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自分の投資成績の評価指標は計算しているでしょうか?

筆者は投資を始めた頃、常に勝てる投資を目指していました。しかし、そんな投資方法があるはずもなく、いつも負けていました。

また、負けると売買記録をつけるのも嫌になり、規律のない投資を繰り返していました。

一方、成功している投資家であっても、トレンドフォロー型売買であれば、勝率は30~40%と言われています。

つまり、勝率が低くても、期待値がプラスになるような売買ルールを構築し、その売買ルールを遵守できるようになれば、継続的に資産を増やしていくことができるようになります。

この記事では、個人投資家でもExcelで簡単に計算できる評価指標を説明しています。

投資の評価指標について

この記事では、高度なプログラミングや高等数学を使わなくても一般個人投資家に簡単に利用できる投資の評価指標を説明します。

勝率

利益になったトレードの確率です。以下の計算式で算出します。

勝率=利益になった回数÷総トレード回数

当然、総トレード回数は多いほうが望ましいです。

ただ、一般の個人投資家で、株式のスイングトレードをしている場合には、どうしても売買回数が限られてしまいます。

売買回数を増やすためには、最初は、LINE証券やSBIネオモバイル証券のミニ株で1株で売買をスタートすることをオススメします。

LINE証券
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売買候補銘柄を10~20個程度用意しておき、毎月1回程度売買することができれば、半年間で50~100回程度の売買ができます。

例えば、5,000円の株であっても1株しか売買しないならば、20銘柄購入しても投入資金は10万円で済みます。そして、半年ほど売買すれば、50回~100回の売買データが集まります。

10万円の資金を11万円、12万円と増やすことができるようになれば、100万円の資金を110万円に、1,000万円の資金を1,100万円にと増やすことができるようになります。

自分の売買スタイルが確立されないうちに、大きな資金を投入することはオススメできません。

平均損益

1トレードあたりの平均利益、または、平均損失です。以下の計算式で算出します。

平均利益=勝ち金額合計÷勝ったトレード回数
平均損失=負け金額合計÷負けたトレード回数

ペイオフレシオ

トレード1回当たりの平均利益が、トレード1回当たりの平均損失よりも、どれくらい大きいかの指標です。以下の計算式で算出します。

ペイオフレシオ = 勝ちトレードの平均利益額 ÷ 負けトレードの平均損失額

一般的にトレンドフォロー型売買では勝率は低いもののペイオフレシオが高くなり、カウンタートレード型売買では勝率は高いもののペイオフレシオは低くなるとされています。

プロフィットファクター

プロフィットファクターとは、トータル利益とトータル損失の割合です。以下の計算式で算出します。

プロフィットファクター=トータル利益÷トータル損失

1以下になってしまうようであれば、損失になっていますので、その売買ルールで、売買してはいけません。

累積損益

一定期間における損益の合計です。最終的に累積損益が毎年継続的に増加していくことを目指します。

期待値

トレードにおける期待値とは「トレードを繰り返し行った時、その結果として得られるトレード1回当たりの平均損益値」のことです。以下の計算式で算出します。

期待値=トレード1回当たりの平均利益×勝率-トレード1回当たりの平均損失×(1-勝率)

例えば、期待値が3,000円/回ならば、トレードをする毎に3,000円の利益が期待できます。

期待値に年間のトレード回数をかければ、年間期待利益や年間期待利回りを算出することができます。

最大ドローダウン

資産がピーク時から、どれだけ落ち込んだかの金額、もしくは、割合を示します。以下の計算式で算出します。

最大ドローダウン=ピーク時資産額-最も資産が減少した時の資産額

例えば、投資初心者の二人が100万から投資を開始し、一年後に二人とも150万円になったとします。

しかし、Aさんは一旦、資金が50万円まで落ち込みました。その後、急回復し、150万円を達成。一方、Bさんは資金の減少は85万円までに抑え、その後、ゆるやかに資産を増加させて150万円を達成しました。

Aさんの場合の最大ドローダウンは50万円、割合にして、50%です。資金が50%も減少すれば、投資が嫌になって市場から撤退する人も多いでしょう。

一方、Bさんのドローダウンは15万円、割合にして15%です。Bさんの投資スタイルのほうが安定しており、心理的にも運用しやすいです。できるだけドローダウンの少ない売買ルール作りを心がけましょう。

Excelを使った投資指標の計算方法

上記指標を算出するために便利なExcelの関数を紹介します。

Countif関数

ある範囲の条件を満たすデータの個数を返します。

勝ち回数を算出するCountIf
=COUNTIF(範囲開始セル:範囲終了セル,”>0″)

負け回数を算出するCountIf
=COUNTIF(範囲開始セル:範囲終了セル,”<0″)

Sumif関数

ある範囲の条件を満たすデータの集計を返します。

勝ち金額合計を算出するSumif
=SUMIF(範囲開始セル:範囲終了セル,”>0″)

負け金額合計を算出するSumif
=SUMIF(範囲開始セル:範囲終了セル,”<0″)

ドローダウンの算出方法

ドローダウンを算出するには3列を使います。

まず、最初の列(下の図ではC列)で累計損益を計算します。

これは単純に前回までの累計損益に新規トレードの損益を合計するだけです。

次に、ピーク時の累計損益を計算します(D列)

前回までのピーク損益と今回の累計損益を比較し、今回の累計損益のほうが大きければ、今回のピーク損益欄に累計損益を表示します。そうでなければ、前回までのピーク損益を表示します。

上の図では、6行目でC6とD5を比較した結果、C6のほうが大きいため、D6にC6の値1,210を表示します。

ピーク損益の計算式(セルD6)=IF(C6>D5,C6,D5)

最後に、ドローダウンを計算します。

ピークと累計の差がその時点でのドローダウンとなります。

また、最大幅のドローダウンを求めるには、MIN関数を使います。
=MIN(範囲開始セル:範囲終了セル)

上の図では、=MIN(E3:E8)=-540となります。

これまでに説明してきた指標をExcelでまとめると以下のような表が出来上がります。

投資指標
勝ち数 249
負け数 242
勝ち金額計 52,830
負け金額計 -37,290
勝ち金額/回 212
負け金額/回 -154
勝率 50.71%
ペイオフレシオ 1.38
プロフィットファクター 1.42
期待値 31.6

もちろん、時期によって、成績は大きくバラツキがあるのですが、この売買ルールならば、売買を継続すればするほど、一貫して資産が右肩上がりになることが期待できます。

自分の売買ルールでデータを取れるように検証を重ね、利益を積みあげていきましょう。