この記事では、株を買った後の売り方について説明しています。

株

損が出た時の売り方

ひとくちに売り方と言っても、利益が発生する場合もあれば、損が発生する場合もあります。

買い値から30%下がっても全く損切をしないようであれば、ずっと株を塩漬けにしてしまいます。これでは、毎年継続的に利益を出すことができません。

株を購入する前に、まず、考えておかなければならないのは損切の基準です。

何パーセント下がれば損切すべきか?

多くの成功した投資家が、投資で最も大切なことは損切のルールを徹底して守ることと言います。また、損小利大という格言もあります。

ごく一部の天才投資家は別にして、一般の投資家では勝率が50%を大きく超えることはまずないと言われています。

しかし、それでも負けた時の損失を最小限にして、買った時の利益をできるだけ大きくすれば、長期的には一貫して勝てる投資家になれます。

そのためにも損小利大が実践できる売買ルールを構築していくことが、非常に重要になってきます。

それでは、買値から何パーセント下がれば、損切すべきでしょうか?

損切10%の場合

筆者が注目している太陽誘電の場合をケースに適切な損切ラインの設定を検討してみます。

2020年5月現在は、太陽誘電の株価は2,500円~3,000円を推移しています。

4月3日に2,432円の安値をつけた後、徐々に株価は回復してきています。

上昇トレンドに移ったと思って、2020/4/8の寄付きで2,782円で100株買いを入れたとします。

損切ラインを10%とすると、2,503円が損切ラインになります。

前回の安値が2,432円ですので、その安値レベルにまで落ちなければ、損切にひっかかることはありません。

ただし、損切にひっかかった場合は資産が10%減少します。

損切5%の場合

同様に、上昇トレンドに移ったと思って、2020/4/8の寄付きで2,782円で100株買いを入れたとします。損切ラインを5%とすると、2,643円が損切ラインになります。

その後の安値は4月24日の2,687円。

なんとか、今回は、損切に引っ掛かりませんでしたが、5%であれば、かなり頻繁に損切に引っ掛かることは想定されます。

ただし、損切に引っ掛かったとしても、資産の減少は5%に抑えられます。

初心者に適した損切率の決め方

損切率の決め方には正解はありません。

上のケースのように損切幅を大きく取れば、損切に引っ掛かるケースは少なくなりますが、損切に引っ掛かった場合のダメージが大きくなります。

損切幅を小さく取れば、損切に引っ掛かるケースは多くなりますが、損切に引っ掛かった場合のダメージは小さくてすみます。

あとは勝率、および、自分が心理的にどの程度のドローダウン(最大損失幅)に耐えられるかを考慮して損切率を決定します。

勝率50%の場合の3連敗する確率

勝率が50%と仮定すると、3連敗する確率は、

50%×50%×50%=12.5%

8回に1回は3連敗する確率があります。売買回数が毎月1回程度の方でも年に1回は3連敗はする計算となります。

損切率を10%に設定していた場合、3連敗で資産は30%減ります。

これは、初心者にとっては、かなり痛いトレスになるだろうと思います。

一方、損切率を5%に設定していた場合は、3連敗しても資産は15%しか減りません。

6連敗すれば、資産は30%減りますが、6連敗する確率は1.56%とかなり低い確率となります。

投資もスポーツやその他の習い事と同じく、練習回数を増やしたほうが、早く上達します。まずは、損切率を5%に設定して何度も売買の練習をすることをオススメします。

利益が出た場合の売り方

昔から相場の格言に「損小利大」というものがあります。

つまり、5%程度の損失が2回程度あっても25%くらいの大きな利益を取れれば、トータルで15%もの利益になるという考え方です。

この考え方に沿った投資をするならば、損切の時は単純に買い値から5%下がれば、売り手仕舞いとすればOKです。ただし、利益が出た場合の売り手仕舞いについては、できるだけ利益が増大するように、単純に率ではなく、もう少し工夫する必要があります。

〇日移動平均線を下回ったら手仕舞いする方法

ひとつの方法は〇日移動平均線を下回ったら売り手仕舞いをするという方法です。

何日の移動平均線を採用するかは銘柄によって異なりますが、前述の太陽誘電ならば、比較的10日移動平均線と相性がいい動きをします。

このため、下降から上昇に転じた後、再度、10日移動平均線を下回ったら売るという方法が考えられます。

比較的滑らかな上昇相場が続く場合は、非常に大きな利益が期待できます。

太陽誘電のケースでは、2019年の9月から2020年1月まで大きく上昇しています。

2019/9/3の寄付に1,997円で買ったとすれば、次に、10日移動平均線を割り込むのが2019/10/11で、翌日の寄付で売れば、2,806円。

なんと1回の売買で40%もの利益になっています。

トレイリングストップを採用する方法

もうひとつの方法がトレイリングストップと呼ばれる方法です。

トラックのトレイラーは荷台を引きずります。トレイル(Trail)とは引きずるという意味ですが、相場が上昇するにつれて利益確定のポイントを引きずりあげていくという方法です。

通常の損切の場合は、買値から〇〇%下がれば、売り手仕舞いというルールです。

しかし、トレイリングストップの場合は、高値を更新するたびに、利益確定ポイントを引き上げていくという方法です。

例えば、高値から5%下がれば、売り手仕舞いというルールを採用したとします。

1,977円で買った太陽誘電が2,300円まで上昇しました。この場合の利益確定ポイントは、

2,300円×95%=2,185円

次に、2,185円まで下がれば、売り手仕舞いします。

しかし、そこまで下がらずに、2,500円まで上昇しました。この場合の利益確定ポイントは、

2,500円×95%=2,375円

次に、2,375円まで下がれば、売り手仕舞いします。

しかし、そこまで下がらずに、 最終的には、2019/10/29に3065円の高値をつけました。 この場合の利益確定ポイントは、

3,065円×95%=2,912円

その後、10月31日に2,912円を下回ったため、翌日11月1日の寄付き2,895円で手仕舞いとなります。

この方法で、なんと45%もの利益となっています。

どちらの方法が適しているかは、銘柄や相場の状況によっても変わってきますので、過去の履歴から判断することをオススメします。

筆者がメインで使っているのはGMOクリック証券。
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3つのポイント