せっかく買った株がドンドン下がりだした。

損切をしようか、もしくは、このまま我慢して持っていようか、それとも値段が安くなってきたから買い増ししようか?

株式投資をするなら、こんな経験は誰でも持っています。

この記事では、株が下がった場合の適切な処理方法について書いています。

損切とは?

損切とは、上がると思って買った株が予想外に下がってしまい、そこで売却をして、損失を確定させる方法です。

例えば、1,000円で買った株が、900円まで下がってしまった。
ここで売ると100円の損失になるが、まだ、下がるかもしれないと思って、売ってしまうという方法です。

ナンピンとは?

これに対して、下がった株を買い増しする方法がナンピンです。

例えば、1,000円で100株買いました。ただし、残念ながら、900円まで下落。
次に、900円で、さらに、100株買い増し。しかし、さらに、800円まで下落。
さらに、800円で100株買い増し。

こうして、平均取得単価を下げていく方法をナンピンと言います。

最近は、カタカナで書かれることが多いナンピンですが、漢字では難平と書きます。

つまり、(損失)を平ら(平均化)にするという意味だそうです。

さて、損切がいいか?ナンピンがいいか?

これは、プロの間でも意見が分かれるそうです。

損切派の意見、ナンピン派の意見

損切肯定派の意見

「昔から世界中で投資の格言とされているのは損小利大
いかに損をしたときの損失額を小さくし、買ったときの利益額を大きくするかが最も大切である。
これが、できれば、長期的に、資産が右肩上がりで増えていく」

例えば、勝率が33%。つまり、3回に1回しか勝てない投資家がいたとします。

しかし、その投資家は、損小利大を徹底しており、平均すると、負けるときは、5,000円/回だが、勝つときは20,000円/回だったとします。

こうすると、取引1回当たりの期待値は

勝率(33%)×20,000円-負ける確率(67%)×5,000円=3,250円となり、投資を続けるごとに3,250円ずつ利益が増えていくことが期待できます。

現在の多くの成功したアメリカの投資家は、この考えに基づいて、投資をしているとのことです。

損切反対派の意見

一方、損切に反対する人もいます。

「適切な損切ラインは、買値から10%付近と聞いた。だから、10%下がるごとに、損切をしたのだが、運悪く3連敗。そうすると、あっという間に資金が70%まで減ってしまい、株式投資をするのが嫌になってしまい、止めてしまった」

ナンピン肯定派の意見

「株が上がるのか、下がるのかは誰にも分からない。だから、最初から資金に余裕を持って、投資を行い、株価が下がれば、ドンドン買い増しする。こうすれば、株の平均取得単価がドンドン下がり、次に、株価が上昇したときに多くの利益が出る」

昔の日本の相場師にはナンピン肯定派が多かったそうですが、資金に相当余裕を持って、あらかじめ買い下がる計画で投資を行ったそうです。

例えば、以下のような買い方です。

1回目:1,000円×100株=100,000円
2回目:900円×200株=180,000円
3回目:800円×400株=320,000円
合計     700株 600,000円
平均取得価格 857円

このように下がれば下がるほど、買う株数を増やしていけば、平均取得価格はドンドン下がっていきます。

そして、いつかは大きく上昇するため、その時には、大きな利益になるという考え方です。

ナンピン反対派の意見

「いつ下げ止まるか分からない。したがって、どれだけ資金を用意すればいいか分からない。例え、下げ止まったとしても、次に、いつ上昇してくるかも分からない。だから、資金効率が悪すぎる」

結局、損切とナンピンのどちらがオススメ

一般投資家には、損切のほうが安全

投資の世界でも天才と呼ばれる人たちは存在し、的確に相場の流れを読める人もいるようです。ただし、私も含めて、ごく普通の一般投資家には、以下の理由から損切をオススメします。

資金効率がいい

ナンピンの場合は、予め余裕資金を相当残しておく必要があります。

狙い通りに、すぐに、下がって、その後、急反発すればいいのですが、狙い通りに行ったとしても、利益が出るまで半年以上かかることもあります。

実行が簡単

損切は心理的に難しいと言われます。

これを克服するためには、予め〇%下がれば、損切をすると決めておきます。
そして、買い注文が成立すれば、すぐに、逆指値注文を入れるのです。

1日値動きを見てから、逆指値注文を入れようと考えていると、株が下がってしまったときに、迷いが生じます。

買い注文が成立すれば、すぐに、逆指値注文を入れます。

こうしておけば、価格が下がったときに、損切注文が自動的に発注されます。

なお、逆指値注文とは、予め設定した価格以上、もしくは、以下になれば、自動で発注される注文形式です。

例えば、1,000円で株を買いました。
5%下がれば、損切注文を出そうとするのであれば、

「950円以下になれば、成行で売り注文を出す」

という注文を出す方式です。

また、逆指値注文で、かつ、指値注文も利用できるのですが、指値注文ではせっかく逆指値注文を入れたとしても、注文が成立しないケースがあります。

とにかく、成行で注文をセットしましょう。

こうしておけば、株価の動きを見る必要もなく、設定価格以下になれば、自動で売り注文が出されて、注文が成立します。

適切な損切の設定方法

損切幅は何%程度が適当か?

成功したアメリカの投資家によれば、損切幅の設定は、
取引1回当たりにつき、総資産の0.5%~2%以内にすべきというものです。

投資資金100万円で実施するのであれば、5,000円~20,000円も損をすれば、即、損切という方法が安全だということです。

例えば、損切幅を2%、2万円に設定したとしましょう。
この場合、たとえ、10連敗したとしても、資金は20,000円×10回=200,000円しか減りません。
資金の減少率は、20%ですので、まだ、耐えられるレベルではないでしょうか。

そして、仮に、勝率が50%と仮定すれば、10連敗する確率は1/2の10乗となり、0.1%未満となります。
1,000回に1回の確率なので、相当稀なケースとなります。

資金30万円の場合のオススメの資金管理・損切設定方法

私も、以前は、1銘柄に集中投資し、損切ラインを買値から10%下回ったところに置いていたのですが、この場合、たった3連敗するだけで、資金が30%も減少してしまい、何度も投資から撤退しました。

資金30万円の場合のオススメの資金管理・損切の設定方法(案)は以下の通りです。

  1. 500円前後の銘柄を100株×6銘柄購入する。
  2. 各銘柄毎の損切幅は10%とし、10%下がれば、即、損切手仕舞いとする。
  3. 買い注文が成立すれば、即、逆指値注文を買値の10%に設定。

こうすれば、1銘柄毎(1取引ごと)の総資産に対するリスクは2%以内に収まります。
具体例は以下の通りです。

購入価格 株数       売買金額             損切-10%      損切価格             総資産に対するリスク

485         100         48,500          -48.5       437          -1.71%

325         100         32,500          -32.5       293          -1.14%

743         100         74,300          -74.3       669          -2.62%

515         100         51,500         -51.5       464          -1.81%

350         100         35,000         -35          315          -1.23%

421         100         42,100         -42.1       379          -1.48%

合計       283,900

もちろん、このパターンにおいても、日経平均株価が1,000円も急落するような場合においては、全ての銘柄が一斉に10%以上下落し、全ての銘柄が損切にヒットするリスクもあります。

ただし、少なくとも毎回、買い注文成立後に、即、逆指値注文を入れておけば、気が付けば、塩漬け株だらけで身動きが取れなくなったという事態は発生しなくなります。

ナンピン買いの戦略(案)

一般の個人投資家には損切の徹底をオススメしますが、それでも、どうしても銘柄を限定して、ナンピン買いをしたいという方もいると思います。

そういった方のためのナンピン買い戦略(案)を記します。

パナソニックのナンピン買い戦略(案)

パナソニックの2019年1月30日の終値は、1051.5円でした。
2017年の11月には1,800円をつけましたが、2018年は、ほぼ一環して下がり続けてきました。
そして、2018年12月25日の日経平均急落時には、918円を割り込みましたが、少し、戻してきて、1,051円となっています。

また、ここ5年間の最安値は、2016年につけた799円であり、そろそろ下げ止まってもおかしくないと感じているという想定で、以下のナンピン買い戦略を立てました。

1回目:1,000円で100株 指値買い
2回目:900円で200株 指値買い
3回目:800円で300株 指値買い
合計:600株 520,000円
平均購入予定価格:867円
損切価格:775円
最大損失予想額:(775円-867円)×600株=55,200円
総資産に対して、10.1%の損失。

ナンピン買いの場合、下がってくることを想定して、買いを入れます。

したがって、800円まで下がってくれば、600株購入できますが、850円までしか下がらなければ、300株だけの購入になります。

あるいは、現在値、1,051円からは下がらずにドンドン上昇トレンドに移行する可能性もあります。
この場合には、仕掛け自体を諦めます。

もちろん、損切に設定した775円を割り込むケースも考えられますので、その際は、逆指値注文を設定しておき、損切します。

どこまでも買い下がる方法もありますが、ドンドン損失が膨らむ可能性もありますので、オススメできません。

やはり、ナンピン買いと言えども、最終的には、逆指値注文を入れておく必要があります。