お金

最近、「どんなサラリーマンが30万円のコロナ給付金をもらえるか?」というニュースをよく見かけるようになりました。

しかし、まだ、「どんな個人事業主・フリーランスや中小企業経営者がコロナ給付金をもらえるか」という報道は多くありません。

申請方法等の詳細は4月末にならないと決まらないそうです。ただ、すでに、(案)は完成しつつあるとのことで、この記事では、その内容をまとめました。

持続化給付金とは

正式名称は、持続化給付金と言い、感染症拡大により、特に大きな影響を受ける事業者に対して、事業の継続を下支えし、再起の糧としていただくため、事業全般に広く使える給付金のこと。

対象者・対象企業

売上が前年同月比で50%以上減少した人、あるいは、法人。

資本金10億円以上の大企業を除き、中堅企業、中小企業、小規模事業者、フリーランスを含む個人事業者を広く対象とします。また、医療法人、農業法人、NPO法人、社会福祉法人など、会社以外の法人についても幅広く対象となります。

売上減少分の計算方法

受給資格は、売上が前年同月比で50%減少したこととありますが、その計算式は以下の通りです。

前年の総売上(事業収入)―(前年同月比▲50%月の売上げ×12ヶ月)

具体例を以下に上げます。

2019年度一年間の売上が480万円、平均1か月当たり40万円。
2020年3月度の売上が15万円まで激減。

この場合、売上減少分の計算方法は以下の通りとなります。

前年の総売上(480万円)-(15万円×12ヶ月)=300万円

売上が前年同月比で50%以上減少しているため、受給対象となります。

前年同月比▲50%月の対象期間はいつか?

2020年1月から2020年12月のうち、2019年の同月比で売上が50%以上減少したひと月について、申請者が選択。

したがって、たとえ3月度のみ売上が半減したが、4月から前年並みに復帰したようなケースでも申請可能です。

給付金の額

法人は200万円、個人事業者は100万円。

サラリーマンの一世帯当たり30万円に比べるとかなり大きな金額です。
※ただし、昨年1年間の売上からの減少分が上限です。

申請・給付の開始時期

申請開始時期

補正予算の成立後、1週間程度で申請受付を開始予定とのことで、およそ5月中旬頃になると言われています。

給付開始時期

電子申請の場合、申請後、2週間程度で給付予定。
したがって、うまくいけば、5月中旬に申請をして、5月末から6月初旬にかけて100万円~200万円の給付金が振り込まれる可能性があります。

具体的な申請のやり方は?

詳細については、経済産業省から4月末頃、発表になるとのことです。
少なくとも住所や銀行口座番号に加え、以下の書類や情報が必要のようです。

法人
① 法人番号
② 2019年の確定申告書類の控え
③ 収月の事業収入額を示した帳簿等

個人事業主
① 本人確認書類
② 2019年の確定申告書類の控え
③ 収月の事業収入額を示した帳簿等

※③については、法人、個人事業主ともに、様式は問わないとのことです。したがって、専用の会計ソフトを使っているならば、そのソフトからの出力。なければ、Excel等でも構わないでしょう。

申請方法について

Web上での申請を基本とし、必要に応じ、感染症対策を講じた上で完全予約制の申請支援(必要情報の入力等)を行う窓口を順次設置するとのことです。

個人事業主や中小企業経営者で条件に該当する人は、すぐに、申請できるように準備をされておくことをオススメします。

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コロナ融資を受ける方法とは?

100万円、200万円の給付金となれば、一般のサラリーマンにとっては大きな金額です。しかし、従業員の給料や店の家賃を支払う必要がある経営者にとっては、焼石に水の金額かもしれません。

こんな人のために融資についても低金利の特別な融資が用意されています。
給付金だけでは足りない人は融資を検討してはいかがでしょうか?
ここでは、コロナ関連で優遇措置のある融資を紹介します。

新型コロナウイルス感染症特別貸付 (日本政策金融公庫)

日本政策金融公庫が実施しているコロナ対策のための融資です。最初の3年間0.9%の金利引き下げを実施してくれます。また、元本返済の据置期間は最長5年猶予され、その間は金利部分だけを返済すればOKという融資です。

融資を受ける条件としては、以下の条件を満たしている必要がありますが、この時期ならば、ほとんどの企業が条件にあてはまるでしょう。

新型コロナウイルス感染症特別貸付の融資条件

① 直近1ヶ月の売上高が前年又は前々年の同期と比較して5%以上減少している
② 業歴3ヶ月以上1年1ヶ月未満の場合等は、最近1ヶ月の売上高が下記いずれかと比較して5%以上減少している

新型コロナウイルス感染症特別貸付の融資期間

融資の貸付期間は、設備資金が20年以内、運転資金は15年以内、そのうち据置期間は5年以内です。

新型コロナウイルス感染症特別貸付の金利

次に金利ですが、当初3年間は基準金利から0.9%を引き下げしてくれ、4年目以降に基準金利に戻ります。
金利は事業内容や貸付期間により変わりますが、基準金利が1.11%~1.65%。最初の3年間は、ここから0.9%引き下げられますので、0.21%~0.75%で借りられます。1,000万円借りても金利は2万円~7万5千円レベルです。

商工中金による危機対応融資

こちらも日本公庫とまったく同様の条件で、最初の3年間まで0.9%の金利引き下げ、据置期間は最長5年となります。

セーフティネット保証とは?

日本政策金融公庫などの政府系金融機関から借りる以外の方法として、セーフティネット保証を利用する方法があります。

セーフティネット保証(経営安定関連保証)とは、経営の安定に支障をきたしている個人企業主や中小企業経営者が市町村の認定を受けることで、最大2億8,000万円を利用できる保証制度です。

セーフティネット保証にはさらに4号と5号とに分かれており、4号は全国を対象地域として借入額の100%までを保証してくれる制度です。一方の5号は飲食店など影響を受けている業種のみで借入額の80%までを保証してくれる制度です。

セーフティネット保証4号

売上高が前年同月比で20%以上減少の場合に適用になります

セーフティネット保証5号

こちらは、特に重大な影響が総じている業種について、借入債務の80%を保証してくれる制度です。5号の認定要件としては売上高が前年同月比5%以上減少していることとなります。

セーフティネットの申請方法

まずは申請方法ですが、対象となる小規模事業者は、本店(個人事業主は主たる事業所)所在地の自治体(市区町村)に申請します。

市区町村担当部署で認可されれば、認定書が発行されます。

次に、融資実行の窓口となる民間の希望金融機関にセーフティネット4号5号融資の申し込みを行います。

信用保証協会により審査が行われ、保証の諾否を決定し、金融機関へ通知。
なお、審査に通らないケースもあります。

信用保証協会が保証承諾した場合、金融機関において所定の手続き後、保証付き融資が実行されます。

新型コロナウイルス感染症特別貸付やセーフティネットといった名称がついているくらいですから、多少は平常時よりも審査が通りやすくなっているようです。

資金繰りに苦しい個人事業主や中小企業経営者の方は、検討されることをオススメします。

また、持続化給付金は条件を満たしていれば、全ての人に給付されますので、今から準備しておきましょう。