株式投資をはじめるには、まず、証券会社に口座を開設する必要があります。
しかし、最近では、証券会社各社がそれぞれ独自のサービスを展開しているため、どの証券会社にするか迷われる方も多いと思います。
ここでは、複数の証券会社に口座を開設するメリットとデメリットについて書いています。
複数口座を持つメリット
Contents
自分の投資スタイルに合った手数料が最も安い証券会社を選べる
年に数回、1回の投資金額が十万円程度であれば、どのネット証券会社を選んでも、手数料の差額は数十円~数百円程度です。
しかし、売買頻度や売買金額が多くなると、手数料だけでも月額数万円の差になるケースがあります。
1日の約定金額が10万円までなら無料の松井証券
例えば、
松井証券では、1日の約定金額が10万円までなら取引手数料が無料です。
これからデイトレをやろうという人にとっては最適なサービスです。
ただし、同じ松井証券であっても、取引金額が大きくなって、毎日300万円以上取引されるならば、手数料は片道4,000円にもなってしまいます。
一ケ月定額手数料の岩井コスモ証券
これが、岩井コスモ証券のマンスリープランを選べば、約定金額に関わらず、月間50回までの売買が月額10,800円の固定となります(1回の上限額5,000万円)。
もし、毎日2回、月間40回売買したとすれば、1回当たりの手数料はたったの270円になります。
また、デイトレでその日中に決済が完了するならば、岩井コスモ証券の場合、取引手数料が0円、さらに1約定の建玉金額が200万円以上の場合は、買方金利・貸株料も0%です。
1回当たり手数料最安のライブスター証券
一方、1回当たりの約定金額は10万円を超えるけれども、それほど頻繁に売買するのでなければ、ライブスター証券がオススメです。
売買手数料は約定金額によって異なりますが、ライブスター証券の場合、どの金額レベルでも最安値となっています。
日経225先物ならば、日産証券がオススメ
株式だけではなく、日経225先物も実施されるならば、日産証券がオススメです。ラージで230円。ミニでも33円となっています。
しかもラージの場合、日中だけ、夜間だけのデイトレならば、さらに手数料は安くなり、ラージで200円となっています。
使いやすいツールを選べる
証券会社の選定にあたっては、どんなツールが利用できるかも大きなポイントです。
非常に多機能なツールとしては楽天証券のマーケットスピードやSBI証券のHYPER SBIがあります。
楽天証券・SBI証券のどちらも現物口座だけでなく、信用口座も開設すれば、利用料が無料となりますので、これらの証券会社での口座開設もぜひオススメします。
システムトラブルに対応できる
2018年はソフトバンクに障害があり、1日近くスマホがつながらない事態が発生しました。
サーバーに異常が発生したとのことですが、同じようなトラブルが、いつ、どの証券会社で発生しても不思議ではありません。
今回は1日で復旧しましたが、数日かかるケースも想定しておいたほうがいいでしょう。
特に、資金量の多い方は、2つ以上の口座を持ち、万が一の事態に備えられるようにしましょう。
IPOに当選するチャンスも増えます
IPO(新規公開)に当選し、初値で売れば、かなり高い確率で利益が出ると言われています。
このため、IPOの取り扱いが多いとされているSBI証券、SMBC日興証券、マネックス証券、大和証券、カブドットコム証券、岡三オンライン証券などに口座を開いておけば、IPOに当選するチャンスもその分大きくなります。
複数口座を持つデメリット
ただし、もちろんデメリットもあります。
税金を払いすぎになる場合がある(損益通算が使えない)
多くの方が特定口座の源泉徴収ありを使っておられると思います。
口座がひとつの場合は、証券会社が全て税金の計算から納税までを行ってくれますから問題ありません。
しかし、口座が2つ以上の場合は、自分で確定申告をしなければ、税金の払い過ぎになるケースがあります。
例:(どちらも特定口座、源泉徴収ありの場合)
証券会社A 2018年度 100万円の利益 → 20万円納税
証券会社B 2018年度 100万円の損失
上記のように口座が二つあり、一方の口座では百万円の利益が出ましたが、もう一方では百万円のマイナスになり、トータルでは損益ゼロだったとします。
しかし、この場合、源泉徴収ありを選択していると、証券会社Aの口座からは自動的に20万円の税金が払われてしまいます。
確定申告をすれば、税金は戻ってきますが、証券口座をひとつにしておけば、こういった煩わしさはありません。
資金を分散させる必要がある
例えば、株式は松井証券、日経225先物は日産証券といったように使い分ける場合、資金を分散させる必要があります。
どの証券会社も入金についてはネット銀行からの即時入金がOKなケースが多いのですが、出金に関しては、申し込んだ翌営業日になることがほとんどです。
したがって、取引終了後、ある株の絶好の買い場を見つけたとしても、翌朝の寄付前に資金移動させることはできません。
ひとつの証券会社を利用している場合に比べて、若干の不便さは残ることとなります。
資金管理の手間が面倒
同様に、確定申告の際など、2つの証券会社の損益を合算する必要がありますので、管理の手間は増えます。
まとめ
複数の証券口座を利用すると、資金管理の面などで多少の不便さは残りますが、手数料の安さやシステムトラブルの際のバックアップなど、それを上回るメリットがあります。
特に、資金量が数百万円以上ある方は、万一に備えて複数の口座をいつでも使える状態にしておきましょう。