これから株やFX、投資信託などの投資をはじめようという人、あるいは、始めたばかりの人は、自分のことを初心者だと思っていると思います。
スポーツやどんな習い事でもそうですが、何か新しいことに挑戦するときは誰でも初心者です。
最初から上手にできません。
ただし、正しい方法で練習を重ねていけば、誰でも一定のレベルまでは、次第に上達できます。
投資においても、初心者の頃から正しい方法で練習を重ねていけば、次第に資産が増えていきます。
しかし、投資の世界においては、間違いだらけの考え方が多く、
永遠に初心者のままで、損をし続ける投資家が多いのです。
間違いだらけの投資のはじめ方
間違い1 初心者は安全な投資信託から始めるべき
初心者はプロのファンドマネージャーが運営する投資信託から始めるべきという説があります。
しかし、この考え方には以下の大きな問題があります。
日経平均が大きく下げるときは、ほぼ全ての投資信託も大きく下げる
2018年4月頃、日経平均は上昇トレンドにあり、多くの資金が投資信託に流れ込んでいました。
しかし、その後、2018年10月に高値をつけ、12月には急落してしまいました。
この結果、多くの投資信託が4月から12月までの9カ月間で20%程度も下落してしまいました。
つまり、投資信託だから安全だ、というわけではありません。
もちろん、投資信託は長期投資が大前提であり、20年以上保有するつもりで購入するのが原則だとする説もあります。
投資信託で運用していては、永遠に初心者のまま
しかし、20年以上保有しないとその成果が分からないのでは、投資は永遠に初心者のままだと思いませんか。
まして、投資信託の場合、ファンドマネージャーが、
どういった考えで
どんな銘柄を
いつ
何株買ったのか
売買の都度、説明してくれるわけではありません。
間違い2 専門知識がなくても始められる
確かに、損をしても良ければ、専門知識がなくても始められます。
また、永遠に初心者のままでいいのならば、専門知識は不要です。
しかも、投資の世界では、長期的には95%の人が損をすると言われています。
せっかく投資を始めるならば、次第に上達して自分の資産を少しずつ増やしていきたいものです。
もし、そうであれば、間違いだらけの考え方から卒業して、必要な専門知識を習得し、利益の出る可能性の高い方法をマスターして、勝ち組5%に入る必要があります。
間違い3 証券会社のセールスマンは株のプロである
専門知識がないからと言って、証券会社のセールスマンが勧める株をそのまま鵜呑みにして買う人がいます。
このやり方では、仮に一時的に儲かったとしても、永遠に初心者のままです。
もし、そのセールスマンが株の天才であれば、その人はセールスマンではなく、ファンドマネージャーか、自分で独立して個人投資家になっているはず、と思われませんか?
間違い4 FXや先物取引は初心者が絶対に手を出してはいけない
これは、ある意味正解なのですが、しっかりとした資金管理や損切ができれば、むしろFXや先物取引のほうが株よりも安全なのです。
例えば、株の場合、夜中にニューヨークダウが急落してしまい、翌朝も大きく下げて始まってしまった。翌朝、すぐに、売ったが、10%近く下がってしまったというケースがしばしばあります。
日本株の場合であれば、取引時間が9時から15時までなので、こういった事態は避けられません。
しかし、FXや日経平均先物であれば、夜中も市場が開いていますので、例えば、2%下がったら、自動で損切注文を出すという逆指値注文をセットしておけば、損失は2%に限定できるのです。
もちろん、適切な資金管理を行うという大前提はありますが、初心者だから大損をするというわけではありません。必要な知識を学習して、適切な資金管理をすれば、予めリスクは限定できます。
間違い5 上がる銘柄を選ぶことが最も大切?
もちろん、明日、急騰する銘柄が分かれば一番いいのですが、神様でもない限り、そんなことはできません。
投資で継続的に利益を出そうとすれば、銘柄選びよりも、さらに、重要なのが株を買ったり、売ったりするタイミングなのです。
成績の最も良いと言われる投資信託であっても、平均年利10%を超えるような投資信託は、ほとんどありません。
一方、日本で最も時価総額の高く、あまり値動きがないと思われているトヨタ自動車でも、2018年の高値は7,806円、安値は6,045円と25%もの値動きがあるのです。
もちろん、最高値で売って、最安値で買うといったことはできませんが、25%の値動きの半分でも取れれば、年率10%以上の利益になります。
そうすると、
銘柄を限定して、安いところで買い、高いところで売る
という技術をマスターすれば、
投資信託を買うよりも、はるかに高い利益を得ることができるようになるのです。
初心者が最初の投資をするときの注意点
こうして見てくると、たとえ初心者であっても、最初から
上達の可能性がある正しい方法
で投資を続ける重要性が分かってこられたと思います。
FXや日経平均先物でもいいのですが、やはり最初の投資先としては少々敷居が高いかもしれません。まずは、ごくごく少ない金額で株式投資からスタートすることをお勧めします。
最初の投資先をする際の大切な3つのポイントを以下に記します。
少ない金額で始めること
株の場合は、まとまった金額が必要と思われるかもしれません。
しかし、みずほファイナンシャルグループの株価はたったの178.5円(2019/1/24)です。
100株単位での売買なので、20,000円もあれば購入できます。
売り買いどちらからでも売買ができる銘柄を選ぶこと
日経平均が急落する場合、ほとんどの株が下がります。
下げ相場では空売りもできる銘柄を選択することをお勧めします。
これにより、上げ相場でも下げ相場でも利益を上げられるようになります。
資金目いっぱい売買しないこと
まず、最初の目的は投資に上達することです。
投資に上達さえすれば、資産は右肩上がりでどんどん増えるようになります。
したがって、最初は、ごくごく少ない資金で練習しましょう。
例えば、余裕資金が1,000万円ある人でも、最初は100万円から。
資金が数十万円しかなければ、数万円で買える株を探して売買しましょう。
さあ、投資を始めよう
投資スタイルを決める
さて、株式投資と一口に言っても様々なスタイルがあります。
自分に合ったやり方を見つけることが大切です。
大きく分けると以下のようなやり方があります。
- ファンダメンタル分析、または、テクニカル分析?
- 裁量トレード、または、システムトレード
どのやり方でも、自分に合ったやり方を見つけることができれば儲かるようになります。
以下に、それぞれの特徴とメリット・デメリットを記します。
ファンダメンタル分析か?テクニカル分析か?
ファンダメンタル分析とは?
ファンダメンタル分析とは、企業の業績や市場動向、将来性を分析し、どの株を買うかを決定する方法です。
大手証券会社に勤務するファンドマネージャーは、ほぼ、この方法を採用しています。
また、世界一の投資家として有名なウォーレン・バフェット氏は徹底して、このやり方を採用されています。
メリットとしては、企業業績は長期的には株価に反映するということです。
ただ、この長期がどのくらいの期間かということですが、アメリカの研究では8年間持続すれば、効果があったという報告がありました。
つまり、いくらいい会社だとしても、あまりにも株価が高くなりすぎてしまったところで買った場合、数年間、場合によっては8年間も塩漬けで持っていなくてはならない可能性があります。
職業柄、公認会計士や税理士で株式投資をしている方は、このファンダメンタル分析を採用されることが多いようです。
テクニカル分析とは?
もう一方のテクニカル分析は、株価の値動きによって、どの株を、いつ買うかを判断する方法です。
有名な方法としては、
「10日移動平均線が26日移動平均線を上抜いてきたら買う」
「過去20日間の高値を抜いたら買う」
といった方法です。
メリットとしては、ファンダメンタル分析とは違い、短期間で結果が出ます。ただ、デメリットとしては、過去の経験則が、将来も有効かどうか分からない点です。
こちらは職業柄、プログラマーで株式投資をしている方は、テクニカル分析を採用されることが多いようです。
裁量トレードか?システムトレードか?
もうひとつの分け方として、裁量トレードか?システムトレードか?という分け方があります。
裁量トレードとは?
裁量トレードとは、自分の経験や判断に基づいて、どの株を、いつ、どれくらい買うかを決めるやり方。このやり方で儲かれば、気分的にも一番いいのですが、長年の経験、もしくは、天性の才能が要求されます。
システムトレードとは?
システムトレードとは、あらかじめ売買ルールを決めておき、そのルールに基づいて、株を買うという方法です。
一般的には、コンピュータに売買指示を表示させるようなトレード(売買方法)をシステムトレードと呼ぶことが多いです。
したがって、この場合、ある程度の投資の経験とパソコンの知識が必要です。
ただ、「会社四季報の最新号を見て、来期の経常利益率が30%以上の株を買う」といったルールでも、忠実に売買ルールに基づいて、売買するならシステムトレードと言えます。
また、投資やプログラミングの経験がない方でも、市販されている売買ソフトを使って、システムトレードをするという方法もあります。
ある程度、資金がある方ならば、市販ソフトの購入を検討してもいいでしょう。
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初心者にとってオススメな株式投資の方法は?
さて、ファンダメンタル分析とテクニカル分析、裁量トレードとシステムトレードを組み合わせると以下の4パターンの投資方法が出来上がります。
- ファンダメンタル分析 + 裁量トレード
- ファンダメンタル分析 + システムトレード
- テクニカル分析 + 裁量トレード
- テクニカル分析 + システムトレード
この中で私が投資初心者にオススメするのは、
ファンダメンタル分析+システムトレードです。
初心者にとっては、ファンダメンタル分析 + システムトレードが最適な3つの理由
財務諸表の読み方や経営分析の学習ができる
まず、ファンダメンタル分析は長期投資をする際には有効とされています。
したがって、財務諸表の読み方や経営分析の学習をすることは長期的には必ず役立ちます。
世界一の投資家と言われるウォーレン・バフェット氏の銘柄選択術を学習し、そのまま実践すれば、その方法だけでも長期的には大きな利益を上げられる可能性があります。
オススメ書籍
私は、この本のやり方で2018年一年間で2倍になる株を見つけることができました。
さすが、世界一の投資家とされるバフェット氏の本です。
感情に振り回されずに、冷静な売買ができる
昔から、
「投資で失敗する最大の原因は恐怖や欲に支配されること」
と言われています。
確かに、私の経験でも、
必ず上がる
と思って冷静な判断を欠いて、飛びつき買いをしたときは、
ほとんどのケースで損になっています。
それが、システムトレードならば、事前に売買ルールを決めておきますので、感情に支配されそうになっても、グッと我慢ができるのです。
ファンダメンタル分析とシステムトレードを組み合わせることで勝率アップが期待できる
ファンダメンタル分析によって選択した良い会社の株は長期的には上昇することが期待できます。
ただし、あなたが株を買うタイミングが悪ければ、買った直後から3割も下げてしまうケースは良くあるのです。
しかし、システムトレードを組み合わせ、適切なタイミングで買うことができれば、こういった事態も避けることができるようになります。
初心者にとって、最適な株の買い方は?
証券会社に口座開設を開設しよう。
まずは、証券会社に口座を開設しましょう。
ネット証券会社なら、他の金融商品の勧誘もなく、安心して自分の判断に基づいて、自分のペースで売買ができます。
現在、私が利用しているのは、GMOクリック証券です。
各種投資ツールも見やすく、かつ、手数料も業界最低水準です。
口座を開設すると、すぐに、勧誘の電話が来て、すぐに、売買をしなければならないと思われるかもしれませんが、GMOクリック証券では、全くそんなことはありませんでした。
私の場合、システムトレードで自分が納得できるルールが完成してから売買を始めようと思っていました。
ですから、毎日、GMOクリック証券にログインして、毎日、チャートを眺めていたのですが、実際に売買を開始したのは、口座を作ってから半年以上経ってからです。
その間、全く無料でツールを使わせてもらったこととなります(汗)。
チャートを確認しよう
最近では、多くの証券会社がチャートに代表される様々な投資ツールを提供しています。
まずは、口座を開設して、自分の好きな会社の株価の動き(チャート)を見てみましょう。
チャートの見方に詳しくなくても、ここ1年で、どんな動きをしているかということが分かれば、十分です。
例えば、
「ここ一年間で見ると、まだ、下降トレンドだな」
「1カ月間では上昇トレンドだが、保ちあいに入ってきたかもしれない」
「日足では上昇トレンドだと思ったが、週足では、まだ、下降トレンドだ」
といったことが、おぼろげながら見えてきます。
購入銘柄を選ぼう
さて、それでは、購入銘柄を選びましょう。
何事においても上達しようとすれば、練習が必要です。まずは、1銘柄、売買する銘柄を選びましょう。
選ぶポイントとしては、次の二つ。
- チャートを見て、比較的トレンドがはっきりしている株
- 会社四季報の最新版を購入し、来期の業績予想が今期よりも上昇している株(少なくとも赤字が続いている会社や来期の業績が大幅ダウンしている会社を選んではいけません)
株を買うタイミングを探ろう
さて、購入予定銘柄を選んだら、後は、株を買うだけになります。
いつ買うの?
今でしょ
「ブー」
これは最悪の買い方です。
口座を開設し、会社四季報を読み、チャートを見て、いい銘柄が見つかったら、すぐに株を買いたくなります。
しかし、これは、最悪の買い方です。こんな買い方では、いつまで経っても上達しません。
最初は、買いから入ることが多いと思います。
チャートを見て、一旦、下がってきて、次に上がりだしたタイミングで買うのです。
もちろん、そこから下がるケースもあります。
そんな時は、すぐに、損切して、次のチャンスを待つのです。
こうすれば、買った直後から下がりだして、気がつけば、20%以上も下がっていた、なんていう事態を避けられます。
サラリーマンの方で、普段は忙しくて、毎日株価をチェックできないのであれば、週末に株価をチェックするだけでも十分です。
そして、週末に判断して、月曜日の朝に注文を入れる。
これだけでも上達すれば、十分に利益が出るようになります。
注文が成立すれば、すぐに、損切注文も入れる。
注文が成立したら、すぐに、逆指値注文も入れましょう。
過去の値動きの幅から判断して、例えば、3%値下がりすれば、売り注文が自動で出るように設定するのです。
損切の幅を何パーセントにすべきかは、銘柄によって変わりますので、過去の値動きから判断しましょう。
例えば、損切の幅を3%に設定すれば、たとえ、5連敗しても損失は15%程度に収まります。
仮に、勝率を50%とすれば、5連敗する確率は、たったの3%です。
投資信託や証券会社のセールスマンの言いなりになって、気がついたら、株が20%も下がっていた。
そんなケースよりも自分で銘柄と売買タイミングを選択して、売買したほうが、はるかに投資に上達すると思われませんか?
こうして売買を繰り返し、初心者から中級者、上級者へと上達していきましょう。