マーク・ダグラスというアメリカの有名なトレードコーチがいます。

代表作は、「ゾーンー相場心理学入門」という本なのですが、これは、ひたすら「規律正しいトレーダーになるためには、どうすればいいのか」ということが書かれた本です。

超一流の野球選手は絶好調の時は、まるでボールが止まっているように見えると言います。

これが、ゾーンと言われる状態ですが、天才的なトレーダーも絶好調の場合は、チャートを見るだけで、相場が次にどう動くのかが分かるようになるということです。

ダグラス氏によれば、まず、システムトレーダーとして規律正しいトレードができるようになることが第一条件。

そして、システムトレーダーとして十分に経験を積んだ後、一部のトレーダーだけがゾーンに入れるようなレベルに到達できるということです。

ダグラス氏は、同じような本を、さらに、2冊出版されています。
「ゾーン 最終章」
「規律とトレーダー」

つまり、マーク・ダグラス氏によれば、勝てるトレードシステムを見つけるのは、それほど難しくない。難しいのは、そのルールを常に遵守できるようになることだと言っています。

実際、私もこれまで何度も「ようやく規律正しいトレードができるようになった」と思っても新しいトレードルールを作成し、実施するごとに、何度も失敗し、自己嫌悪に陥りました。

それから、これは、いつも不思議に思うことですが、ルールを守れなかった場合は、たいてい大損をする、あるいは、本来であれば、大勝していたはずの利益を見逃してしまうのです。

かなりスピリチュアル的な意見にはなりますが、恐怖に支配されてルールを守れなかった場合は、悪い事態が引き寄せてくるかのようです。

じゃあ、どんなときにルールが守れないのかと言えば、私の場合、圧倒的に多いのが二日酔いの時です。

二日酔いで相場が自分のポジションとは逆行してしまった時、訳もなく恐怖が押し寄せてきて、不用意に手仕舞ってしまう。あるいは、逆指値を動かしてしまう。

そして、結果的に大損してしまう。

そんなケースが何度もありました。

その他には、夫婦喧嘩をした時、他人に意地悪をした時などもルールが遵守できない傾向があるとのことです。

彼によれば、そういった時は、潜在意識レベルで自分を罰しようとする傾向がある。だから、無意識に損をする行動を取ってしまうのだということです。

それでは、どうすれば、規律正しいトレーダーになれるのか?

私が最近心がけていることは3つあります。

第一に、規律正しい生活を行うこと。

私の場合、お酒が好きで平日でも飲みすぎてしまうことが多いのですが、飲んでもほろ酔い加減でストップすれば、翌日に持ち越すことはありません。また、平日はできるだけ野菜中心の食生活を送ることで、すっきりと目覚めることができます。

第二に、毎日、必ずトレード記録をつけ、規律正しい売買ができた場合は、自分をほめること。

幼稚園児のようで恐縮ですが、規律正しい売買ができた場合は、トレード記録帳に二重丸をつけて、自分を褒めています。

ダグラス氏によれば、25回連続して規律正しい売買ができれば、一応、合格とのことです。

ただ、もちろん、25回だけではなく、初心者のうちは、数年間規律を守る必要があります。

第三に、毎朝、瞑想やアファメーションをして精神を安定させることです。

アファメーションとは、

「私は規律正しいトレーダーである」

といったポジティブな発言を何度も自分に言い聞かせることです。

さあ、今日も規律正しい生活を送り、プロらしい売買を心がけましょう。