システムトレードにおいても分散投資は重要である。

ケースバイケースだとは思うが、分散投資を行うことで、リターンは、それほど変化させず、ドローダウンを大幅に減らすことができる。

例えば、期待利益率が15%以上の複数の売買システムを用意する。

最も期待利益率の高いシステムを使いたくなるところだが、その売買システムが、今後とも最も高い利益率を出してくれる保証はない。

このため、資金を分散化させ、リスクの低減を図る

資金の配分方法については、ATRを使う方法、ボラティリティを使う方法など、様々な方法があると思われ、恐らくこれによっても大きく投資効率は変化すると思われるが、今回は、まず、均等配分で計算を行った。

つまり、投資資金が500万円あり、売買システムが5つあるならば、それぞれに100万円の投資資金を割り当てる方法である。

ただ、均等配分の場合でも、以下の2つの方法がある。

案1 最初に資金を均等配分した後は、資金は売買ルール事に動かさない。

例えば、投資資金が500万円。売買システムが5つあったとしよう。そして、最初に、それぞれのシステムに資金を各100万円割り当てる。

その後は、売買システム間で資金移動をさせない。

案2 売買都度、総資金を計算し、その都度、1/5の資金をそれぞれの売買システムで利用する。

後者のほうが、ドローダウンは少なくなるように思えたので、筆者が現在利用しているシステム5つを使って検証してみた。

結果は以下の通り。

案1
総資金500万円 → 7年後 4845万円
最大ドローダウン -27.74%

案2
総資金500万円 → 7年後 4740万円
最大ドローダウン -12.81%

上記の通り、資金の伸びは若干減少したもののドローダウンは27%から12%と半減した。

これならば、売買都度、資金を見直す方式のほうが安心して売買を継続できるであろう。 今回、売買システム5つを使った方法での分散化を検討したが、さらに、売買システムを増やせば、もっとドローダウンを減らせると思われる。