってしまいました。

たとえ、それまで4勝していたとしても、1回の失敗で大きくマイナスになってしまうことがあります。

長期的に損をする投資家のほとんどが損切の手順を決めていないからだと言われています。

証券会社のセールスマンのニュースをそのまま信じて売買をする

多くの人が経験していると思いますが、証券会社の推薦株を購入しても、なかなか利益につながりません。

また、証券会社の情報で売買する場合、たとえ、その情報が当たったとしても、仕掛け~手仕舞い、損切までの手順を教えてくれるわけではありません。

ですから、何回かは勝てたとしても、長期的には損をする人が多いのです。

必敗法の反対をやれば儲かる?

最初に、述べたように、必勝法とはそれに従えば必ず勝てるという手順のことです。

銘柄の選定
仕掛け
手仕舞い
損切

の手順までをルール化して、それを遵守する。

つまり必敗法と呼んでいる真逆のことをすれば、長期的に利益を積み上げられるようになります。

必勝法(勝てる見込みの高い手順)の例

ギャンブルにおけるマーチンゲール法でも、投資金額の上限があり、100%勝てるわけではありませんが、高い確率で勝てる手順です。

同様に、投資においても、高い確率で勝てる見込みの高い手順は投資においても作成可能です。
以下に例をあげます。

業績の良い会社、安定している会社の株を日経平均が急落した日に購入する。

市場がパニックになって、日経平均が急落する日が年に2,3回あります。

2018年度で言えば、日経平均が1日で1,000円前後急落した日が2回ありました。

2018年2月6日、12月25日

こんな日は、ほとんどの株が急落します。

こういった日の引けで業績の安定している会社の株や高配当株を購入します。

日経平均が1,000円も下げるようなパニック売りになっている日の翌日は高く始まることが多いからです。

下の表は、日経平均が1日で1,000円も暴落した日の終値トヨタ自動車(業績の安定している銘柄の代表)と村田製作所(好業績銘柄の代表)を買い、翌日の始値で売った場合の利益を表示しています。

銘柄 日付 終値 翌日始値 利益 利回り
トヨタ自動車 2018/2/6 7286 7600 314 4.31%
トヨタ自動車 2018/12/25 6079 6129 50 0.82%
5.13%
村田製作所 2018/12/25 14435 14610 175 1.21%
村田製作所 2018/2/6 15365 15800 435 2.83%
4.04%

1年のうち、2日間だけなので、大儲けをしているわけではないのですが、たったの2日間で年利5%になっているのは素晴らしいチャンスだと思われませんか?

暴落につけこむアノーマリー投資

個々の銘柄で言えば、悪いニュースが流れた際に、暴落するケースもあります。

ある法則・理論からみて異常であったり、説明できない事象をアノーマリーと言います。

個々の銘柄においても悪いニュースが流れ、市場がパニックとなり、常識から考えると、異常な価格がつくケースがあります。

普段は、現金で保有しておき、アノーマリーな事態が発生したと思われるときのみ、株を購入する方法がアノーマリー投資です。

これだけでも、短期間で非常に大きな利益を得ることができる可能性があります。

例えば、2019年1月、日本市場がまだ正月休み中のときに、Apple減益のニュースが流れました。

このニュースを受けて、Appleが主力得意先である村田製作所の株価は

12月28日の14,955円から
1月4日は13,490円へと

たったの1営業日でほぼ10%もダウンしてしまいました。

同様に、その他の電子部品各社も大きく値を下げ、PBR1倍割れとなる銘柄も出てきました。

しかし、経営への影響が軽微だと分かると、1か月も経たないうちに、村田製作所の株価は17,000円台へと25%も上昇しました。

もちろん、経営に大きな影響が出るケースもあるため、損失限定のために、逆指値注文を入れておくことは必要ですが、たったの1か月で20%以上もの利益が出るケースもあります。

個人投資家にとっては、全ての市場や銘柄を追跡することは難しいので、自分の働いている業界や好きな業界・会社に絞って、株価や各種指標を追跡されることをオススメします。

「安すぎる」と思われる日が年に1回位は、やってくるかもしれません。

こうすることで、勝率・利益率ともに大きく上昇します。

システムトレードで期待値がプラスの売買ルールをひたすら継続する

現在、アメリカの多くのファンドがコンピューター売買を取り入れていると言われています。
そして、その多くがトレンドフォロー型の売買です。

つまり、相場が上昇トレンドに入ったとみなせば買い、下降トレンドに入ったとみなせば売るという手法です。

もちろん、この方法で常に勝つわけではないのですが、期待値がプラスとなる売買手順は、比較的簡単に構築することができます。

期待値がプラスとなる事例としては以下のようなケースです。

過去の売買回数:100回
勝ち回数:55回(勝率55%)
負け回数:45回(勝率45%)
勝った時の平均利益額:6,000円
負けた時の平均利益額:5,000円

期待値の計算方法
=勝った時の平均利益額×勝率-負けた時の平均利益額×(1-勝率)
=6,000円×55%-5,000円×45%
=1,050円/回

つまり、売買を重ねるたびに、1,050円の利益が期待できます。

トレンドフォロー型売買の有名な手法としては、

  • 過去20日間高値を抜ければ、上昇トレンドとみなして買う。
  • 5日移動平均線25日移動平均線を上抜けば、上昇トレンドとみなして買う。

もちろん、過去、勝っていたから、将来も必ず勝てる保証はありません。
また、システムトレードに合う銘柄、合わない銘柄があります。

しかし、やみくもに株を買うよりも、はるかに好成績が見込めます。

必勝とは言えませんが、投資をされている方は、ぜひ、システムトレードも検討してみてください。