令和2年度補正予算が成立しましたので、「持続化給付金」の詳細が決定しました。
中小企業は200万円、個人事業主は100万円の給付金が出ますので、該当する方は、申請の準備を行いましょう。
ただし、全員が満額もらえるわけではありませんので、制度の内容をよく理解して、できるだけ多くの額をもらえるように申請しましょう。この記事では、申請の注意点を記しています。
「持続化給付金」とは
Contents
感染症拡大により、営業自粛等により特に大きな影響を受ける事業者に対して、事業の継続を支え、再起の糧とするため、事業全般に広く使える給付金のこと。
給付対象となる事業者
- 新型コロナウイルス感染症の影響によりひと月の売上が前年同月比で50%以上減少している事業者
- 2019年以前から事業による事業収入(売上)を得ており今後も事業を継続する意思がある事業者
- 中小企業、小規模事業者、フリーランスを含む個人事業者
法人の場合は
- 資本金の額、または出資の総額が10億円未満
- 上記の定めがない場合、常時使用する従業員の数が2,000人以下である事業者
医療法人、農業法人、NPO法人、社会福祉法人など、会社以外の法人についても幅広く対象になります。
給付金の計算方法
給付金の上限金額
個人事業主の場合
昨年1年間の売上から「減少分」が100万円を超える場合は100万円。100万円未満の場合は 「減少分」 。
中小企業
昨年1年間の売上から「減少分」が200万円を超える場合は200万円。200万円未満の場合は 「減少分」 。
計算式
「減少分」の計算式は、以下の通り。
減少分 =(前年の総売上(事業収入))-(前年同月比▲50%月の売上 × 12か月)
※金額は10万円単位。10万円未満の端数がある時には、その端数は切り捨て。
※月間事業収入が、前年同月比 ▲50%月以下となる月で、任意で選択した月を【対象月】と呼びます。
注意点
対象期間は2020年1月から2020年12月の間
前年同月比50%減少するかどうか微妙なラインという方も多くおられるでしょう。筆者の場合、ホテル業界に勤めていますが、3月度はまだ前年同月比で50%を割っていませんでした。
前年同月比で50%を割っていないという方は、2020年1月から2020年12月までの1年間が対象月間になりますので、慌てて申請する必要はありません。
【対象月】は任意の月を指定できる
どの月を指定しても売上が50%以上減少しており、かつ、売上減少金額が中小企業で年間200万円以上、個人で100万円以上という場合には、できるだけ早く申請をすることをオススメします。
しかし、年間100万円、もしくは、200万円に届くかどうか微妙という場合には、以下の条件を満たす月度を対象月にすることをオススメします。
- 売上が対前年同月比で50%以上減少している月
- 1.の条件を満たしたうえで、2020年1月~12月の間で売上が最も少ない月
例えば、ある個人事業主の売上が以下の通りだったとします。
6月を対象月に選べば、売上が50%以上減少していますので、給付金の対象となります。
しかし、減少分は前年の総売上200万円-対象月の売上11万円×12か月=68万円となります。
給付金の上限金額は、個人事業主の場合、昨年1年間の売上から減少分が100万円を超える場合は100万円。100万円未満の場合は売上減少分です。
したがって、6月を対象月に選んでしまうと68万円、さらに、10万円未満は切り捨てなので、60万円しか給付金がもらえません。
上の表では2020年8月の売上が最も少ないのですが、8月では、前年同月比50%以上の条件を満たしていないので、給付金の対象となりません。
7月を対象月に選べば、
前年の総売上200万円-対象月の売上8万円×12か月=104万円となり、給付金100万円が満額もらえることとなります。
給付金が満額もらえるかどうか微妙なラインにいる人は、上記の計算をしっかりとしたうえで申請することをオススメします。
白色申告の人
なお、白色申告で月度別の収入を報告していない場合は、2019年の月平均の事業収入と対象月の月間事業収入を比較して、50%減少したかを判定することとなります。
スケジュール
給付金の申請期間は令和2年5月1日(金)から令和3年1月15日(金)まで。
申請後2週間程度で入金される予定です。
申請の方法・手順
手順1:持続化給付金ホームページへアクセス
手順2:申請ボタンを押して、メールアドレスなどを入力し、仮登録。
手順3:入力したメールアドレスに、メールが届いていることを確認し、本登録を行います。
手順4:ID・パスワードを入力すると「マイページ」が作成されます
手順5:マイページから申請情報入力、証拠書類をアップロードして申請。
持続化給付金事務局で申請内容を確認。
約2週間程度で給付通知書を発送。
登録の銀行口座に振り込みされます。
必要書類
以下の必要書類を添付します。
中小企業の場合
- 2019年度確定申告書別表一、および、法人事業概況説明書
- 対象月売上台帳等の月間事業収入がわかるもの
- 通帳の写し(銀行名・支店番号・支店名・口座種別・口座番号・口座名義人が確認できるもの)
個人事業者の場合
- 2019年分の確定申告書第一表、および、所得税青色申告決算書
- 対象月売上台帳等、月間事業収入がわかるもの
- 通帳の写し(銀行名・支店番号・支店名・口座種別・口座番号・口座名義人が確認できるもの)
- 本人確認書類(次のいずれかひとつ)
・運転免許証(両面)(返納している場合は、運転経歴証明書で代替可能。)
・個人番号カード(オモテ面のみ)
・写真付きの住民基本台帳カード(オモテ面のみ)
・在留カード、特別永住者証明書、外国人登録証明書(在留の資格が特別永住者のものに限る) (両面)
申請サポート会場とは
電子申請が基本となりますが、電子申請を行うことが困難な方のために、「申請サポート会場」が開設される予定です。
注意点や、開催場所などの詳細につきましては後日、本ホームページへ掲載されるとのこと。
また、新型コロナウィルス感染防止のため、事前予約が必要となり、予約もホームページより行うとのことです。
ただ、スマホも持っていない人は、予約自体も困難なので、周りの方のサポートが必要になってきます。
給付金が全額もらえる見込みの方は、準備を整えて、できるだけ早く申請しましょう。