この記事では、証券会社に口座を開いた後、実際に株を買うまでの流れを説明しています。
これから株を買う人が証券会社に口座を開いた後、実際に株を買うまでの流れは次の通りです。
株を買うまでの流れ
Contents
口座にお金を振り込む
証券会社に口座を開いたら、まず、自分の口座にお金を振り込みます。
多くの銀行では、証券会社への振り込みに関しては、振込手数料無料、かつ、即時振込可能になっております。もし、振込手数料が発生するようであれば、手数料が無料のネット銀行の口座をこの機会に作っておいてもいいでしょう。
現物取引の場合は、口座に入っている限度額までしか株を購入できません。自分の資産のうち、いくら位を株式投資に回すのかを考えてお金を振り込みましょう。
なお、投資に回す資金は、必ず使い道の決まっていない余裕資金を使いましょう。
子どもの教育資金や住宅購入用資金などを株式投資に使ってしまうとストレスが大きくなり、正常な判断ができなくなります。
また、余裕資金が多い人でも、最初はできるだけ少ない資金で株式投資をスタートさせましょう。例えば、100,000円でスタートして、一年後に120,000円に資金を増やせるようになれば、1,000,000円の資金を運用すれば、1,200,000円に資金を増やせるようになります。
一方、100,000円でスタートして、一年後に80,000円にしてしまうようであれば、資金が大きくなればなるほど損失が大きくなってしまいます。
株式投資の目的は長期的に資産を増やしていくことです。まずは、少ない資金からスタートし、資金を増やすことよりも投資に上達することを目指しましょう。
買う株を選ぶ
本来ならば、自分の投資スタイルを決め、そのスタイルに合った銘柄選びをすることが理想的です。
例えば、ウォーレン・バフェット氏のような10年以上に渡って株を保有するならば、今後、10年間に渡って成長が見込める株を購入すべきです。
企業の業績よりもチャートを重視したテクニカル分析に基づき投資を行うのであれば、成長株よりも、大手ゼネコンのような成熟した業界の株のほうが値動きが安定しています。
このように、自分の投資スタイルを決めてから、投資スタイルに合った銘柄を選ぶことが理想です。
ただし、初心者が最初から自分の投資スタイルを確立させることは難しいため、以下のようなポイントに注意して銘柄を選ぶことをオススメします。
初心者のための銘柄の選び方
来期の業績予想が20%~30%伸びる銘柄
会社四季報を購入すれば上場全銘柄の来期の業績予想が掲載されています。
このなかで、業績予想が20%~30%以上伸びている会社であれば、会社の株価も上昇することが期待できます。
ただし、そのニュースを既に織り込んで株価が急伸している場合もありますので、チャートを見て、現在の株価の水準を確かめることが大切です。
東証一部上場銘柄
JASDAQなどの新興市場銘柄は来期の業績予想が30%以上伸びるとなっていたとしても、業績予想が大幅に外れ、逆に、業績が急降下するケースもあります。
東証一部上場企業は 、新興市場や2部の株に比べれば、ずっと業績が安定しています。
初心者のうちは東証一部上場の会社に絞って売買しましょう。
買うタイミングを考える
ほとんどの株の教科書では、銘柄の選定ばかりに焦点が当てられています。しかし、実は、銘柄選びよりも大切なのが、株を買うタイミングなのです。
例えば、日本で一番大きな会社と言えば、トヨタ自動車です。
値動きも非常に安定しています。しかし、トヨタ自動車の株価でさえ、2019年の株価は最高値7,949円、最低値6,161円と3割ほどの高低差があります。
一年のなかで、何回も「安いところで買って、高いところで売る」を繰り返せば、20%から30%程度の利回りが取れる可能性があります。
実際、昔の日本の相場師の中には数銘柄に売買を限定し、その売買だけで生計を立てていた人が数多くいたそうです。
買う銘柄を決めた後は、どのタイミングで購入するのかを事前に決めておきましょう。
例えば、以下のようなルールです。
高値から10%以上下げた後、10日移動平均線を超えてくれば買い。
つまり、株価が下げてきた後、次に上昇トレンドに入ったタイミングで購入するといったパターンです。
もちろん、常に、利益が出せるわけではないのですが、こうすれば、株式投資の鉄則である「安いところで買って、高いところで売る」という勝利のパターンに少しでも近づきます。
買い注文を出す
買い注文を出すにあたっては、いくつかの専門用語を理解しておくことが必要です。
筆者がメインで利用しているGMOクリック証券を例にとって、買い注文の出し方を説明します。
買いたい銘柄を検索
銘柄コード/銘柄名の欄に買いたい銘柄のコード、もしくは、銘柄名(会社名)を入力し、検索ボタンをクリック。
例:トヨタ自動車の場合
銘柄コード“7203”、もしくは、“トヨタ”と入力し、検索ボタンをクリック。
トヨタの現在値等が表示される。
注文条件の指定
右側が注文条件の指定エリアです。
取引区分から「現物」を選択
「制度信用」「一般信用」を選んだ場合は、口座に振り込んだお金の約3倍の売買が可能となります。しかし、まず、「現物」で十分な利益が出せるようになってから、「信用」に進みましょう。
注文タイプ
「通常」を選択。
初心者のうちは、まず、「通常」だけに限定しましょう。
逆指値とは、株価が〇〇円以上になれば、買い注文を出すといった場合の注文方法です。
たとえば、トヨタの株価が現在6,700円。6,900円を超えてくれば、一気に7,000円台に駆け上がるといった見込みがある場合に利用する注文方法です。
この場合、株価が6,900円以上になれば、100株成行で買い注文
といった具合に利用します。
しかし、これもチャートが十分に活用できるようになってからの注文方法ですので、まずは、「通常」注文だけを使いましょう。
売買区分
買い注文なので、「買」を指定します。
取引数量
ほとんどのケースで最低取引数量は100株です。
まずは、100株から売買を開始しましょう。
ただし、100株でも3,000円の株ならば、最低、100株×3,000円=300,000円の資金が必要です。
まだ、資金が数万円しかない場合は、1株から始められるミニ株からスタートしましょう。LINE証券なら1株から株式投資ができますので、1万円もあれば、十分に株式投資がスタートできます。詳細はコチラの記事を参照してください。
指値/成行とは?
指値注文とは買い注文6,700円といった具合に価格を指定(指値と呼ぶ)して注文を出す方法です。
成行注文とは価格を指定せずに発注する方式です。
市場では成行注文から優先的に処理されます。
指値を活用して、できるだけ安く買えればいいのですが、価格を指定すると、相場の勢いが強い時などは買おうと思っていたのに買えない、といったことが発生します。
初心者のうちは、何円で指値をするのがいいのか、判断もつきません。まずは、成行注文に限定しましょう。
執行区分とは?
寄付とは?
日本の株式市場は平日の「朝9時から11時30分まで」(前場)と、「12時30分から15時まで」(後場)となっています。寄付とは、前場と後場それぞれで最初に成立した取引のことをいいます。
引けとは?
寄付の反対で、前場と後場それぞれで最後に成立した取引のことをいいます。
執行区分なし
執行区分なしの場合は、執行区分以外の条件が優先されます。
例えば、「指値注文6,700円」で「トヨタ自動車」「100株」の「買い注文」を「執行区分なし」で発注した場合、価格が6700円になれば、買い注文が成立します。
有効期限
注文の有効期限を当日中か、週末までか、指定の期日までかを指定します。
初心者にオススメの注文パターン
上記の条件を組み合わせれば、様々なパターンの注文ができます。
しかし、初心者の場合は、最もシンプルな注文方法を採用していきましょう。
- 現物
- 通常
- 成行
- 寄付
- 当日
一般の会社員であれば、帰宅後、チャート等を見て、買い注文を出すかどうか判断します。“買い”と判断すれば、前日の夜のうちに買い注文を入れておきます。
東証一部上場銘柄であれば、上記の条件で買い注文を入れておけば、 ほとんどの場合、 翌朝の9時過ぎに売買が成立します。売買が成立することを約定と呼びます。
会社から帰宅後に何円で約定したかを確認します。
取引時間中にスマホで約定履歴を確認することもできます。しかし、それをすると、仕事中も株の値動きが気になってしまいます。株価は、帰宅後に確認すれば十分です。
まずは、口座を開設して、株式投資の準備を始めましょう。