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さて、最初に質問です。

株や日経225、FXなどの投資を始めるときに、以下の2つのやり方があったとします。
あなたなら、どちらのやり方を採用しますか?

  • 参加者の95%は損をするが、残りの5%の人は資産を3倍にできる投資法。
  • 勝率55%だが、平均すれば、1回の取引ごとに、5,000円/回の利益が期待できる投資法。

まあ、余程、お金に余裕があって、ギャンブル好きな方ならば、最初の方法を選ばれるかもしれません。

しかし、多くの人は着実に資産の増加が見込める後者のやりかたを好まれるでしょう。

システムトレードとは、いわば、後者の方法なのです。

システムトレードとは?

「売買ルールを決めて、機械的に売買を続ける投資方法」

システムトレードとは、その名の通り、売買ルールを決めて(売買システムを作って)、機械的に売買を続ける方法なのです。

システムトレードの売買ルールとは?

一般的によく知られている方法としては、以下のようなものがあります。

過去20日間の高値を超えてきたら、上昇トレンドに移行したと考えて、買いを仕掛ける」

10日移動平均線が26日移動平均線を超えたら(ゴールデンクロスと言います)、上昇トレンドに移行したと考えて、買いを仕掛ける」

といったものです。

こういった値動きに基づいて相場の動きを判断する方法をテクニカル分析と呼びます。
ただ、売買ルールは、何もテクニカル分析でなければいけないというわけではありません。

一方、企業の業績等に基づいて、株価の先行きを予想するファンダメンタル分析という方法もあります。

例えば、

「会社四季報の最新号を見て、来期の業績が30%以上伸びている会社の株を買う」

といった売買ルールで利益を上げておられる人もいます。

ただ、重要なことは、売買ルールを決めて売買すること。
また、その売買ルールが過去に十分な利益を出していることが前提です。

昨日、急に思いついたアイデア・売買ルールで、過去データの検証もせずに、いきなり売買をすることは、一般的にはシステムトレードと呼びません。

ちなみに、私もシステムトレードで売買を継続するまでは、

「いいアイデアを思い付いた」
と思って、売買を仕掛け、何度も損をしました(笑)。

裁量トレードとは?

システムトレードとは対照的に、自分の予想に基づいて、臨機応変に売買を仕掛けるやり方が裁量トレードです。

システムトレードの環境が整っていない日本では、ほとんどの人がこの裁量トレードで投資をしているでしょう。

ただ、残念ながら、裁量トレードで投資をしている95%の人が長期的に見れば損をしていると言われています。

もちろん、日本でも1,000万円の資産を230億円に増やしたcis氏など天才トレーダーは、裁量トレードをされており、相場の動きを見て、注文を出すそうです。

しかし、cis氏は、株式投資を始める前からパチンコや麻雀でも1,000万円を超える利益を出していたという、そもそもギャンブルの天才だったそうです。

 

LINE証券

システムトレードのメリットとデメリット

システムトレードのメリット

もちろん、システムトレードを使えば、必ず、利益が出るというものではありません。しかし、裁量トレードに比べて、以下のようなメリットがあります。

感情による余計な失敗を避けることができる。

「ここは絶好の買い場だ」
と思って、株を買ったら、翌日からドンドン下がりだした。
こんな経験はありませんか?

あるいは、損が続いた後、
久しぶりに株が上がってきたので、10%上がったところで利食いしたら、
その後、さらに、30%も上がってしまい、
悔しい思いをした。

システムトレードの場合は、仕掛けだけでなく、手仕舞いも、
単に、システムが指示する通りに売買をするだけなので、
感情による失敗を避けることができます。

初心者でも相場経験に関係なく利益が期待できる。

裁量トレードの場合は、経験が必要ですが、システムトレードならば、良いシステムを選択しさえすれば、相場経験に関係なく、利益を期待できます。

システムトレードのデメリット

もちろん、そうは言ってもシステムトレードにもデメリットはあります。

システムのサインに従い続けることが難しい。

たとえ、勝率60%のシステムであったとしても、3連敗や4連敗することは頻繁にあります。連敗後、自分の相場観に反したサインが出たときなどは、その反対売買をしたくなります。

勝てる売買システムを見つけるのが難しい

システムトレードを実施するにあたっては、以下の2つの方法があります。

  1. 自分でゼロからシステムを作り上げる
  2. 市販されている売買システムを購入する

自分で作成したシステムのほうが、当然、自信を持って投資を継続できます。
ただし、システムを作り上げるためには、多少の投資経験とパソコンの知識が必要になります。

ただ、パソコンと言っても、プログラミングができなくとも、いいアイデアがありさえすれば、Excelの関数を使っても、十分に利益の上がるシステムを構築することができます。

一方、市販されている売買システムの場合、投資やパソコンの経験が乏しくともシステムトレードは可能です。

ただし、連敗が続くとシステムの指示に従うことが難しくなります。

メリットとデメリットはどちらのほうが大きいか?

システムトレードの場合、「勝てるシステム」の構築に時間がかかりますが、裁量トレードのように天性の才能が必要なわけではありません。

このため、一旦、システムを構築してしまえば、長期に渡って、利益を積み上げられる可能性が高くなります。

したがって、資金量にもよりますが、一般のサラリーマンであっても長期的には億を超える資産形成も夢ではありません。

私のシステムトレードの実績

システムトレードを始めたきっかけ

私の場合、経済学部出身であり、経営数字にも強い(?)と勝手に思っていたため、ごく普通に裁量トレードから出発しました。

会社四季報や新聞を読み、今後、業績がいいと予想される会社の株を買っていたのですが、
ことごとく失敗してきました。

あまりに、連続して負けるので、

「きっと、私には投資の才能がない」

と思って、投資からは随分遠ざかっていました。

しかし、ある時、多少の余裕資金ができたので、投資信託でも買おうと思って、いくつかの投資信託の成績を調べました。

そうすると、優良ファンドでは、過去10年間の平均運用利回りが年率10%以上のものもあるではないですか?

これなら、投資信託を買ってもいいなと思ったのですが、

「待てよ。10%くらいならば、
自分の良く知っている会社の株を繰り返し売買しても、
それくらい儲かるんじゃないか」

と思ったのです。

というのは、今までは多くの人がするように、上がりそうな会社の株を選んで買っていました。

しかし、10%程度の値動きならば、よく知っている会社1社に絞って、値動きを分析し、その会社の株が安くなった時に買って、高くなった時に売ればいいだけじゃないかと気づきました。

そして、最初は、つもり売買で昔、勤務していた村田製作所の株を売買することとしました。
3回くらい売買すると、予想通り、3か月ほどで10%近い利益になることが分かりました。

そこで、

「これならば、本格的にシステムを組めば、毎年、資産が右肩上がりになるんじゃないか」

と考え、多くの本を読み、チャートを分析してシステムトレードを開始しました。

これまでの成績

まだ、システムトレードの実績は浅いのですが、相場環境が良かったこともあり、2018年5月から2019年1月までの9カ月間で80%の資産増加となりました。

システムトレードの注意点

システムに従い続けることができるか?

システムトレードで一番重要なのが、システムの指示に従い続けることができるかどうかです。
特に、これまで相場経験が長い人ほど、自分の相場観が邪魔をします。
連敗が続くと、裁量でやったほうが儲かるのではないかと疑心暗鬼になります。

私も、最初は、何度も指示に従うことができませんでした。
あるいは、並行して裁量で仕掛けたりしていました。

しかし、記録をつけると、裁量トレードのほうが勝率が低くなるんです。

何回も間違いを犯した結果、3か月ほどして、ようやく100%システムの指示に従うことができるようになりました。

そのシステムを信頼して売買ができるか?

最初のころは、自分の作ったシステムだけでは心配で、市販されているシステムも購入しました。

そして、そのシステムを使って、すぐに売買を開始したのですが、連敗が続き、1週間もすると、そのシステムを使わなくなってしまいました。

自分で作ったシステムでも、なかなか信用できません。
市販のシステムで連敗が続けば、信用できなくなるのは当たり前です。

自作システムにしろ、市販のシステムにしろ、本番に移行する前に少なくとも3か月、できれば、6か月はテストをして利益が出るシステムかどうかの確認を行いましょう。

参考書籍

本文で紹介した資産を230億円に増やしたカリスマ投資家cis氏の投資哲学が書かれた本です。