成長株投資で儲けられる個人投資家が少ない。

いや、日本最大級のファンドでさえ、
なかなか利益が出せないということで、
最近、特に、注目が集まってきているのが
投資信託。

そのなかでも、
インデックスファンド
人気です。

インデックスファンドとは、
投資信託の一種なのですが、
世界の主要な株式や債券と
全く同じ値動きをするような
ポートフォリオを組まれた
投資信託のことです。

例えば、日経平均と完全に連動するような
ポートフォリオが組まれた
インデックスファンドならば、
日経平均が10%上がれば、
そのインデックスファンドも10%上がります。
逆に、日経平均が10%下がれば、
そのインデックスファンドも10%下がります。

諸外国の株式を見れば、
過去10年で年率平均5%以上値上がり
している株式市場もあります。

そういった世界中の株式や債券に
連動するようなファンド、
つまり投資信託を購入しておけば、
長期的には資産が少しずつ増加する
という投資方法です。

特に、毎月積み立て投資をし、
毎月の価格変動に一喜一憂しなければ、
10年後、20年後には大きなリターンを
期待できるというものです。

『アクティブファンドとは?』

一方、投資信託のなかでも
アクティブファンドと呼ばれるものが
あります。

各証券会社のファンドマネージャーが
知恵を絞って、成長株を見つけ出して
集中的に投資をするというものです。

ソフトバンクグループのビジョンファンドの
場合、主に、未上場株に投資していますが、
成長企業を見つけて投資する
という観点からすると、
やはりアクティブファンドと言えるでしょう。

超エリートのファンドマネージャーが
運用するのがアクティブファンドと
言われるものですから、
前述のインデックスファンドよりも
成績が良さそうなものです。

しかし、日本の大手投信評価会社である
モーニングスターの調査によれば、
過去20年間において
アクティブファンドのほうが
インデックスファンドよりも成績が良かった

年度は、

国内大型株式ファンドで40%(8年間)、
先進国株式ファンド10%(2年間)、
米国株式ファンド15%(3年間)、
新興国株式ファンド20%(4年間)

しかないということです。

つまり、ファンドのうち、20%程度しか、
市場平均の成績を超えられないのです。


この勝率ならば、無理をせずに、
世界中の株式や債券に分散投資をする
インデックスファンドのほうが
長期的には安全と言えるでしょう。

もちろん、アクティブファンドの中には、
通常のインデックスファンドよりも
成績がいいファンドもあります。

詳細は、モーニングスターのサイトを見れば、
過去の成績が確認できます。

「お金を寝かせて増やしなさい」
(フォレスト出版)の著者、
水瀬ケンイチ氏は個人投資家が
投資をするならば、
インデックスファンド一択と
おっしゃっています。

水瀬ケンイチ氏によれば、
インデックスファンドのメリットとして、
以下のようなものがあるということです。

・手間がかからない

・実は世界標準のスタンダードな投資法
(年金基金もかなりの比率で
インデックスファンドに投資されている)

・お金の基礎知識として日常生活に役に立つ

・つみたてNISAを利用すれば、
年間40万円まで非課税になる

NISAなら、各年に購入した投資信託を
保有している間に得た分配金と、
値上がりした後に売却
して得た利益(譲渡益)が購入した年から
数えて20年間、課税されません。


確かに、これならば、一般の個人投資家が
下手に考えて成長株投資をするよりも
いいかもしれません。

それでは、永年インデックスファンド投資を
実施してこられた水瀬ケンイチ氏の成績は
いかがでしょうか?

詳細は「お金を寝かせて増やしなさい」に
記載されていますが、内容を抜粋しますと、

2004年から本格的にインデックスファンド開始      +3%

2005年小泉郵政相場で絶好調               +26.4%

2007年 サブプライムショックの影響? -2.4%

2008年 ガーン! リーマンショック       -53.6%

2009年 V字回復                    +29.5%

2010年 ギリシャショック              -3.1%

2011年 東日本大震災                   -10.8%

2012年 アベノミクス                   +19.7%

この年でようやくリーマンショックの影響を

ぬぐいさって、ようやく元本を
回復したとのことです。

2013年 金融緩和策実施                 27.7%

2014年~2016年安定期

最終的に2017年までの15年間で
元本は150%に増加したとのことです。

しかし、年利換算(複利)で計算しますと、

年利3%程度です。
2022年までで考えても年利4%程度です。

確かに銀行に預けておいても金利は
ほとんどつきません。

また、成長株投資を実施しても損をする
個人投資家が90%以上と言われています。

それよりはインデックスファンドのほうが、
はるかにいいのですが、年率3~4%となると、
これから投資を始めようという人にとっては、
かなり微妙な数値と思われるかもしれません。

2004年から2016年にかけての
わずか十数年で
リーマンショック、
東大日本大震災と
数十年に一度と言われるような大事件が
発生していました。

この影響で株価が大暴落したため、
インデックスファンドの成績が
悪くなっているという人もいます。

だから、この期間、
インデックスファンドの成績が
あまり良くないのは、
たまたま運が悪かった、
という説があります。

果たして、それは、本当でしょうか?

数十年という超長期間で考えれば、
恐らくインデックスファンドでも
利益を出し続けられるでしょう。

しかし、もうひとつ見逃してならないのは、
大事件の発生頻度
最近短くなっていることです。

過去であれば、数十年に一度
と言われたような大事件が
ここ30年では頻発するように
なってきているのです。

代表例を挙げますと、

1995年 阪神大震災

2001年 アメリカ同時テロ多発事件
(通称、9.11)

2008年 リーマンショック

2011年 東日本大震災

2020年 コロナの為世界中でロックダウン

(2022年 安倍元首相殺害事件)

この30年足らずのうちに、日本、もしくは、
世界を震撼させるような大事件が
5回も起こっているのです。もちろん、
その都度、株価は大暴落します。

2022年の安倍元首相殺害事件も、
昔であれば、もっと大事件扱いされても
いいようなものです。

ケネディ大統領の暗殺事件などは、未だに、
報道されます。

しかし、5-6年に一度は
日本や世界の景気を一変させるような事件が
発生するため、安倍元首相殺害事件は
ほとんど株価にも影響を与えませんでした。

インデックスファンドを
否定しているわけではありません。


また、インデックスファンドを始めるならば、
「お金を寝かせて増やしなさい」
(フォレスト出版)は
非常に素晴らしい本です。

Amazonでも1,000個以上のレビューが
ついています。

ただ、インデックスファンドといえども
長期的には株価が右肩上がりすることを
前提にポートフォリオが組み込まれている
ため、世界をゆるがす大事件が発生する都度、
自分の資産も大きく減少します。

果たして、事件の都度、自分のファンドの
資産が30%~50%も下がってしまうような
状況でインデックスファンドを
数十年も継続できるでしょうか?

また、一点、著者の水瀬ケンイチ氏が
誤解している点があります。

著書のなかで、
「年率10%を超えるような投資法はない」と
言っている点です。

実は、世界をゆるがすような大事件が
あっても利益が出せる投資法、
いや、むしろ、そんな時期こそ、
大きな利益を出せる投資法があります。

それが、

トレンドフォロー型売買

と呼ばれる投資法です。